2017/2018 後半シーズン開始 & ゴールデン・スピン疑惑 | 閉じた眼

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40年以上愛好するフィギュアスケートに関する自己流観戦コラムです。
(趣味で集めた情報を提供することがありますが、最新の情報でなかったり正確でないこともあります。あらかじめご了承ください)

 

 

2018年の到来と共に、2017/2018シーズンも後半戦となってきました。年末から全米選手権は開始しており、ジュニア以下のカテゴリはすでに試合が始まっています。オリンピック代表選となるシニアは1/3水曜日(日本時間1/4木曜日午前)、女子のショートプログラムから開始となります。さきほど長洲未来が、練習でトリプルアクセル着氷しているのを見ました。本命不在といわれる全米の女子は、10年ぶりの女王返り咲きとなるのか、昨シーズンまで無名の新人の優勝となるのか、あるいはフリーのプログラムを変えた有力選手が、シーズン前半には出せなかった力を出すのか?? また、男子では優勝とオリンピック代表当確のネイサン・チェンが、フリーで4回転5回の構成で臨むという情報も入りました。今シーズンは、クリーンなフリーは一度もないので、全米選手権で日本の羽生選手、宇野選手にプレッシャーを与えるような演技をするかどうか注目です。また、オリンピック代表の2,3枠争いも熾烈になりそうです。

 

ところで、元旦からSNSで驚くニュースをキャッチしました。ベラルーシのジャッジが、ゴールデン・スピンでスペインの男性がロシア出身のアイスダンスチーム、ウルタド&ヒャラヒン組に肩入れする採点をし、辞任(ISUが採点に関して調査しているものの、辞任理由について公式発表はないということですが)したという記事です。先月スペインのアイスダンスオリンピック代表について、ブログで以下のようにコメントしていました。

昨シーズンから、スペインのアイスダンスといえばスマート&ディアス組であったので、今まで聞いたことがないウルタド&ヒャラビン組がオリンピック代表になったのは、不思議な感じはしました。

問題の採点が行われたのは、ゴールデン・スピンのアイスダンスのショートダンスで、ベラルーシのジャッジとロシアのジャッジが共謀して、ヒャラビン達の組に高い点を挙げ、その結果ライバルのスマート&ディアス組にショートダンスで4点以上差を付けました。

上記のように6番ジャッジがベラルーシ、7番ジャッジがロシアで、他の5人のジャッジが、スマート&ディアス組にやや高い評価をしているのに比べて、6番、7番ジャッジは、ウルタド&ヒャラビン組に高い評価をしています。

また、問題となったのが、この二人が試合中会話をしていたらしく、それがISUのルールに反していることだそうです。

ぱっと目、スコアシートを見ても、不正な採点かどうかを見抜くのは難しい感じはします。また、6点満点採点時代は、自国の選手にジャッジが高い点数をあげるのは、おおっぴらに行われ、黙認されていました。しかし、外国に移籍した選手(コーチはロシアのズーリン氏ではありますが)を肩入れする必要があるのかがよくわかりません。またロシアのジャッジに調査がないのも不思議ではあります。ロシアのジャッジの方があからさまに高い点をあげているのですが。

 

肝心の2組の演技を見てみたのですが、素人目にウルタド&ヒャラビン組の方がアピールする演技だったように思いますが、ツィーズルのGOE3はおかしいのではないかと思いました。またウルタド&ヒャラビン組は、ヴァーチュー&モイア組と同じ曲を使用していて、つい比べてしまい、粗が目立ったような印象もありました。全体的には、二組には大きな差はないようには思いました。

 

SkatingProtocolというフィギュアスケートの採点についていろいろ分析をしているグループ(個人?)が、以下のように各ジャッジの個人の採点をスコアにしているのが、記事に乗っていましたが、詳細で見るとはっきりとはわからなかったのが、合計点にして比較するとその偏りが明らかになります。ベラルーシとロシアのジャッジは、スペインの2組に10点近い差をつけた採点をしていました。アイスダンスで10点差は、素人目にも違いがわかる演技のように思いますが、私には、2組はそのような差があるようには思えません。ほかのジャッジはトルコ以外は大体1点ぐらいの差しかありません。また、トルコのジャッジも、ウルタド&ヒャラビン組に高い点を出し、その見返りにベラルーシとロシアから、トルコの組に高めの得点を出させている気配もこのシートから見られます。

プロトコルにこういうジャッジ別の合計スコアを表記すると、詳細の得点ではわからないジャッジの傾向が明確になっていいように思いました。

 

 

記事ソース:Skate judge under investigation resigns; status of inquiry uncertain. Was Spanish Olympic dance selection affected? ― Globetrotting by Philip Hersh

 

オリンピックのジャッジは、ネーベルホルン杯の時にドローで国の割り当てが決まったらしいのですが(ICE NETWORK 記事より)、その時にはロシアが4種目すべてに入っていたけれど、ロシアが参加禁止という事は、ロシアのジャッジは含まれなくなるのですかね?