やがて綺麗な蝶になるために -7ページ目

流石に一服

「悪いニュースに反応が鈍く、良いニュースに強く反応」

というスパイラルが現れてきて、気づけばNK225も随分戻しました。

流石に利益確定売りも出てくるところで、これをこなしきった後にどうなんですか?っていうところになりそうですね。

とりあえず12,000割れで目をつぶって買った人はおめでとう、というところですか。ま、利益確定していない人は、まだ見えぬ未来との戦いをすることになりそうですが。


 個人的には、天下のトヨタ自動車の2009年の見通しが営業利益=2割減というニュースが出ても株価が反発しているところに若干の(かなりの)楽観姿勢がありまして、個別材料としてはこの程度のことはマーケットは織り込んだという安心感があります。

もちろん、リスク資産という性質がありますから、幾ら日本トップ(世界トップレベル)の企業の減益決算を織り込んだところで、さらに未来を悲観させる材料がワラワラと出てきたらそれなりに株価は下がるでしょうけど。それに、過去のことは過去のこととして人々は簡単に忘れ去りますからね。

そういや、

「日本の国債と、トヨタの社債って、どっちが格付け高いんだっけ?」

みたいな話もよく出ますけどね。


あー、あと解散総選挙の時期ですか、今年の見所は。

サイゼリヤ

"投資家たるもの企業を応援する"

で思い出したんですが、僕はサイゼリヤというレストランに相当お世話になっていました。

当時は普通のファミレス行くくらいなら絶対サイゼリヤ、と思いましたね。安くて、ほどほどにおいしく(飽きるが)。

さすがに歳をとったせいか、最近はたまにサイゼリヤに行っても味についてはどうなんだろうと思うことはありますが、値段は本当に良心的だなぁと思います。


 さて、どうして突然サイゼリヤなのかといえば、業績を下方修正して今日は-10%コースだったので、私の銘柄チェックに引っかかったのです。数字だけを見ると売り上げは伸びていて、営業利益以下が駄目という状況で、原材料高、ユーロ高、原油高などの影響を食らったということでしょうか。

そういえば、私の愛用のディチェコも、最近随分値段が上がったように思ったので、飲食業は売価に転嫁できなければそれは苦しいでしょう(小麦もバターも酷いものです...)。しかし、それでも"値上げはしない"と言っているようなので、消費者にしてみるとこれは嬉しいことですね。ま、消費者と株主と会社がWin-Winな関係になるのは簡単なことじゃないので、ここでの論点としては"だからどうした?"ということもあるでしょうけど。


 サイゼリヤといえば、古い記憶をたどると、ここの経営者は東京理科大学の出身者でその経営方針やオペレーションに理解の人間ならではの色々と特徴があるという話があったような気がします。

一つの特徴としては、他のレストランが失敗して店をたたんだところ、つまり立地条件が悪いのではないかと思われる物件に(恐らく安価で)積極的に出店する、というのがあったような気がします。当時はこれが成功の秘訣みたいなことを言われたいたような...。



 で、ようやく話を本題に戻すと、消費者としてもそれなりに好きなこの会社の株を買ってみてもよいかなぁと思ったりもするんですよね。四季報だけを見ると、会社の経営指標そのものは悪くないんじゃないかと思うし、利用者には嬉しい優待もありますしね。ただ、中国に積極出店っていうのはどうなんだろう?と思ったりもしますし、商品価格の高騰のことも心配ですが、、あ、後者を心配するならまずは自分たちの日常生活に関係するところが先ですか。

時間のあるときに、この会社のことも少し調査しようと思います。

そういやぁ、ここの"マグナムワイン"っていうやつは強烈だったことも今思い出しました。

投資と投機の割と明確な分類

投資と投機って色々な意味で使われているのでややこしいのですが、今の自分にとって一番しっくりくる定義はこんな感じです。


1)投資:経営者にお金を預けて、会社の行く末を見守ること

2)投機:自己裁量でお金を突っ込み、そして自己裁量で引き払うこと


なので、テクニカル見ようが、バランスシート見ようが、星占いしようが、基本的に経営陣や会社そのものがすばらしい付加価値を作り出してくれることを信じてお金を預けること以外の行為は、広義には手法そのものはあまり変わらないように思えたりもします。

