このブログでは、仕事の具体的な話は書かないことにしている。
書くと、自慢話か愚痴めいた話ばかりになることは目に見えているし、
せっかく仕事を離れたブログを作っている意味がなくなる。
わたしはある専門分野に特化した専門医であるから、ふつうの内科医とはかなり違うのだが、
分野によっては内科に関する臨床力でも、一般内科医にも負けないと思ってはいる。
約1ヶ月前、ある親しい知人が診察時間内にわたしのところに突然やって来た。
「せんせい、わたし膵炎になったので、ワインが飲めなくなりました。これ、飲んで下さい」
と手に抱えたワインを2本差し出された。
同じワインが2本だったのだが、それが今回のワインである。
調べてみたらヴェリタスで売っているワインであった。
ドメーヌ・カイヨ ブルゴーニュ・ルージュ 2000
購入日 ?
開栓日 2006年4月2日
購入先 ヴェリタス(多分)
インポーター ヴェリタス
購入価格 1580円
わたしが診察したところ、結果的には膵炎ではなかった。
その内科医は一体何をみて膵炎と言ったのかまったく理解不能だが、
結果的にわたしの手元には2本のワインが残った。
それを昨日開栓したのだが、これは良くできたブルゴーニュ・ルージュである。
2000年ものではありながら、ペロ・ミノやギヨンのブルゴーニュ・ルージュよりは軽めで、
開栓当日は腰も細く、香りはフレッシュで若々しい。
しかし、開栓翌日はしっとりとしてきて、重心が下がって落ち着きが出てきている。
その分格調も加わって、いかにもヴェリタスの辻さんが好きそうな、コスパの高い
「みにくいアヒルちゃんワイン(開栓後時間が経ってから真価を発揮する)」である。
開栓2日目の今日の味わいは、昨日のルーミエの1級の2日目より美味しいかも、
と言えば言い過ぎか?
このカイヨという造り手、古酒でいろいろなものを出している。
一昨年にムルソーの1984年の赤を飲んだことがあるが、これはとんでもない
澱だらけのワインであった。
あとで送られてきたボトルはまったく違うまともな味わいであったが、ちょっと酸味が強すぎて
あまり感心しなかった。
今回のベーシックなACブルゴーニュを飲んで、カイヨは古酒よりこっちの方がいいな、と思った。
残る1本は、ニセ膵炎の患者さんに送り返そうかしらん・・・