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ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ポール・ビュイッス (ロワール) シノン ヴィエイリー・スー・ボア 2002
購入日    2004年11月
開栓日    2006年1月12日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   998円
ぶどう品種  カベルネ・フラン

まずは初心者的な話で失礼。
ボルドー、特にメドックのワインの多くは、カベルネ・ソーヴィニオン、メルロー、
カベルネ・フランの3種のブドウのブレンドである。
これはずっと昔からそうだった、というわけではないらしく、19世紀に入ってから淘汰が進み、
最終的にフィロキセラ対策で多くのブドウの樹が植え替えられてこうなったらしい。

カベルネ・ソーヴィニオンやメルロー単独のワインは、カリフォルニアやオーストラリアなどの
ワインを例に出すまでもなく、いくらでも口にできるので、どんなブドウなのか分かりやすい。
しかし、ボルドー・ワインに少量ブレンドされている、カベルネ・フラン、マルベック、
プティ・ヴェルドなどの品種個々の特徴は非常に分かりにくい。

わたしもマルベック、プティ・ヴェルドがどんなワインを造るのか、さっぱり分からないが、
カベルネ・フランは何となく分かるようになった。
それは、主にロワールで造られているカベルネ・フラン100%のワインを口にする機会がある
からである。

今日の1本もフラン100%である。
1年前に1本開けたときは、まだ若く腰が弱くてコクもなく、妙に平板で奥行きがないワインだと
感じたのだが、今日はちゃんと香りが立ってきて、控えめだが酸味も感じられるようになっている。
「天津甘栗の香り」と家内は言うが、なるほどそうかも知れない。

しかしまだ若いのではないか、という印象もあるし、時間を経てもそれほど美形のワインには
ならないような気もする。
サンテミリオンのシャトー・シュヴァル・ブランは70%がフランだが、もっと気品も深みもある。
まあ、テロワールも違うし、価格は20倍も違うので比較にはならないが。

今日のワインはわたしにはイヤミや渋みはなく、穏やかで控えめであるように思うが、
UTAさんは、舌の真ん中が凹むようなような渋さがある、と書いておられる。
どうもこの人、ピノ・ノワール以外は受け付けない、重症の伝染性ブルゴーニュ症候群に
感染されたのではないか。

わたしは医師で、病気を治すのが仕事のはずだが、病人を作ってどうするんだ?