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本日もありがとうございます。
大分涼しくなり過ごしやすくなりました。
まさに芸術の秋を堪能するのに相応しい気候になってきましたね。
世界の名だたる芸術家の作品展は専ら都内で開催されることが多い、と
思いきや、私は意外と県内の美術館に足を運ぶことが多いです。
神奈川県在住者なので、箱根、湘南にはクオリティの高い展覧会を開催されている
ところが多いので、大変恵まれた環境にいるといっても良いでしょう。
今回は現在鎌倉にある神奈川県立近代美術館で開催中の展覧会をご紹介します。
鎌倉の鶴岡八幡宮から北鎌倉へ向かうすぐのところに神奈川県立近代美術館鎌倉別館
があります。
こちらではゴヤ版画展が8月10日から開催されていますが、
2部構成で、後半「戦争の惨禍」が9月10日から10月20日まで開催されています。
フランシスコ・デ・ゴヤ（1797年〜1803年）はスペインを代表するロマン主義の画家。
フランス革命、ナポレオン軍によるスペイン侵攻に対する民衆蜂起の中を生き抜いた画家で、
宮廷画家にまで昇り詰めました。しかしながら、大病により聴覚を失うことに。
今回の戦争の惨禍を表す銅版画は聴覚を失ってから彼が６０歳を過ぎてから10年をかけて
作成されました。1814年に独立戦争は終わりを迎え、フェルナンド７世が再び王位に就いたの
を機に、戦時中勇敢に戦った市民の栄光を世に遺そうと、ゴヤは大作に取り掛かかったのです。
80余点に及ぶ作品は圧巻でしたが、これらの銅版画は生前には発表される
ことはなかったそうです。
中はこのように整然と作品が展示されていました。
真正面から一つ一つ見るとマドリッドで起きた悲惨な惨禍が精緻なタッチで
銅版画として描かれています。
直視するのが苦しくなるほどの凄惨な場面ばかり。
戦争は昔も今も同じ。
いつも翻弄され犠牲になるのは一般市民です。
宮廷画家だったゴヤは市民の立場から描くことでスペイン王室に対峙しました。
最後はこの2枚の銅版画で締めくくられています。
真理を象徴した光輝く女性は結局は土に埋もれてしまいますが、
死に絶えたかどうかは不明。
真理、真実が悲惨な時代の中で歪曲されてしまった時に、私たちが
どうすべきかを問いかけています。
ゴヤの作品展の他、スペインで日本のアーティスト達の版画展が開催されたこともあり、
その交流の歴史なども展示されていました。
少々重いテーマですが、まさに世界情勢を見れば遥か昔のこと、と片付けられない
臨場感が伴います。
ところで、この美術館のすぐ隣はスペイン料理屋があります。
私は入ったことがないのですが、丁度展覧会とリンクしているのでご紹介しておきます。
ご参考まで。
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