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Battle Day0-Day246までのあらすじ (登場人物についてはサイドバーを参照してください)
BattleDay233~ここまでのあらすじ
結局、妹・莉子からは連絡がなく、父の希望していた老人ホームは、せっかくの空き部屋に入ることができず次の機会を待つことになった。コオはいら立ちを募らせる。莉子ばかり心配する父、同僚のソフィの事故のケア、などはコオを疲弊させる。その中で重症のアレルギー事故をを起こしたコオは、体調とともに心のバランスも大きく崩していた。そして父の誕生日がやってきて、父はケーキを持ってきたコオに、莉子は母と同じ、料理学校に通ったことがあること、それも続かず、アロマテラピーの資格を取ろうとしていたことを話す。コオは、莉子が《自分で働いて、食べていく》ということを考えてないのではないかと恐怖し、父の永住型老人ホーム入居のための資金プランを考え直さねば、と考える。思ったよりも、実家の財政は深刻なのかもしれない、とコオは思い始めた。
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8050問題。あるいは7040問題。
言葉としては知っていた。80歳代の親が50代の子供の面倒を見る。あるいは70歳代の親が40歳代の子供の面倒を見る。本来は一家を支える年齢であるはずの40代、50代が、引きこもりなどで無職のまま、あるいはアルバイトなどがせいぜいで、おもに親の年金にぶら下がっている状態だとコオは思っていた。
莉子は引きこもりではない。引きこもりではないが・・・一人暮らしができないで実家にいる、というのは、これは働き盛りが親に面倒を見てもらっているのだから、やはり8050/7040にあたるのではないだろうか。
コオは、父がまだ現役の時に、莉子の年金に不可年金をつけるために父が支払っている、と言っていたのを思い出した。親に年金も払わせていたのだ。コオは二十歳の時から、一度だって親に年金の納付だけはさせたことはなかったというのに。
父も母も、莉子にはとことん甘く、コオにはとことん、自立し、”長女らしく”, 妹の面倒を見ることを求めた。
この頃からコオは、父と永住型の施設を見学に行って以降の記憶が、あいまいになっていく。膨大なストレスに、体調とともにメンタル的にも調子を崩していった。。
にわかに姿を現してきた莉子の経済問題。父の施設移動問題。更に大切な、自分の家族、遼吾を失ったストレス。実際、コオは自分の家族で味方であると信じていた遼吾が、話せば話すほど、遠くなっていくことが何よりも辛かった。『母さん帰ってきて』と次男が言ってくれないことも辛かった。それに加えて、事故を起こした同僚ソフィのケアも、未だ尾を引いていた。そして、ある意味コオをここまで支えていたはずの仕事。コオの会社の部署が、閉鎖されることになり、コオはこの先の選択を迫られる、という強烈なストレス化にさらされることになった。

