ボトル差か | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・ラ・プス ドール ヴォルネイ 1997
購入日    2005年9月
開栓日    2006年5月15日
購入先    ヴェリタス
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   4980円(ウメムラでは4780円)

昨年の9月に1本目を開栓したときの印象とは、かなり違う。
同時に同じところから購入した2本で、かなり印象が違う、ということにはもう慣れっこになっている。
今日はボディもしっかりしているし、翌日にただの赤い水になってしまうような脆弱さも感じない。

カツオだし味がするのは同じなのだが、開栓後時間が経過しても落ちていかない。
ただしグラスに注いで30分もすると、香りは飛んでしまい、急に酸味が出てくるから、
それほど底力のあるワインではないと分かる。

ウメムラさんのコメントに羅列されている香りは、
「プラム、ブラックチェリー、クランベリー、赤身肉、レザー、鞣革、胡椒、ナツメグ、メース、
オレガノ、タイム、ベルガモット、黒い土、ミネラル」と百花繚乱の感がある。
皮肉ではなくわたしにはまるで理解不能で、カツオの香りばかり感じて落ちこみそうになる。

飲んでいるのはヴェリタスから購入したもので、同じワインでもルートが違うと変貌している
可能性があるから、ウメムラさんのコメントとわたしの印象がずれていても不思議ではないかも
知れない。

現在開栓当日で5時間経過したところだが、まっとうな飲み頃のブルゴーニュと言ってよく、
口腔内に複雑な旨味が拡がり、余韻も長い。
これはただのボーヌの村名ワインである。それにしては安くはないが、村名ワイン以上の
ポテンシャルを持っている、というのは十分納得できる。

しかし、洗練されて優美ではなく、旨味はあるが何となく「どんくさい」。
お洒落なフレンチ・レストランで、着飾った若い女性がグラスを傾けるイメージではなく、
数人で満員になるカウンターだけの小料理屋で、しみじみと味わうワインという感じである。

自分1人で飲んでいるとしばしば疑心暗鬼になるが、それはあくまでわたしが謙虚な飲み手である、
ということの証左かも知れない。
音楽評論にかけては、断言と毒舌を武器にしたドグマティックで手のつけられない存在と
思われているが、自分が謙虚であるが故に不遜な輩が許せないので、そうなるのである。

書いていてアホらしくなってきたが、だんだん自分の嗅覚に自信が無くなってきた。
ソムリエ資格受験のための香りのセットでも購入して、研究しなおした方がいいのかな。