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これまでの話
Battle Day0-Day169 のあらすじは、以下のリンクをご覧ください、
登場人物は右サイドに紹介があります、
Day170- あらすじ
コオの父は、紅病院から北寿老人保健施設(通称北寿老健)に移った。
父の回復は順調で、カラオケを歌い、写経をし、本を読み、好きだった囲碁にも手を付けるようになっる。離婚後の一人暮らしは孤独であったコオだが、息子たちと訪れた父の施設での夏祭りなど、ひと時、穏やかな時を過ごしていた。1ヶ月がたち、父は自宅にもう戻らず、施設にはいるつもりであることを話し、永住型の施設を探してくれるようにコオに頼む。コオはケアマネージャー・立石に連絡を取り、高齢者住宅専門の業者を紹介してもらい探し始める。その過程で、コオは、父の年金額を知らなければ話をすすめられないと認識するが、莉子を経由しなければならず、いつまでたっても情報は手に入らない。コオは父と同年代の親戚をもつ職場の長田から得た情報をもと検討をつけたところで、コンタクトを取った業者のうちの一つと連絡をとり、候補施設を見学することになる。
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さて、この日コオが見学した施設は3つ。うち2つは経営母体が同じ会社だった。
とはいえ、このレベルの(つまりコオのつけた予算内)に入る部屋というのは、大体似たようなものだったのでここでいったん紹介をしておく。
まず、永住型の老人ホームはある意味リハビリ病院の一形態ともいえる老人保健施設とは異なっている。生活の場であるので基本個室だ。これはコオは最初に強調された。
それはコオが”父にはリハビリをしてほしい”と最初に言ったからだろう。老人ホームは、介護職員の目の届く生活の場であって、病院ではないのだ。ただし、機能回復訓練室、という名前のスペースはどこもあって、本人がやろうと思えばリハビリ的なことは可能だ。いってみればマンションにジムがついているようなものだと思えばいい。使うか使わないかは本人次第。
挿入画像は実際の高齢者住宅の間取りの一つだ。部屋は介護ベッド(入口ー窓側という方向に設置される。)と、トイレ、洗面台、わずかな収納場所がデフォルトで備えてある。もちろんバリアフリー。多少の部屋の広さの差はあるのだろうが、16-19平方メートル程度。トイレは基本車いすでも入れるサイズ。これは3施設とも共通。1番目の施設はウオシュレットが標準装備。3番目は購入してくれ、と言われた。テレビが標準で備え付けてあった施設も一つはあったと思う。入居者たちは自分の自宅から思い思いのものを持ってきて部屋にいれており、それなりに自分の空間を作っていた。
結局のところ、施設の新しさで個室自体はさほど変わらない、というのがコオの印象であったが、違いが出るのはそれ以外だった。

