なんたって、悪いのは~ | がいちのぶろぐ

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月6日付のブログ「同性婚など見るのも嫌だ、という発言」と題する文章(https://ameblo.jp/green-gaichi/entry-12788012112.html)で、すでに私の考えは述べた。

 

しかしその後も、この問題を巡って国会では野党の追及が止むことはないし、〝場外乱闘〟として、ツィッターやYouTubeなどでもいろいろと論戦が止まらない。

 

そうしたところ、今日配信のダイヤモンド・オンライン誌で、ジャーナリストの鎌田和歌氏が、この間の経緯と問題点をスッキリと整理しておられた。

 

以下に、少し長くなるが、鎌田氏の整理から引用をさせていただく。

 

「発端は岸田文雄首相の『(同性婚が法制化されれば)社会が変わってしまう』発言にある」

 

「<2月1日>岸田首相が衆院予算委員会で同性婚の法制化について『極めて慎重に検討すべき課題だ』『家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ』と発言」

 

「<2月6日>松野博一官房長官が国会で野党議員からの質問に答え、首相の『社会が変わってしまう』発言について、法務省が作成した答弁案にはなく、首相自ら加えた“アドリブ”であったことを認めた」

 

「<同日>茂木敏充幹事長ら自民党幹部が『LGBT理解増進法案』を前向きに進める方向で一致したと報道。同法案は2021年に超党派の議員連盟が成立に合意したが、自民党内に反発があり国会提出されなかった」

 

「<2月7日>岸田首相が『LGBT理解増進法案』の国会提出に向けた準備を指示したと報道」

 

「<同日>『LGBT理解増進法案』に否定的な考えを持つ自民党の西田昌司政調会長代理が記者団に対し『差別の禁止や法的な措置を強化すると、一見よさそうに見えても人権侵害など逆の問題が出てくる。社会が分断されないような形で党内議論をしていきたい』と発言したと報道」

 

「<2月8日>岸田首相は国会で(中略)『同性婚制度の導入は、国民生活の基本に関わる問題であり、国民一人ひとりの家族観とも密接に関わるものであり、その意味で全ての国民に幅広く関わる問題であるという認識のもとに<社会が変わる>と申し上げた』と釈明」

 

また鎌田氏は、問題を大きくした荒井首相補佐官と記者団との一問一答を、共同通信の記事を引用しておられた。そこでの荒井氏の主要な発言は以下の通りだった。

 

「秘書官室は全員反対で、私の身の回りも反対だ」

「同性婚導入となると、いろいろな社会のありようが変わってしまう。国を捨てる人、この国にはいたくないと言って反対する人は結構いる」

「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」

 

こうしたことを受けて鎌田氏は結語の部分で、「必要なのは(中略)反対する議員たちに、なぜ反対するのかを徹底的に言葉に出させること」だと述べている。

 

そして、「岸田首相は『丁寧に説明していく』『慎重な議論が必要』と繰り返すが(中略)、具体的に語ろうとすれば、荒井氏のように根拠のない差別発言になってしまうから言えないのではないのか」と結んでおられた。

 

これだけでも、今回のことに対して、どこに問題点があるのかは十分に洗い出せていると思う。しかし8日から9日にかけて、ツィッターなどでは場外乱闘が続いていた。

 

まず7日に、自民党の西田昌司政調会長代理が記者団に、「差別の禁止や法的な措置を強化すると、一見よさそうに見えても人権侵害など逆の問題が出てくる」と語ったという。

 

だから西田氏によれば、2年前の2021年に超党派の議員連盟が通常国会提出を目指した法案が、「『差別は許されない』という文言を拡大解釈することで『訴訟乱発を招きかねない』となったから見送られた」ということらしい。

 

さらに西田氏は8日夜に、ご自身のYouTubeで、「(LGBT 問題について)既成の価値観を、秩序を潰して変えていこうという運動が、戦後ずっと続いている。(中略)左翼勢力が中心としてやってきている」と発言した。

 

続けて、「LGBTの方々、皆そうだというわけではないですけども、多分にそういうことの先棒を担がされているのが現実なんですよ」と語っている。

 

これを受けて9日朝のツィッターで、ジャーナリストの江川紹子氏は、「何言ってるかよく分からない。差別って、正当な根拠なく他者を劣ったものとみなして、不当に扱うこと、ですよ」と書き込んだ。

 

同様に、作家の乙武洋匡氏もツィッターに、「西田議員は『差別する人々の立場も尊重しよう』というお立場のようです」と書き込みをした。

 

先ほど出て来た、2年前の2021年に、超党派の議員連盟が通常国会提出を目指した法案について、2021年6月17日付のNHKの配信記録では、西田昌司氏の以下のような発言が収録されている。

 

西田氏「互いを理解しあって寛容な社会を作っていこうという方向性が自民党の元々の案だ。そこに『差別は許されない』という一文が入ると、法律の目指すところが『寛容な社会』とは意味がちょっと変わってくる」

 

西田氏「推進派の人は、法律を作ることに重点を置いてしまって、社会全体にもたらす影響というのが見えなくなっているんじゃないか」

 

稲田朋美氏(自民党)「訴訟が増えることはないと思う。法案に差別の禁止条項は1つも入っておらず、裁判の根拠にはならない。(中略)むしろガイドラインなどができる」

 

稲田氏「保守というのは多様性に寛容であるべきで、偏狭な保守からは何も生まれない。(中略)少数者、性的マイノリティーの皆さんの権利を守るというのも、保守政党である自民党の責任だ」

 

西田氏「LGBTの人たちの中には、この法案を望んでおられる方ももちろんいるだろう。一方で『いらない』という方がいるのも事実で、もう少し冷静に、深く広く、掘り下げて考えるべきだ」

 

もはや、何を言う必要もないと思う。西田昌司議員を代表格とする、自民党の保守派が反対するLGBT法案などには岸田氏も反対だし、秘書官室なども全員それに忖度をする。

 

逆に、防衛費の増額や、その財源を増税で賄うといったことは、党内の保守派がもろ手を挙げて賛成するから、岸田総理も〝検討〟ではなく無条件で〝断行〟するという。

 

♪こ~んなぁー、政治にー、だ~れがしたー

 

ハイ、悪いのは、8年余りも安倍政治を許し、その後もガースー政治を許し、あろうことか岸田氏は自民党でもリベラルだから、などと甘い期待を抱いたのもすべて私たちです。