下り坂か | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


フィリップ・パカレ ジュブレ・シャンベルタン ヴィエーユ・ヴィーニュ 2002
購入日    2005年1月
開栓日    2006年8月14日
購入先    ウメムラ
インポーター エイ・エム・ズィー
購入価格   6480円

このワインを購入したのは昨年初めで、すでに一夏を越え、いま二夏目である。
わたしはちゃんと70本入る冷蔵庫型のセラーを2つ持っているが、このワインはセラーには入れず、
24時間空調の効いた地下室に保管しておいた。
この部屋の温度は、冬などは12~14℃程度であるが、現在のような真夏では18℃くらいになる。

さて、今回のジュブレは、ポマールにも増して何とも力のないワインである。
先日開けた同じ2002のポマールでは、2日目には相当へたっていたが、ここまで落ちている、
という感じはしなかった。

わたしの感想では、今回のジュブレはピークを過ぎていると思われ、濃厚でどっしりとした果実味も
ぎしぎししたタンニンもみられない。
しかし臨終を迎えているか、というと決してそうではなくて、ワインに詳しくない人が飲んだら、
何の疑問も抱かない、というレベルであると思う。

ビオ臭はほとんどせず、味わいはまろやかで、表情は優しい。
従って、味付けの濃いイタリアンなどに合わせると負けてしまうが、薄味の和食にはよく合う。

この力のなさが元からなのか、自然とピークを過ぎてしまったのか、わたしの保管が悪かったのか、
例によって分からない。
信頼できる飲み手である会計士の友人が、「パカレの2002はもう飲める」と1年以上前に
言っていたので、かなり早く飲めるように造られているのかも知れない。
または、自然派の造り手であるがゆえに、亜硫酸をほとんど含んでいないのかも知れない。

しかし、この保管状況で1年半しかもたないとしたら、それはそれで厄介なワインではある。
購入してすぐに飲む人か、ちゃんと14℃以下に温度管理できる人にしか、真価が伝わらない、
ということになってしまう。

飲み頃の判断は好みの問題が絡むので難しいが、こういう情報こそ、ワイン誌かネットショップから
欲しいものである。
ほとんどの飲み手は、きっと購入後さっさと飲んでしまっているのではないか、
そして、保管してからの変化を丹念に追いかけることなどしないのではないか、
と何となく思う。

2003は昨年秋に購入したが、早めに開けた方がよさそうである。