このような定義によると、

 ほとんどの人は投機家

となると思います。

僕はこの定義がもっとも分かりやすいと思います。


 下方修正しようが、フリーキャッシュフローがマイナスになろうが、増資しようが、その会社と経営者にお金を預けたならば、すべてを受け止めるくらいの度量が1)の人には必要なので、なかなか大変でしょうけどね。

昔の人だと、京セラの稲盛さんとか、今の人だとStieve Jobsとか、魅力的な人はいるのですが、株を買いたい(買える)タイミングで、うまいことこういう人に出会えると良いのでしょうね。

という訳で、株価が低迷している現在、魅力的な経営者を探すことに時間を費やすのも一つの方法かもしれません。

 "この社長の下で働いてみたい"

とか、

 "ここの製品を一生使い続けたい"

とは決して思えない会社の株式を保有するっていうのは、よく考えてみると相当ヘンテコな行為ですよね。

よくも悪くも、経営指標とバリュエーションの呪縛が我々の投機家マインドをくすぐり続けているんだろうなぁと思う今日この頃。


四季報

遅ればせながら、ざっと四季報を見ました。

安くなったなー、っていうのが第一感ですね。

とはいえ、どれもこれも安くなっているので、値ごろ感や割安感的な感覚からいくにしても、何を買うのがよいのか迷ってしまうところだと思います。


とはいえ、中小企業を取り巻く状況は今も未来も明るくないという印象なので、これらの企業のバリュエーションの訂正局面を狙うよりは、それなりに企業業績が強いところ、世界に市場を持っているところ、それなりに規模が大きい会社を選別して投資対象にしたいなぁと思っているところです。


例えば、ローランドとか少し気になっているのですが、想定為替レートが115円だったと思うので、もう一度突っ込んでくる局面が来ないならば、決算が確定した時点でも良いかなぁという印象ですが...、こんなことを思っていると、もう買い場は無かったりもするんですよね。

ま、面倒なので、黙ってトヨタとキヤノンを買っておくと(笑)。




為替について

最近はとにかく為替動向に皆がびくびくしている訳ですが、著名人のKazu藤沢さんが、最近のブログのコメントで為替の基本を分かりやすくまとめています。



グッド!

藤沢さんのサイト

グッド!

要するに、基本は

1)金利差に裁定が働く

2)物価差に裁定が働く

ということで、よってゆえに、古典的経済理論に基づけば円高に振れるのは当然だ、とこういうことですね。

 "スワップで儲けましょう"

などと安易なことを(恐らく確信犯で)言っている人以外は、おおむねこのようなことは知っているでしょう。

 ところで、例えば日米金利差が実質ゼロになったとします。その時に2)の原理が綺麗に働くように為替は動くのでしょうか?例えば、マクドナルドの値段が日米で同じになるようになりますか?といったように。

なってくれるなら、そりゃこういう経済学の仮説に基づくディールも悪くないかもしれません。

で、本当にそうなりますかね?

ちなみに、今の為替レートだと、米国の都市部と日本のマクドナルドを比較すると日本の方が高くなっているように思いますが(かなり記憶が曖昧です...)、さてどうですかね?

