2024世界選手権 予想 | 閉じた眼

閉じた眼

40年以上愛好するフィギュアスケートに関する自己流観戦コラムです。
(趣味で集めた情報を提供することがありますが、最新の情報でなかったり正確でないこともあります。あらかじめご了承ください)

さて、今シーズンの締めくくり、世界選手権が来週から始まります!

 

開催地は、4年前コロナで中止となったカナダケベック州、モントリオールです。

 

モントリオールには1度行ったことがあります(スケート観戦ではなく単なる旅行)。町の印象はあまり記憶がないのですが、

 

到着したとき、市街に出るのにバスを使う予定でしたが、よくわからず、またカナダのサンクスギブンにあたる休暇シーズンとかで、大混雑。

 

その場で居合わせたモントリオール在住の若い男性と、私と同じテキサスから来たという中年の男性と3人でタクシーをシェアして、ホテルに行ったのを覚えています(アメリカのテキサスに出張中に週末を利用して行った旅でした)。

 

ホテルはバラ赤薔薇をイメージした外装、内装でとてもオシャレでした。

 

そして、帰りの時には、私が日本人でアメリカから入国してきたということで、日本からアメリカに入国した日付を記憶しておらず、また日本に帰る航空券も持っていなかったということで、

 

入国審査(驚いたことにモントリオールの空港で飛行機に乗る前に入国審査がありました)に引っかかり、別室に連れていかれました。

 

勤務先やらアメリカ滞在目的やらいろいろ聞かれて、最後には今度は航空券を携帯するようにと助言されました。

 

考えてみたら、いまだったら航空券はほぼ100%Eチケットで、スマホを見れば、何日入国とか、帰りのチケットとか分かるでしょうから、こんなトラブルは発生しそうにないなという感じです。

 

モントリオールというとコマネチが出たオリンピックとか、ELPがオーケストラと共演の歴史的ライブをやった場所という記憶があり、何となく訪れてみたのですが、「また行きたい」という旅にはなりませんでした。

 

それでは、4年ぶりのリベンジの大会、いつものように独断と偏見で予想してみたいと思います。

 

ハート本命星対抗馬ダークホースうずまきワイルドカードガーベラ楽しみ日本日本ガンバレ

 

セキセイインコ青男子

ハートアメリカイリヤ・マリニン

星日本鍵山優真

馬フランスアダム・シャオ・イム・ファ

うずまき日本宇野昌磨

ガーベラカナダローマン・サドコフスキ、アレクサンダー・セルヴィコ、フランスリュック・エコノミデ

日本三浦佳生

持ち技と今シーズンの実績からすれば、4回転アクセルジャンパーアメリカイリヤ・マリニンが優勝候補筆頭といってよいでしょう。

 

世界選手権で、ショートに4回転アクセルを飛ぶ裏技をやってくるのか注目されます。

 

しかし、彼も全米選手権では、調子がいいとはいえず、何でも新しい靴が合わずに、急遽ファイナルではいていた靴をまた履いて演技していたそうで、

 

世界選手権初優勝のカギは、靴の状況かもしれません。

 

マリニンが不調の場合に、優勝の可能性が一番あるのは、日本鍵山優真選手かもしれません。

 

鍵山選手は4回転は2種類のみで、3種類目のフリップは試合で成功したことがありません。

 

しかしながら、ジャンプの質でGOEで大きく稼ぎ、PCSも9点台をコンスタントに出せるので(今シーズン、全選手中宇野選手に次ぐ2位の高スコアで、私には違和感ですが)、

 

世界ジュニアでの得点の出方を見ても、クリアーでない難度の高い技より、クリアーな難度の低い技の方が高く評価され、それがスコアや順位に反映している傾向が見られたので、

 

世界選手権でも同じような採点が行われそうで、

 

この傾向に最も有利な立場にある選手が、鍵山選手と思います。

 

マリニン、鍵山選手にミスがあれば、見た目的に一番世界一への野心が顕著というか、世界チャンピオンになるマインドセットができているように思えるフランスアダム・シャオ・イム・ファが表彰台の真ん中に立つかもしれません。

 

今シーズンは、マリニンと激突したGPフランス大会でいきなりピークが来てしまい、その後は下降気味で、調子が世界選手権でV字回復しているかどうかというところです。

 

シーズン序盤でピークが来てしまった選手は、その後ピークを戻すのが困難で、V字というよりL字になりがちです。アダムは大試合に弱く、昨年の世界選手権、グランプリファイナルと不調でした。優勝確実に思えたヨーロッパ選手権では、禁じ手のバックフリップで話題を取りましたが(この話を聞いて、私は即座にメドベージェワがカウントされないコンビネーションジャンプを飛びつつ優勝した2017年思い出しました)、スコア的には、今シーズン最も低い結果となりました。

