3本目の正直 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


マリウス・ドラルシュ ペルナン・ヴェルジュレス・1erCru・レ・ヴェルジュレス・ルージュ 2003
購入日    2005年10月
開栓日    2006年9月24日
購入先    湘南ワインセラー
インポーター 山信商事
購入価格   3680円

ルネ・ルクレールのグリオット・シャンベルタン98は4分の3残して飲まずに放置。
(3日後、ファインズに返送)
ルーミエのモレ・サン・ドニのクロ・ド・ラ・ブシエール99は、飲めないことはないので、
心の中でぶつぶつ言いながら、ちびちびと様子見となった。

しかし、ストレスが溜まるので、3本目を開栓せざるを得ない。
ストレス発散で酒を飲むケースは多いと考えられるが、酒を飲んでストレスが溜まる、
というのでは本末転倒である。

2003だし、ハズレはないだろうと思って、このペルナン・ヴェルジュレスを開栓したが、
当然期待通りだった。
まだ若いし、すっきりとして過不足なく甘いワインだが、まあこれなら不満はない。

わたしがブルゴーニュ・ワインに期待するのは、もっと表現に頭を悩ませる、
複雑で蠱惑的なワインである。
それを求めるとコケ続けるので、ここらで手を打たないと仕方がない(半分あきらめ)。
で、この1本には神秘的な魅力はないが、3000円台としては非常に良くできている。

ここらのレベルのワインで満足しておけば、いらぬ出費も要らないし、予想外の出来事に
立腹することもないし、インポーターにクレームをつけることもないだろう。
しかし、知ってしまったが故の不幸。
どこかにこのワインの単純な甘さが許せない自分がいる。

結局24日の日曜日に、3本のブルゴーニュを開栓したことになる。
1本目は論外。
2本目は翌日には多少飲めるようにはなっていたが、3本目の伸び具合には、比べるべくもない。
3日目にちゃんと生きていたのは、このペルナン・ヴェルジュレスだけ。

2本目のルーミエは、コルクも長く、ラベルもピカピカだが、これはホンモノなのだろうか
という疑念が浮かぶ。
その昔から、日本のワイン事情を熟知する達人Georgesさんのブログを訪れると、
少なからずフェイクワインが存在するのではないか、と考えざるを得なくなる。

今回のペルナン・ヴェルジュレスは、たいへん良くできたピノであり、コスパも高いが、
なぜかカリスマ性がない。
酸味にせよ、甘みにせよ、単純な姿を露呈してしまっては値打ちが減ずる、ということなのだろう。