パンダパンダ

 

為替市場の中で実需の取引は数パーセントに満たないものであり、大部分は投機筋のポジション、という感じの仮儒実需比率だったように思います。

ジョージソロスをして、

「相場はほとんど間違っている。そして、儲けるためには、間違ったトレンドに乗り、人々が間違っていると気づく前にそこから飛び降りることだ。」

と言っているのも実に興味深い話です。

してみると、今の円高は間違ったトレンドなのか?と思うのですが、そもそもこれまでの円安が間違ったトレンドでその是正をしているだけか?とも思えます。

それよりも、そもそも"ほとんど間違っている"のであれば、こんなことを考えることも概ね無駄なことで、結局は大衆の動きを予想するゲームである、ということにならざるを得なくなりますね。

それが正しいかどうかはさておき、"生きた経済学"に弱いワタクシのスタンスはこれに近いものにならざるを得なくなっているのが実状です。

タートル流投資の魔術

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術/カーティス・フェイス
¥1,785
Amazon.co.jp

カテゴリ:投機、システムトレード

レベル:中上級者向け

点数:99.9点


*概要

伝説のトレーダーであるリチャードデニスとウイリアムエックハートが"トレードは教育で習得できるか?"というテーマに挑戦するためにたタートルズというチームを作り、そしてそのメンバに自分たちの持つトレードのノウハウをすべて叩き込んだ。

そのタートルズのメンバの一人が、当時タートルズが使用していた手法をベースにトレーディング(特にシステムトレード)について説明した本である。

なお、類似したタイトルの本でラッセルサンズの著書もあるが、ラッセルサンズはタートルズでは成功者ではなかったというう噂を聞いたことがある。(この本の中でも、タートルズの中で成功できなかった人の話が色々と出てくる)



*良いところ

この値段にして、パンローリングの本10冊分くらいの中身の濃さであり、手法や解説も極めて具体的。

取引手法を長期のトレンドフォローだけに限定しているところがすばらしい。

また、どうしてトレンドフォロー/アンチトレンドというまったく意味の異なる二つの手法が世の中に存在していて、それぞれのエッジの源泉は何なのかということを解説している部分が実にすばらしい。

散々トレンドフォローの説明をしたあげく、

 "トレンドフォローはほとんどの人には向かない手法である"

と言うオチをつけるところは、最高に素晴らしい。

 とにかく、一見すると当たり前のことばかりが書かれているようだが、これ以上のメカニカルトレードの秘密は無いというくらいの濃い内容になっていると思う。

趣味・趣向は分かれるのかもしれないが、システムトレードの本に関して言えば、恐らく最高レベルの内容で、これ以上のモノはもう作りようがないんじゃないかとも思う。

(当たり前だが、だからといって、この本のとおりにやれば儲かるというものではない)



*悪いところ

本題と関係ない本文末の数ページ。彼の人生観やトレード以外の部分の自己主張は、まったくこの本の内容にそぐわず不要。本人は"ここが大切だ"と主張しているが、その意味は私にはさっぱり理解できず。

それと、システムトレードという考え方そのものがかなり"怖い"ものだと思うので、なんとなく参考にしたり、なんとなく使ってみるのは止めたほうが良いと思う。やはり、それなりに投資の経験があるか、もしくはリッチデニスのようなスーパーマンにコーチされない限りは、こういった手法でトレーディングすることは無理でしょう。


NK225=11,787円

 下値予想を11,200円と思っているのですが(根拠は無い)、とりあえず今日は少し買ってみました。

昨年からほとんど現物の売買は停止していたので、純投機以外でのトレードは久しぶりな感じがしないでもありません。

どうして目標より高いところで手を出してみたかといえば、FRBがベアスターンズの救済に手を貸したこと、為替が非常に大きく動いたこと、などがあります。つまり最後のカードの手の内を見せたかなぁということと、為替にクライマックスが発生したかもしれない、ということですかね。

と、この程度の根拠なので、この買いも、なんら信憑性はありません。

また、これで悪材料が出尽くしたとは思えず、11,000円を叩くような展開も大いに想定はしています。

多かれ少なかれ投機筋のポジションが"株売り/ドル売り/原油買い"に乗ってきていると思うので、これをビビらせるようなスパイクが起きて欲しいものですね。

最近はまともに投資対象の企業を調査していなかったので、そろそろ何か探してみようと思います。四季報も発売されたんですね、そういえば。(これすら気にしないくらい、投機家になっていた...)