 

出場選手の中で唯一世界選手権優勝経験のある日本宇野昌磨選手、3連覇のかかる世界選手権での演技、そして結果は一番謎です。

 

「ひょっとして」もあれば、「まさか」もありそうです。

 

全員がノーミスの演技をしたら、宇野選手は表彰台も危なそうですが、そういうことはないので、

 

そして、今シーズンからやたら厳しくなっているトウ系ジャンプの回転不足に一番ひっかかり、減点されそうな選手であるので、

 

あまり期待しない方がいいかなと思っています。

 

個人的には、これまでとりあげた4選手の中で一番、世界チャンピオンに相応しい演技ができる選手と思うのですが。

 

他に注目している選手といえば、

 

四大陸で、とても個性的で私好みのプログラムを滑っていた、カナダローマン・サドコフスキ、

 

ヨーロッパ選手権で銀メダル!、個性的なスピンが素敵なアレクサンダー・セルヴィコ、

 

ファイナル、ヨーロッパ選手権と絶不調で欠場となってしまったフランスケヴィン・エイモズに代わって出場のリュク・エコノミデ、ストリートダンス風のショートが気に入っているので楽しみです。

 

他にも、今年も世界選手権に帰ってきたアメリカジェイソン・ブラウン、四大陸のショートが印象的、私的には一番曲を表現していた韓国ジュンファン・チャ、背中美男子リトヴィンツェフ、世界ジュニアと連戦のアダム・ハガラなどなども楽しみ。男子は注目の選手沢山います。

 

その中で日本三番手、三浦佳生選手、出場選手中シーズンベストスコアは5位にあたるので、ぜひともフリーの最終グループに残ってほしいですね。

 

ところで、今シーズンのスコアの平均値を出したリストがあるのですが、ベスト10に日本男子6人(全日本最終グループの6人!)が連ねているすごさ。

 

平昌オリンピック以降、イタリア男子を引っ張る存在だったマッティオ・リッツォが、腰の治療でヨーロッパ選手権には出場したものの、世界選手権には代表に選出されることもありませんでした。メダルが期待できるヨーロッパ選手権には何とか出て、メダルが望み薄の世界選手権はスキップしたくなるのも、このベスト10の顔ぶれを見ればわかる気がします(ちなみにリッツォは12位)

 

そして、エントリーリストを見て驚いたのが、ヴァルター・ヴァルテネンの名前が、出場選手中最年長?、今シーズンはペアに転向したという話もあり、GPフィンランド大会にも出ておらず、ヨーロッパ選手権にも出ていませんでしたが。。。。すっごーく息の長い選手で、SkatingScoresで、選手の全出場国際試合の得点グラフが見れるのですが、彼のページはすごく表示するのに時間かかり、グラフは細かすぎて、見切れませんでした。

 

赤薔薇女子

ハート日本坂本花織

星ルナ・ヘンドリックス

馬日本千葉百音

うずまきアメリカアンバー・グレン

ガーベラニーナ・ペンザローネ、ジョセフィン・タルジェガード

日本吉田陽菜

4種目中一番優勝確実といえるのが、日本坂本花織選手ではないでしょうか?

 

ライバルのルナ・ヘンドリックスも、「カオリにミスがあって、私がノーミスで揃えない限り、私の優勝のチャンスはない」と坂本選手の強さに匙投げ状態です。

 

そして、四大陸で優勝した日本千葉選手、日本女子では2番手というプレッシャーのかからない立場で、世界選手権初出場表彰台も夢ではないかもしれません(四大陸優勝は、これまであまりいいサインにならないケースが多いですが)。

 

坂本選手とルナ・ヘンドリックスに割って入ってくる可能性があるのは、全米女王となったアメリカアンバー・グレンかもしれません。彼女はトリプルアクセルの武器を持っていて、いきなりパーソナルベスト更新の演技を見せてくれるかもしれません。

 

その一方で、昨年銀メダルの韓国イ・ヘイン、昨年の全米女王のアメリカイサボー・レヴィトは不調で、彼らが世界選手権で復調すると、表彰台はまた違う顔ぶれになってくるかもしれません。

 

GPF銅メダリストとなった吉田選手にも、チャンスは大あり、結果はともかくいい演技を見せてほしいと思います。今シーズンの彼女のショートもフリーも、とても個性的で私は好きです。

