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これまでの話
Battle Day0-Day169 のあらすじは、以下のリンクをご覧ください、
登場人物は右サイドに紹介があります、
Day170- あらすじ
コオの父は、紅病院から北寿老人保健施設(通称北寿老健)に移った。
父の回復は順調で、カラオケを歌い、写経をし、本を読み、好きだった囲碁にも手を付けるようになっる。離婚後の一人暮らしは孤独であったコオだが、息子たちと訪れた父の施設での夏祭りなど、ひと時、穏やかな時を過ごしていた。1ヶ月がたち、父は自宅にもう戻らず、施設にはいるつもりであることを話し、永住型の施設を探してくれるようにコオに頼む。コオはケアマネージャー・立石に連絡を取り、高齢者住宅専門の業者を紹介してもらい探し始める。その過程で、コオは、父の年金額を知らなければ話をすすめられないと認識するが、莉子を経由しなければならず、いつまでたっても情報は手に入らない。コオは父と同年代の親戚をもつ職場の長田から得た情報をもと検討をつけたところで、コンタクトを取った業者のうちの一つと連絡をとり、候補施設を見学をはじめ、最初の施設で、説明を受ける。
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「問題は・・・この月々の支払いの変動部分ですよね?」
2件目の施設に向かいながら、後部座席でコオは言った。
「ええ、お父様は要介護2のご負担3割ですよね?パンフレットに書いてある額は、ご負担2割の場合なんです。ざっと計算して、プラス5万は感が他方がよろしいかと思います。」
「5万かぁ・・・払えない額じゃないとは思うんですけど、余裕は持たせたいですよね。将来的に要介護度が上がれば月々の支払いも増えるわけだし。いずれにしても年金額が正確にわからないと決められない。」
コオはため息をついた。
「そういう意味で、これから参ります2件目の施設さんは、場所の利便性を考えますと、驚くほど費用が抑えられております。ただ、そのせいもあっていつも空き待ちの方がいらっしゃいまして、今も何人かお待ちです。たとえすぐ入所したい、という希望がございましても対処ができないのが、問題です。」
藤堂はそう言って、2件目の施設に車を滑り込ませた。
一件目からわずか10分。
そこら辺のおっちゃんのような、施設長がでてきて、1件目と同じように案内をしてくれる。
少し、狭い。共用スペースもすべてが少しずつ、狭い。そして、少し、古い。
それはそうだろう。安いにはそれだけの理由があるのだ。
値段的には、合格点。それ以外は・・・まぁ、及第点・・・と言っていい気もするが、気に入った、とはいいがたいな・・・というのがコオの印象だった。そもそも、待機人数が5人以上いるらしい。
一通りの説明をうけ、コオは、急いではいないので、まずは待機待ちの順番に加えてほしい、と頼んだ。
別のところに決めたらそれを連絡すればいいだけだ。コオは選択肢を増やしておきたかった。
そして、再び藤堂の車に乗り込み、3件目に向かう。
車の中でコオは言った。
「基本的には・・・お金の都合さえつけば、1件目が、いいなぁって思いました。」
「嶋崎さん、私は施設を選ぶときに私の中に基準があるんですが・・・」
運転しながら藤堂が言った。
「におい、です。」
ああ、とコオは思った。それはコオが気になっていた事でもあったから。