はがき
 先週末は文化の日を含む3連休でしたね。

 利用者さんの通う学校でも

 文化の日にふさわしく、週末文化祭がありました。


 利用者のうさぎちゃんウサギは、

 小学校の低学年です。

 脳に障害をもっていて、

 特別支援学校に通っています。

 


 特別支援学校とは、

 簡単に言えば「障害をもつこどもが通う学校」です。

 障害をもつこどもと一口に言っても、

 その程度や希望などによって普通学校に通うこどももいます。

 


以前は「盲学校」「聾学校」「養護学校」と

障害の種類別に分かれていたものが、

障害の重症化・多様化などにより

”もっと1人1人のニーズに合った教育を!”

2007年よりそれらの学校が「特別支援学校」とされることになったらしいのです。文部科学省のHP より)


私が文化祭を見に行った日

うさぎちゃんウサギは可愛い衣装でひよこの役ヒヨコになっていました。

声を出したり自分で手足を動かしたりすることが

ほとんどないうさぎちゃんウサギですが

先生と一緒に上手に動くことができました目

劇の最後には大きな幕がこどもたちの頭上を上下して風を送って刺激ドキドキ


展示物では、うさぎちゃんウサギ

先生と一緒にペンキ(絵の具?)に手をつけて

表現した絵などがありました。


冷たいペンキにびっくりして

自分で手をひゅっとのけたらしく、

そこがいい味を出していて、私には芸術的に見えましたよ宝石白


劇も展示物も

触覚や嗅覚など、うさぎちゃんウサギのもつ力が刺激されるものばかり!


高校生には写真のような葉書きをつくるなど、

就職に向けての教育も行われていますメガネ


こんなに刺激いっぱいの学校生活、

しかし、学校を卒業後は、全員に対して

力を生かしたり刺激したりしてくれるところがあるとは限りませんビル

家に引きこもりがちにならざるを得ないこともあるのです。


地域の暮らしを支える一員である私たち、

日々の運動や刺激などとともに、

長い目で見て、その後の生活の準備を少しでも一緒にやっていけたら、と

考えさせられる時間でもありました腕時計

鼻マスク
 写真は、鼻マスクタイプで

 人工呼吸を行うものです。

 (フジ・レスピロニクスのHP より)


 通常私たちは息を吸って

 エネルギーの産生に必要な酸素を取り込み、

 二酸化炭素を排出しています。


 その酸素と二酸化炭素の交換が

 うまくいかなくなった時、

 外から空気や酸素を押し入れる人工呼吸を行います。


人工呼吸器には、気管に直接管を入れるものだけでなく、

写真のようにマスクで圧をかけて行うものもあります。


先週、日本看護難病学会のプレセミナーに行ってきました東京タワー

正確には、時間を間違っていて資料をいただいたのと、

体験実習のみに参加したのですが。

とても親切な練馬区の訪問看護師さんのおかげで、

講演の様子も色々伺うことができました宝石白


今回の新しい驚きを2つ目


慣れてない人がつけるマスク換気の苦しさビックリマーク


ただし、人によっては「思っていたほど苦しくない」

という感想を述べていたので、個人差はあると思います。

それに、

患者さんもおっしゃっていましたが、

業者の方も  慣れればマスクをつけていた方が熟睡、

          朝の目覚めが全然違います星空

                  とその快適さを語ってはいました。


しかし、初体験の私にとっては、

私の呼吸に合わせて機械が風を送ってくれているにも関わらず、

かなり圧迫感がありました。

特に鼻マスクをしていておしゃべりをすると、

口が開くことで機械が

「あれ?空気がどこかから漏れているぞ」

と必要以上に空気を送ってくるのです台風


私が訪問しているペンギンさんペンギン

マスク換気を行っているのですが、

導入当初に 「苦しい~!

