無きドメーヌのためのパヴァーヌ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・デュシェ ボーヌ 1er Cru サン・ヴィーニュ 1984
購入日  2005年10月
開栓日  2005年10月14日
購入先  湘南ワインセラー
購入価格 2980円

ooisotaroさんのブログで紹介されているのを見て、即買いに走ったワイン。
 ブルゴーニュの達人に是非薦めたい1本  ドメーヌ・デュシェの古酒



このブログがアップされてからわずか1時間後に、
店の残ったワイン6本をわたしが全部押さえてしまった。
だから、あとで見た人は、誰もこの店からこのワインは買えなかっただろう。
どうもすみません。

わたしがブルゴーニュの達人かどうかは別にして、ブルゴーニュの達人にとって、
わたしは迷惑な存在であるのは間違いない。
こんなことがあるから、ooisotaroさんのブログやわたしのブログの読者が増えるのは、
単純に喜べないのである。

ネットで虎視眈々とブルゴーニュの人気ワインを狙っている愛好家の数は、相当なものだと思われる。
クロード・デュガ、ジュルジュ・ルーミエ、ベルナール・デュガなど、
出たとたんに高価なものでも数時間でネットショップから消えてしまう。

世の中には金持ちが多いなあ、とつくづく思う。
さてこのワインを買ったのも、ブルゴーニュに造詣が深いooisotaroさんのコメントを
全面的に信用した結果なのだが、果たして同じ感想を持てるかどうか。
なにせ、20年もののブルゴーニュの古酒となると、1本1本状態が異なることもままある。

結論から言うと、まったく同じ感想であった。
コルクは下6ミリの色が変わっていて、やや不安になる。
開栓早々は、先日のレザムルーズと同じように、刺激の強い酸味ばっかり。

ooisotaroさんは
「20分程経った時点で角が取れてまろやかに、40分後には雑味が失せて甘く純度の高い熟成古酒へと
 変貌を遂げました」
と書かれている。

それを期待して、開栓したまま、待つこと40分。
ん?ちょっと変わったかな?

さらに待つこと30分。
おっ、明らかに角が取れて、旨味が出てきている。
ooisotaroさんの書かれている時間より若干遅いが、そこは関東と関西の違いだろう?

さらに時間とともにまろやかになり続ける。
表現が難しいが、枯れたマイナスの香りはしない。
24時間経つと、香りは乏しく魅力はないが、すっかり丸くなっていて、節度のある酸味が残っている。

真価を発揮してピークにあったのは、開栓後1~3時間くらいだろうか。
開栓後24時間、ずっと梅酢味であり続けた、先日のレザムルーズとは大違いであった。

なるほど、ブルゴーニュの古酒好きには魅力的な1本。
欠点といえば、アロマが今ひとつ魅力に乏しいことだろうか。
ブルゴーニュ通以外では、このワインの魅力は分かりにくいかも。
だがしかし、この価格は非常に安い。

このドメーヌ、昨年まで運営されていたが、今年になって売却され、今は存在しないそうだ。
売却に当たって、蔵で保管されていた古酒が放出されたものらしい。
ネットで検索すると、今でも3250円~5980円(!)で買える。

「いや、やっぱりこのワインはとても素晴らしい!最後の結論です」
はい、その通りだと思います。あとの5本も楽しみです。