 

他に見るのが楽しみといえば、

 

長らく、フィギュアスケート選手はヘンドリックス兄妹しかいないのではと思われたベルギーから、思いもかけない強力な二番手が登場。単なる振付だけでなく選手の動機付けにも手腕を発揮しているらしい、ISUアワード賞も受賞した、 ブノワ・リショーが後押しするニーナ・ペンザローネ。スーパーモデルのような見た目が素敵で、演技が楽しみです。

 

そして、スピンやステップ、演技力で魅せてくれるジョセフェン・タルジェガード。今シーズンはフィンランディア杯に出場し、マイナーな国際試合で優勝したりしているようですが、私は演技を見る機会がなく、世界選手権で初めて見るので、どんなプログラムを作ってきて、どんな演技を見せてくれるか楽しみにしています。

 

今シーズンの女子は、何となく全体的に低調な感じがするのですが、昨シーズンまで活躍していた選手が、今シーズンは不調というのが多く、エントリーリストを見ても、知っている名前は数々あっても、「演技が見たい!」と思う選手が少なくて、世界選手権で、思いがけないサプライズやニューヒロインの登場を期待したいものです。

 

クローバーペア

ハートカナダステラート=デュデク&デシャン組
星ドイツハーゼ&ボロディン組

馬メテルキナ&ベルラヴァ組

うずまき日本三浦&木原組

ガーベラアメリカチャン&ハウ組、アメリカプラザス&フェルナンデス組、中国パン&ワン組

4種目の中で最も予想が困難なのがペアです。

 

いろいろなチャートを見て、試行錯誤しました。

 

本命無し、ワイルドカードが5,6組に使用かと思いましたが、

 

今シーズンのスコア平均から、上記のような予想としました。

 

スコア的には、今シーズンぼスコアで1位は、驚異のアラフォーペア、カナダステラート=デュデク&デシャン組であり、スコア平均値でも彼らが1位なので、本命としましたが、

 

私の中では、彼らが世界選手権優勝する気はしないです。

 

四大陸では、日本三浦&木原組を破って優勝しましたが、スコアとしては200点に満たない低調で、シーズンベストもシーズン序盤のGPカナダ大会のものなので、同等の演技が世界選手権でできるのか、大きな疑問です。

 

私の中で優勝に一番近いのは、ドイツハーゼ&ボロディン組ですが、ヨーロッパ選手権での不調が気になります。グランプリファイナルに優勝して、ヨーロッパ選手権、世界選手権優勝も夢ではないと意気込んだのがプレッシャーになってミスになったのか、そのあたりがリセットされて世界選手権に臨んでくると、ファイナルの時のような演技が期待できそうです。

 

また、今シーズン最も「強い」ペアという印象があるのが、世界ジュニアチャンピオンのメテルキナ&ベルラヴァ組です。今シーズンの彼らのラテンナンバーのショートは、今シーズン最も印象に残るペアのプログラムです。ただ、ヨーロッパ選手権でも世界ジュニアでもフリーになるとミスが連発するのが、気になるところです。フリーもまとめてくれば、表彰台確実、もしかすると真ん中もありえるように思います。

 

今シーズンは、ケガであまり試合に出ていない、世界チャンピオンの日本三浦&木原組、2月のチャレンジカップのエントリーしていましたが、練習を優先するために棄権しました。その成果が世界選手権で発揮できるといいですが。四大陸でもミスがあって2位となりましたが、スケーティングとか演技全体としては、「世界チャンピオンらしい」ベースの技術を持っているペアだと思うので、ショートフリーを揃えてくれば連覇も夢ではないと思っていますが、どうなるでしょうか?

 

他に演技を見るのが楽しみといえば、

アメリカチャン&ハウ組、今シーズンはケガで全く試合に出ておらず、全米選手権もショートだけ出場して欠場しました。これまでいろいろなペアが開発してきた難しい要素をいろいろと実践してくるペアで、彼らの演技を見ると、ペアの技カタログを見ているような気分になります。特に見ごたえあるのが、パンフィロワ&ライロフ組が編み出した、女性が男性の腕の外側に巻き付くスターリフト、非常にバランスを取るのが難しいリフトだそうで、あまりやるペアがいません。世界選手権で見れることを期待します。

 

アメリカプラザス&フェルナンデス組、とてもアメリカ的なペアで、見ていると元気がでます。そしてアメリカンフットボールのチアリーダーパフォーマンスを見るかのようなリフトが圧巻です。

 