         これはナチスが拷問に使った機械だろう!」

                   と、たいそうご立腹なさっていました。


なんて表現豊かなんだと、当時はちょっと笑ってしまいましたが、

「ペンギンさんペンギンは正しい!」と苦しさを実感した体験実習でした。



2つ目はマスク換気の適応に

呼吸状態だけでなく、

嚥下状態(飲み込みの機能)が大きく関与していることビックリマーク 


いくら呼吸状態がそれほど悪くなくても、

嚥下機能がある程度まで落ちてしまうと

マスク換気の適応外となり、

気管内に管を入れての人工呼吸の対象になるというのです。


なるほど、確かにつばなどうまく飲み込めないのに

鼻や口から空気が押し込まれてきたら、

つばも一緒に気管に入り、

むせこんで苦しかったり、誤嚥を起こしてしまいます。


そう言えば、ペンギンさんペンギン も軽度の嚥下障害があります。

以前に比べれば、最近マスク換気を「苦しい」と言わなくなったのは、

単にマスク換気に慣れただけでなく、

嚥下訓練によって、嚥下機能が向上したことも関係あるのかもしれません。


在宅を訪問する言語聴覚士 は少なく、

病院や施設の言語聴覚士 と連携をとりながらの嚥下訓練は、

訪問看護師の重要な仕事の一つです


この苦しい体験をペンギンさんペンギン との関わりに

有効に生かしたいと思います星空


隣接する公園
 写真は、6月末から一週間

 お世話になった病院に隣接する公園です。

 緩和ケア病棟の患者さんとも一緒に

 お散歩しました黄色い花

 とっても気持ち良かったですよ。


 書きたいことが山ほどあった1週間でしたが、

 早2ヶ月以上が経とうとしています。



緩和ケア病棟とは、

病気による苦痛症状を和らげることを目的とした病棟です。

日本では、がんとエイズの方が対象とされています。


私の働く在宅でも、

がんの痛みや息苦しさなどの不快な症状で悩んでいる方がいらっしゃいます。

症状コントロールがうまくいかないことも多いため、

今回の視察研修での1番の目的は、

症状コントロールの実際を学ぶことでした。

今日はその一部を紹介したいと思います。



「がん」というと「痛み」、

「がんの痛み」には「モルヒネ」を使用することが多い、

というのは一般の方も良く耳にするのではないでしょうか。

「モルヒネを使うようになっちゃおしまい」と思っている方もいるかもしれません。


    私が今受け持たせていただいている乳がんのうさぎさんウサギ

        「痛みが強くなったらモルヒネとか強いお薬使うんでしょう?

         多少頭がおかしくなっても仕方ないね。

         それでもいいから、痛いのだけは嫌。」

    とおしゃっていました。

    現在うさぎさんウサギはモルヒネの仲間の薬を使用していますが、

    何でもご自分でなさって、

    友人とお酒を飲んだりたばこを吸ったりもして、
    ぴんと背すじを伸ばして生活なさっています家


モルヒネを含め、

医療目的で合法的に使用している麻薬のことを「オピオイド」と呼びますメガネ

「オピオイド」は主に「痛み」に対して使用します。


しかし、今回視察した緩和ケア病棟では、

     「痛み」以外にも

     「息苦しさ」

     「腹水によるお腹の張り」 

        などの症状緩和に、「オピオイド」を積極的に使用していました。


正しく使えば、こんなにも症状が緩和されるのだということを

目の当たりにしたところです。

呼吸困難感や表現しにくい不快症状へのオピオイドの積極的な使用は、

数年前アメリカでもよく目にしましたが(http://blog.livedoor.jp/fumie730fukuoka2006/archives/cat_26466.html )、

実際に日本の在宅で働いてみて、

困った事例のことを考えながら参加した、

今回の研修は本当に実り多いものだったと思います。

また、同じような使用方法だとしても

「日本の緩和ケア病棟でやってるよ」というと

周囲の納得も得やすい印象があります。


とっても遅いけど、今度こそ少しずつ学んだことを

この場で振り返りたいと思っていますプレゼント