返らぬ日々 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


1998年7月 六本木にあるフレンチ・レストランで開栓したワインたち

今から8年前に仕事で東京に行き、3人で六本木のフレンチに行ったことがある。
同席したのはイスラエル人の若い社長(当時35歳くらい)と、日本人の営業部長であった。
この日本人は、アフリカ北海岸のフランス語圏での在住歴が長く、通訳もしていたことがあるほど
フランス語が堪能な人物である。

このフレンチの店の名前は失念したが、多分今でもあるだろう。
このときのソムリエはフランス人であった。
語学的な面でたいへん厄介な晩餐で、わたしを含む3人の客は日本語で会話をするが、
ホストのイスラエル人とソムリエは英語でしゃべるし、部長とソムリエとはフランス語で話す。

仕方なくわたしもソムリエとは英語でやり取りしていたのだが、あーだこーだ言いながら、
わたしが選んだのがこれらのワインである。
だから、価格もかなりはっきり覚えている。店での価格は、3本とも14,000円くらいだった。

クロード・デュガ グリオット・シャンベルタン 1992
シャトー・ラフルール 1984
ヴィユー・シャトー・セルタン 1982

当時からわたしの好みは今と変わらなかったようで、デュガ以外は、ちゃんとポムロールから
選んでいる。

まあワインの価格に詳しい人なら、ここで腰を抜かしているだろう。
デュガのグリオット・シャンベルタン、最新のヴィンテージでは10万円は下らない。
もし今、92のグリオットを買うとしても、8万円くらいはするようだ。

「こんな価格でこんなに美味しいブルゴーニュが飲めるんだ。
 ブルゴーニュは5大シャトーなんかより買いやすいなあ」
と当時は思っていたのだが、今となっては夢のまた夢。

まさに返らぬ日の、遠い記憶である。