今回のテーマは、テニスコーチとして子供をどうやって指導するかではなく、もっとシンプルに子供をどうやったら上達させられるか、と言うものです。



もちろん、テニススクールでレッスンをする時に私自身が心がけている事でもありますが、誰でも出来るシンプルな話です。



さて、夏休みになり公営コートで親御さんが自分の子供にテニスを教えている光景を良く見かけるようになりました。



私はテニスコーチが職業なので、隣のコートで子供にテニスを教えている様子にはとても気になってしまいます。



「ラケットの持ち方はこうだよ」



「まず横向きになって、ラケットを横に引いて、足を前に出して………」



延々と説明をしている。



そしてボールを打たせたら、



「違うよ、足はここでラケットは肩に行くんだよ」



この親御さんが教えているテニス理論が気になるのではありません。



子供にテニスを教えるのに、言葉をたくさん使っているのが気になるのです。



実は、私はレッスンで指導する時に、テニスを教えるのに言葉をほとんど使いません。



「じゃあ、どうしているんだ、言葉を使わないと伝わらないぞ」



思われる方がいらっしゃるかもしれません。



見本を用意して、真似をさせるのです。



コーチがボールを打っている姿を真似させるのも良いのですが、私の場合レッスンで新しい子供が入ってきたら、そのクラスで一番上手い子供の後ろに並ばせて、



「よーく見て、この子の真似をするんだぞ」



最初に簡単にグリップを決めて、素振りを数回したら、あとは目の前にいる子の真似を徹底的にさせる。



「自分は、子供の見本になるくらい上手くテニスが出来ないよ」



と言う方もいるかもしれませんが、あまり関係がないように思います。




初めてテニスをやる子供に、良し悪しはわからないから。



今の勤務先の育成クラスまで昇級した子供は、ほとんど自分が最初に教えた子供なので、このやり方に間違いは無いように思います。



実はこの教え方、昔読んだこの本に従っただけなのです。




私のブログでも紹介したティモシイ・ガルウェイの


「新インナーゲーム」



私がブログを始めた初期に書かせて頂きました。


ガルウェイは子供ではなく、初心者にテニスを教える際に、出来るだけ言葉は使わないように言っていました。


何故なら、言葉はそこに数人いれば、人によって捉え方が違ってしまう可能性があるからです。


ですので、成人の初心者クラスでも私は同じようにしていますが、言葉の理解が不十分な子供には尚更有効になように思いました。


ですので、皆さんも自分の子供にテニスを教える時に堂々と、ご自分を見本にテニスを教えてください。


それと、もう一つ重要な事があります。


ルールを理解させる、と言うことです。


スクールで、テニスの習得が早いこの子の特徴がこれです。


15-0  30-0 と言うカウントの数え方ではなく、相手がボールを返せなかったら自分のポイントになる、何点取ったら勝ちになる、と言うことで良いのです。


この二点、真似をさせる、ルールを理解させる、で子供は上達します。


ご自分にお子さんがいらしたら、是非心がけてテニスを教えて頂ければと思います。