それはさておき、世界が金融不安に悲鳴をあげている中で、一体、日本の政治家は何をしているのでしょうか?

もう個別の議論はどうでもいいので、とっとと解散をして、答えの出ない討議に無駄な時間を費やすことを止めて欲しいと思うんですけどね...。

またしてもFRB

今度のカードは何だったのでしょうか?

よく理解していないのですが、簡単に言うと、

「金融関係者の皆様、貴方方の抱えている含み損だらけの債券の掛け目が随分と下がっているみたいなので、中央銀行が甘い掛け目でそれを米国債と交換してあげましょう」

っていうことでしょうか?


これは立派なボランティアだと思うんですが、もしこんなことだとすると、よく価値が分からなくなっているジャンク債の値付けは誰がどうやってやったんでしょうね。

それが簡単な話なら、このサブプライム損失の話もこんなに泥沼にはならないだろうと思うんですが...。

ついでにリスクを肩代わりした中央銀行が地雷を踏んでしまったら何が起きるんでしょうか?

どうも私が何かを勘違いしている気がするので、暇な時に真相を調べてみようと思います。

詳しく説明されているサイトがあれば教えてください。


にしても、今日の日本市場の寄り天は情けなかった....。

一筋の期待が裏切られた感じです。

12,500円

んー、まぁどうすることも出来ない感じです。

誰も買う人がいないという雰囲気ですからね。

割安だと思ってもアメリカが下がれば自動的に下がるので、前回の安値に突っ込む状態でも、無理して買うという人がいないのでしょう。


さて、12,500円あたりが抵抗線になっている感じも希薄なので、少しは買ってみるものの、11,200円くらいまでの突っ込みも覚悟しないといけない感じですかね...。

そうなれば、間違いなく円ドルは100円を切ることになるんでしょうけど。


人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか?

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか/水野 和夫
¥2,310
Amazon.co.jp


カテゴリ:投資全般、マクロ経済

レベル:上級者向け

点数:99点


*概要

今、そしてこれからの経済の流れは一国ではなくグローバルに考えること。そして、著者の考えるグローバリズムとは、これから起きる経済の流れをこれまでの歴史からの未来をanalogyするのではなく、新しいパラダイムシフトが発生しているという前提のもとで考えるべきだということ。こんな感じのことを日本、米国、新興国のそれぞれの立場で論理的に展開している。かなりまじめな本。


*良いところ

2007年の大ヒット経済書。で、

 "最大の金融国家にして消費国家である米国"

のことを非常に鋭い視点で語っていると思う。

今このような時期に読むと、骨身に染みるし、未来に恐怖感を覚えたりもする。

断片的にこの本の良さを伝えることは難しいけれども、

 「金融経済は実物経済に多大な影響を及ぼしている

という主張は、ありふれた経済の説明と対比して、現実をうまく説明しているように思う。よってゆえに、これらのことを念頭に置きながら、今のサブプライムローン話のゴチャゴチャ、そしてそれが実体経済に与える影響を見守ってみると、より面白く世の中を見れるのではないかと思う。


*悪いところ

...分からない。ほとんど無いと思う。

強いていうならば、文章がかたい。それと巻末の注記の分量がとても多く、本文と巻末をチラチラ往来するのがちょっと苦痛である。

 それと一方の視点からだけものを見るのは良くないと思うので、この人と反対のものを見方をしている人の書籍も読んでみると良いと思う。例えば、澤上篤人さんとか、藤巻健二さんとかは、この人とは正反対に近いことを言っている部分が多いような気がする。

(両氏などは、好業績=>高給料=>高消費=>高物価=>高金利=>景気のピーク(バブル)、というサイクルが必ず来ると信じているような主張を文面から感じとれるので...。それほど両者のことに詳しいわけでもないので、間違った見方かもしれませんが)