コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ シャンボール・ミュジニー 2000
購入日 2005年11月
開栓日 2006年1月2日
購入先 河野酒店
インポーター クラレット
購入価格 8990円
今年最初に開けたワインであるが、われながら中道を行くというか、危なげない選択だなと思う。
ヴォギュエは言うまでもなくシャンボール・ミュジニー村最大の造り手であり、
ブルゴーニュ有数の造り手でもある。
村名ワインでこの価格。1級畑ならこの1.5倍、特級とザムルースなら3倍はするからオソロシイ。
何とも上品なワインで、ほどよく酸味が乗っていて、さわやかでフレッシュである。
村名クラスだからなのか、2000年というあまり良くないヴィンテージのせいなのか、
開栓前に想像していたより軽いワインである。
ヴォギュエのイメージにあるどっしり感はなく、タンニンの渋さもほとんど感じない。
少し酸味が甘みに勝っており、それがなおさら線が細い印象を与える。
ただ、このワインがただ者ではないのはそこからで、抜栓1時間後くらいから、
酸味の奥底からホワワワ~ンとシャンボール村の深い芳香を漂わせてくる。
相当繊細な飲み手でなければ気にとめない程度である、というところがまたニクイ。
畏敬する飲み手ooisotaroさんが、先日のブログで、
「飲み手の嗜好の問題もあるでしょうが、美味しいと幸せの差って富士山とエベレスト以上の
差はある」と書いておられて、まさにその通り、と膝を打ったのであるが、
間違いなくこのワインも「ワインの神様が大地に与え賜うた恩恵」を存分に享受している。
例によって8時間ばかり楽しんでいると、いっそう柔らかになってきて、幸福感を感じる。
ただし、2日目はへばってはいなかったものの酸味は強くなっていて、
無条件に幸せな気持ちにはならなかった。結局、少し開栓時期が早かったのだと思う。
同じ村名ワインでも、ジュブレ・シャンベルタンの村名とはずいぶん異なる。
今日のワインの方が遙かに繊細かつ女性的で、そこはかとなく香ってくるブーケが、
言いようもなくいとおしい。
こんな木目の細かいワインを飲みつけると、もはやボルドー左岸の骨太でタンニンの効いた
ワインには戻れなくなりそうだ。
ふとエチケットを見ると、ちゃんとNo. 00102と書かれてある。
番号が振られているのはここのドメーヌの常だが、その下に
「IMPORTED BY WARD WINES AB, STOCKHORM」
とある。何じゃこりゃ?
どうも一度北欧に渡ってから来日したようである。
このあたりの事情は、わたしにはさっぱり分からない。