蜷川幸雄演出『じゃじゃ馬馴らし』観劇♪♪♪
蜷川幸雄演出『じゃじゃ馬馴らし』
観てきましたーーーー@さいたま芸術劇場
恥ずかしながら、初・蜷川幸雄。初・シェイクスピア。注目中の役者さんである川口覚くんが出演するとのことで、とても楽しみにしていました![]()
席は2階席上の一番遠い横側でちょっと見切れたのですが、前に人がいないのですっごくリラックスして観られました。さいたま芸術劇場自体も初めてだったのですが、さすが大劇場、オペラハウスみたいで高級感に溢れてて。舞台上の豪華なセットを見ただけで、もうすんごいワクワクしちゃって。
そして観ている間中、ずっとずっと楽しくて。もちろん至高の舞台芸術としての圧倒的なクオリティも感じていて。休憩時間までの2時間があっという間でした。カーテンコールはスタンディングオベーション。今までに経験した「すごい拍手」は、虚構の劇団『エゴ・サーチ』での4回コールだったのですが。初めて経験するスタンディングオベーションに背筋が振るえました。拍手がなりやまなくて。市川亀治郎さんを始めとする、役者さん達の丁寧な丁寧なお辞儀にも感動。
これで5000円って本当に安すぎるなー、と。でも、もう一回、もっと前で観たかった。残念ながら千秋楽に観たのでそれは叶わず。素晴らしい舞台は前と後ろで一回ずつ観よう、千秋楽を初回にするまいと固く心に決めたのでした。
で。舞台セットがボッティチェリの「春」の大きなパネルで。私、古今東西の文化の中でもイタリア・ルネサンスが結構なツボなのでその雰囲気でもうキュンキュン。衣装も家のセットももちろん素敵で、何もかもが最高のセンス。何より、その中から溢れ出る「娯楽性」が素敵で。
いつか、私の好きな女優さんである安川結花ちゃんがブログに書いていたことなのですが。「私の仕事は『娯楽』を提供すること」。観ている人に楽しんでほしい、幸せになってほしいって。そういう気持ちってすごく大切だと思うのです。どんなに高尚な演劇を創っていても、その気持ちがなかったら観客は共鳴できない。そしてそういう気持ちって、舞台から敏感に伝わる。
・・・素敵な舞台を観ました。こういう舞台だけを観たいと、心から思いました。12月のさいたまネクストシアター観に行こう、と。蜷川さんの演出作品が3800円って。行かなきゃ損ですよね。
その、演出。今回思ったのは、リアリティだけが演劇じゃないんだなってことでした。セリフがすんごい早回しで、いろいろベラベラ喋りまくっていて。正直、何を言ってるのか聞き取れないことも多々あったのですが。それが一つの表現方法で一つの文化として成立していて、素直に「面白い」「楽しい」って思えるのです。言葉以上に伝わるものがちゃんとあって。ああ、凄いな、と。
早回しのセリフで圧倒的だったのが、筧利夫さん。人間ってあそこまで出来るんだなって、感動。声量も凄いし、血も通っているし。今年出演される第三舞台がとても楽しみになりました。
キャタリーナを演じた市川亀治郎さんの女形はもう芸術の極地。ラストの、サーベルをかざしての演説はかなりゾクゾクしました。ってこれ、私の好きな「女装+剣」ですね(笑)カーテンコールでのお辞儀もとても優雅で美しくて。お客様への感謝の気持ちの強さが伝わってきました。演技が半分くらい歌舞伎だったのもお得な気分。
月川悠貴くん。すっごい可愛かったです。声も女の子みたいだし、肩を出したドレスでも女の子にしか見えないです。すごい。
おおっ、と思ったのは、田島優成くん。山本裕典くんの召使役なのですが、役柄の中で彼を凌駕する勢いを確りと魅力的に演じていて好印象。
川口覚くんは道化役。繊細で清潔感のある演技が彼の武器だと思っているのですが、こういう役も出来るんだなーとびっくり。細かな身体的技術は鍛錬の成果なのでしょう。蜷川さんのもとでこれからどんどん伸びていきそうでとても楽しみ。
で、シェイクスピアですが。(注:知識ゼロのまま書きます(笑))
ストーリーはさすがにモニョモニョする(笑)女は道具かと。結婚は人身売買かと。生意気な金持ちの娘を無理矢理嫁にして調教する「娯楽」って何ww
そういう時代だったのか、それともシェイクスピアの願望なのか・・・いずれにしても、そういう時代の価値観をも楽しむのもまた演劇なんだなって思いました。絵画からその時代の文化を見るように。古典演劇からも見えるのは多いですよね。