中国パン&ワン組、パン&ジン組の時からストーリー性のあるプログラムを作ってきていましたが、今シーズンもフリーの魔法使いの弟子が楽しみです。

 

他にも、シェルブールの雨傘のイメチェンのゴルベワ&ムーア組、パートナーが変わってイメージが変わったアメリカカム&オシェア組、ヨーロッパ選手権優勝したイタリアベッカリ&グアリーゼ組、ファイナルでの会心の演技が印象に残るイタリアコンティ&マッキ組、数シーズン前に見て非常にキレイな所作が印象に残るクラフォード兄妹、

 

などなど、楽しみなペアが盛りだくさんです。

 

そして、四大陸で男性の投げやりな演技、態度で見ていて不快な気分になったゴメス&コロヴィン組、男性の態度が改まっていることを期待したいです。

 

ヒマワリアイスダンス

ハートアメリカチョック&ベイツ組

星カナダギレス&ポワイエ組

馬イタリアギニャール&ファッブリ組

ガーベラアメリカブラッティ&ソンバービル組、タシュレロワ&タシュレー組

日本小松原&コレト組

アイスダンスはファイナルに出場した6組が頭一つ抜けていますが、

 

その中でも光って目立っているのは、アメリカチョック&ベイツ組とカナダギレス&ポワイエ組という気がします。

 

彼らのフリーダンス、ピンク・フロイド(衣裳はキング・クリムゾンっぽい)、坂本龍一の嵐が丘は、どちらも甲乙つけがたい傑作で、

 

あとは、素人には分からない技術的な出来栄えで順位が決まりそうです。

 

どちらの演技も楽しみです。個人的にはリズムダンスはギレス&ポワイエ組の方が好みで、

 

ギレス&ポワイエ組の優勝(地元開催!)を願っていますが。。

 

昨年銀メダル(私には驚きでした)のイタリアギニャール&ファッブリ組は、リズムダンスもフリーダンスも個人的に今シーズンもあまりピンと来ないというのと、スコア的にも今シーズンはトップ2に少し水をあけられて、逆に他のトップ6、イギリスフィアー&ギブソン組に迫られているところもあります(ヨーロッパ選手権では彼らを破って堂々の2連覇でありましたが)

 

メダル候補にはならないと思いますが、カナダボードリー&スアアンソン組のフリーダンス、ノートルダム・ド・パリも見るのが楽しみです。

 

他に見るのが楽しみといえば、

 

アメリカブラッティ&ソンバービル組、ずっと応援していた組で、特に男性のソンバービル君の明るい笑顔のファンで、まさか世界選手権代表に今年慣れるとは思っても見なくて、とても嬉しいです。ソンバービル君の明るいキャラクターからは真逆のようなフリーダンスですが、彼が懸命に殻を破ろうとしている姿に感動共感しちゃいます。

 

タシュレロワ&タシュレー組、今シーズンはGPアメリカ大会の後は試合に出ておらず、彼らのパワフルなダンスが、世界選手権でまた見れることを楽しみにしています。

 

他にも、「パヒューム」でイメチェンしたアメリカキャリエラ&ポノマレンコ組、「シェルブールの雨傘」の熱演が光る韓国リム&クォン組、そして昨シーズン、リムたちと共にジュニアで活躍し、今シーズンはイメチェンしているムルザコワ&ムルザック組、、、楽しみです。

 

そして、エントリーリストを見て驚いた名前というと、

 

かつて、カナダの選手として国際試合に出ていたスシーズ&フィルス組がアイルランドに移籍して、世界選手権出場となっています。四大陸でメダルを取ったこともある組でしたが、ここ何シーズンかは、層の厚いカナダの中に沈んでいるイメージがありましたが、移籍してどんな演技を見せるのか楽しみです。

 

そして、ここ数シーズン国際試合にあまり出ていない印象で、地元開催のGP中国大会、四大陸にも出ていなかった中国ワン&リュウ組、最近男性に性加害疑惑が浮上したというバズをネットで見たのですが、それが最近の不調の原因なのか、ケガをしているのか、よくわからないですが、久しぶりの世界選手権出場を注目してみたいです。

 

そして、何かと物議の種のデイビス&スモルキン組、アメリカと渡って、結局から世界選手権初出場です(北京オリンピックに代表として出場しましたが、その後ロシアが出場停止になって、世界選手権は出場していませんでした)。

 

怖いもの見たさの気分で演技を見ようと思います。

 

まさかの四大陸での代表争い決戦に勝ち残った日本小松原&コレト組、四大陸の時のような気迫ある演技を期待します。