適正な数と管理が大切
週に一度、地域猫の餌やりを続けていますが、私は連携しているエサやりグループの連絡網には加入していません。
何人かで決まったエリアの地域猫をボランティアとして管理している訳ですが、初めは単発的に協力するだけでした。
TNRや餌やり、猫ハウスの製作と設置・撤去、緊急事態の対応などです。
毎日朝のエサやりをしている人がいて、それは余りに大変だろう、歳も歳だし休む日があった方がいいだろうと、エサやりグループの一人と話をして、決まった曜日にお休みしてもらい、隔週で餌やりを行う事になりました。
ところが、その人を読み切れていなかったのです。確かに猫の事を一生懸命やりはするのですが、私から見ると自己満足の為にやっているきらいがあるのです。
どういう事かというと、この人は数を増やしたり、量を多くする事で自分が安心する人だったのです。異常な心配症というのもあるのでしょうけれど、エサ場をどんどん増やす、猫ハウスをどんどん設置する。一見それは良い事のようですが、地域猫という性質上マイナスもあるのです。
エサ場を増やし続けた結果、ほぼ一匹の猫に一組ずつのエサの皿と水の皿を設置してしまいました。
エサ場や皿を増やし過ぎて管理が難しくなり、手が回らなくなりました。
「そんなに増やしたら管理できなくなるよ、猫は減ったのだし、以前はもっと少なくても皆生活できていたのだから、増やす必要はないよ」とたしなめても止まりません。
以前は広いエリア全体を見回れたのに、余りにも手間がかかるので一部だけになりました。それでも数が多いですからやり切れない。
それで当初の隔週の交代でエサやりするという約束は破られて、毎週のエサやりを押し付けられたのです。
これでその人が猫の現状と必要性には合わせられない人だというのが分かったのです。
余にも増やし過ぎた分をどうするかというと、エサをあげている人を見かけたら声をかけ、不足分を手伝わせる。手伝ってくれる人はありがたいですが、自分と同じようにやるように指導する。全く同じようにやらないと怒り出すから、すぐ止めてしまう。
それを何回も繰り返しているのです。
これはいけない事ですし、ボランティアの難しいところです。
会社はお金を支払って人を動かし、時には命令します。ところがボランティアはそうはいけません。命令しても気が弱い人なら従う人はいるかも知れませんが、上下関係はありません。
正直、好きでやっているだけです。考え方も人によって全然違うのが分からない。
それなのに強制されれば「何であんたに言われた通りにやらなきゃいけないんだ」となる。それでエサやりさんが次々入れ替わるのを繰り返しています。
「あの人に何をアドバイスしても聞き入れない」と分かりました。だから放っておきます。
そもそも猫だまりは公共の場所ですから、本来は勝手に物を置くのは禁止です。近くに水場が無いので、行政は黙認してくれていますが、数が多いと当然目立つようになり、エサやり反対の人の神経を逆撫でします。それで、器を投げられたり、エサボックスを持ち去られたりという被害が後を絶ちません。
エサやりさんで社会の現実と自分の行動のバランスを取れる人はほとんどいないと感じています。
「猫が好きな人ばかりではないのだし、ここは公共の場所だから目立つ事は避けた方が良い」と何度か忠告したのですが、その人からしてみたら「エサやりは正義」なので、聞き入れません。
猫ハウスも同様です。数年前は皆で話し合って、ハウスの設置場所や設置年数、猫の数を考えて適正に管理すると決めたのですが、そんな事はお構いなし。
毎年、勝手に設置したり、今まで置いてあったハウスを移動させるのはまだ良いとしても、報告しないからどこに何年に設置したのハウスが何個あるのか分からなくなりました。これも放置です。
3年前に「ああ、この人達とは考え方が違い過ぎる」とさじを投げ、エサやりグループの連絡網に入るのは拒否しました。
エサや水の器は今でも増え続け、猫ハウスも増設が止まりません。
2匹しかいない所に、ハウスが6個あったりします。そのうちの2個は私が3年前に設置した物なので、解体して破棄しましたが、それでも4個残っています。
とにかく数が多いとご自分が安心するので、黙って解体するしかないのですが、。人が作ったハウスにはうかつに手を出せません。
猫ハウスは長くても3年が限度です。家の軒下に置いて日々管理できるなら別ですが、野ざらしでは早ければ1年で壊れる事もあります。
それを管理しようという体制を作ったのですが、誰も協力してくれない…。それで見切ったのです。
今年はずっと前から壊れていた猫ハウスを2個だけ交換しましたが、交換して数時間後に連絡が来ました。数が減ったのではないので文句は言われませんでしたが、「今まで置いてあったハウスはどうしたのか?」というものでした。
「これを解体したら、何か言われるかも知れない」と思って、ハウスの写真を撮っておいて正解でした。一つのハウスの底には30㎝位の穴が空いていました。写真を送ったらさすがに諦めましたが、ボロボロになったハウスをまだ使おうとしていたのです。
この人は私が地域猫と関わる前に設置してあった猫ハウス、おそらく7~8年前の物を廃棄するのも嫌がります。
とにかく数を多く設置したい、猫ちゃんに多くのハウスがないとかわいそう。そう、かわいそうこそが、エサやりさんの困ったキーワードなのです。
猫ハウスを交換した数日後に再度連絡がありました。林の中にある猫ハウスを捨てないでというものでした。元々その林の中には関わる気はありませんでしたが、前述の2個を交換した事で他の場所も手を入れるのではないかと心配になったのでしょう。
本当は猫の数に合った猫ハウスにしたいのですが、数が同数でもダメ、増やし続けないと心配というのは、合理性がありません。
でも合理性などは考えは及ばないのでしょう。
ここまでいくとこちらが心配になります。もちろん猫ではなく人間の方です。
私の考えではそこに暮らす猫の数+1がハウスの設置数です。1個壊れても予備がある、1匹流れて来てもハウスに入れる。
毎日エサやりをしている人がいるのだから、ハウスや猫の状況をチェックすればいいだけなのですが、そこまで考える人がいない。
猫ハウスを設置するまでは一生懸命でも、設置したらもう終わり。ハウスがひっくり返っていようが、壊れていようが気が付かない。それを直したり修理するのは私だけ。
一体何なのか??
ハウスも数が多いと目立って、これも猫嫌いの嫌がらせを受けます。だから、必要最低限がいいのです。
猫ハウスの作り方も紹介していますが、今ではもう少し進化して強度もアップしています。
だからといってやはり3年までが限度、これは衛生上の問題です。いくら使えるからと言って、4年目以上は使わない方が猫の為なのですが、撤去すると怒るのです。
皆さんはどう思われるでしょうか?
本当に猫のためになるのは数ではなく、衛生とか機能を保っているべきだと思うのですが…。
5年前に比べて猫の数は半分以下に減りましたが、エサ場は1.5倍、ハウスは増加、個々の器は数えられません。
これが本当に人間社会と共存する、地域猫の為なのでしょうか?