・・・うん。楽しかった!本当に、すごく楽しかったです。この日はすごい台風で。体調もとても悪かったのですが。本当に全然関係なく、心から感動に包まれて。 こんな風に幸せに気分になれる演劇だけを観たいなと。そう心に決めたのです。きっかけをいただいた川口くんに、心から感謝なのです。これからもずっと彼の演技を見たいな、と。
あ、この頃、龍馬伝にも出てたのです川口くん。ちゃんと観てましたよー![]()
JACROW『窮する鼠』観劇♪
JACROW #13.5『窮する鼠』観劇しました@ルデコ5。
いやもう、期待を裏切らずにやってくれました。前回の本公演で観た、むせ返るほどの濃密な空気感は健在。こういう独特の「香り」を持つ劇団(ユニット)は劇団として強いなと思うのです。これからも観たいと思わせられる魅力的な香りのする作品ばかりのオムニバス公演でした。
では、3つの物語の個々の感想を。
脚本・演出:中村暢明『きぼうのわだち(改訂版)』
役者仲間の結婚式に招待された面々に送りつけられた「挑戦状」。式場の控え室で新郎の元同棲相手や新婦の元彼・セフレが、いらないことで堂々巡りの大騒ぎ。
結局「挑戦状」というのは誤植だったのですが、勘違いして妄想を拡げて騒ぐあたり、すごく楽しかったけれどちょっと心が痛かったりして(笑) 妄想想で不安になるの得意ですからね私(苦笑)色々反省です。
で、役者さんが本当に全員上手すぎて。年齢が高い方が多い中、福原冠くんが若者のポジションで上手く立ち回ってました。ギリギリエリンギ公演のときも思ったのですが、会話劇上手いなぁと。表現力豊かな目の動きを観てると、もっとその演技を観たいと思えます。
脚本・演出:井原謙太郎『Love Letter from・・・』
小説家志望の青年が親友にラブメールの代筆を頼まれる。しかし実際に会った彼女とその青年が惹かれ合ってしまう。
・・・これはちょっと思うことあります。「影」が時系列を説明したり、登場人物の心境を語ったりして3人を見守る役柄だったりするのですが、正直、これはいらないんじゃなないかなぁと。演技を観ていれば全部分かることだし、なにより、私達観客がちゃんと見守っているから。
そして、肝心の代筆メールの中味が知りたかった!どんな言葉で彼女に愛を語るのか。徐々にそれが熱が篭るのか。そんな魔法のような素敵な瞬間でキュンとしたかったなぁ、と。
でもそれ以上に、橋本恵一郎さんと澤井裕太さんの雰囲気が素敵でした
橋Kさんの超絶器用で面白い演技。あの切り替えの応酬には爆笑。あのシーン観たさにもう一回観たいと思ったほどです。そして澤井さんの切なさ。すごく繊細で素敵でした。体型が、私好み。バジリコFバジオ
での開襟シャツ+スーツ姿もカッコ良かったけど、今回のパーカーにジーンズというシンプルな衣装も、細さやしなやかさが強調されて漫画的な美しさを感じました。あんな風に淡い恋に悩んで背中を丸めて体育座りなんてしてたらもう(笑)惚れてまうやろです。
脚本・演出:中村暢明『リグラー』
毎日の朝会が行われる会議室はパワハラの場。人の尊厳を踏みにじって営業成績を上げるよう要求する課長。身重の妻の為に耐える中堅社員。その空気に耐えかねる他の社員達。
・・・重かったです。しかも今現在の私の職場状況とかなり重なる(苦笑)。で、いやーな気分でずっと観てて。正直、辛かったです。
そんな中でも思ったのは、再び冠くんの演技力。私の目の前は菅野貴夫さんの背中で、会議のシーンだったのでずっと後ろ向きで。でも、菅野さんの表情が手に取るように分かったのは冠くんの演技もあってだと思いました。繋がってるんですよね。その場の空気や、人と。ほんとうに凄いなと思いました。
そして入院中だった奥さんが乗り込んできて話が急展開するあたり。その収束間に伴う背筋の寒さ、その場の空気が変わる過程の圧倒感。凄かったです。空間が張り詰めていて。演劇の力って素晴らしいなと思いました。
暗転して、今里真さんのカッコ良すぎるタイトルコールで終わったのですが、ルデコであんなに力の篭った拍手は初めてでした。もちろん私も、すごい勢いで拍手しました。
前回の本公演でも思ったのですが、中村さんの作る舞台はやっぱり「大人」。偏った感性や信念を持ってない、いい意味で普通に真っ直ぐな方に思えるし、そういう方が作るから大衆受けする面白いものを作れるのかな、と。多分、演劇ファンでなくとも観たら絶対面白いと言うって確信できます。前回の本公演の「大人のデートに最適」という感想は今回も健在です(笑)。 

