9時間のドラマ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・アンリ・ペロ・ミノ マゾワイエール・シャンベルタン 1998
購入日  2004年12月
開栓日  2005年10月16日
購入先  かわばた
購入価格 6980円

ジュブレ・シャンベルタン村の特級畑、マゾワイエールだが、シャルムと接していて
シャルム・シャンベルタンと名乗ってもよい畑らしい。
おそらくペロ・ミノはシャルムを持っていないので、マゾワイエールと名乗っているようだ。

グラスに注いで明らかな黒すぐり色、直ちに立ち昇るアロマの豊かさ。
口に入れるまでもなく、まごうことなきグラン・クル。
このピノの香りを嗅ぐだけで、言い知れぬ幸福感に満たされてしまう。
ほとんど中毒。

だが、開栓してすぐ口に運ぶと、拍子抜けするほど軽く、薄っぺらい。
何じゃこりゃ、またハズレかいな、
と思うのは素人の浅はかさ。

ここであせって、1時間で飲み切ってしまっては、ブルゴーニュの真価は分からない。
開栓したまま、座してボトルを眺めつつ、気長に待つ。

時間とともにだんだんワインが分厚くなってくる。
凝縮したブーケも徐々に立ち上がってくる。
まるで空気中から、瓶の口を通してスピリットがワインに注ぎ込まれるかのようである。
不思議であること、この上なし。

開栓後2~3時間でプラトーに達し、9時間経っても衰えず、1人で1本開けてしまった。
まことに充実した日曜日の午後。

ただ飲んだくれていたわけではない。
この間パソコンに向かい、学会の会費納入の管理業務をこなし、
今月末のシンポジウムのプレゼンの原案を作成する。

アルコール、もとい、ピノ・ノワールが入ると脳が活性化するようになっている。
ほとんど中毒。

グラン・クルにしては重い方ではないが、ブーケの豊かさはさすがである。
これだけは、絶対に村名ワインや1級ものでは味わえない。

ペロ・ミノさんは、やっぱり素晴らしかった。