13,600円
メインのPCのHDDがぶっ飛んで、新しい環境のセットアップに追われていました。
さて、NK225は節目っぽい14,000円を目の前にして若干躊躇しているところでしょうか。
そりゃ底知れぬアメリカ経済の指標の悪化が怖いので、ショートカバー以上のことは難しいのかもしれません。もっともそんなことを言っているうちに、後から見ると上昇相場の始まりだったりするものなのでしょうが。
にしても、どうしてサイバーAに値がつかない?(と、このブログで言ってはいけないか)
新興は発狂チキン相場っていう感じでしょうかね、ワケ分かりません。
これだけ値が飛ばされると、ヤレヤレ売りが起きる隙もなさそうで、、、つまり明日あたりにサイバーが寄り付いてからが勝負ということでしょうか。
(少なからずショートスクイーズという狙いもあるんでしょうが)
あと、天馬が食らっていた記憶がありますが、ぼちぼちバリュー投資家の皆様が出勤されたのでしょうか?
にしても、原油高が価格転嫁出来ないところはかなり悲惨な決算が出ますね。
これが一過性かどうかの判断が勝負どころになるのであり、企業分析ベースの投資家の真骨頂が問われるところなのだろうと思います。
割安買い投資とテクニカル投資、そして損切り
相場が下落しているといつも話題になるのが損切りですね。
今日はちょっと変わった角度から損切りを見てみましょう。
まず二人の投資家に登場願います。
・投資家A
決算報告をよく読み、バリュエーション指標を愛する。
買いルール:PER=10倍になったとき
損切りルール:強いて言えばファンダメンタルズや収益構造の悪化
利益確定ルール:感覚的に割安感が解消されたとき(仮にPER=15倍)
・投資家B
テクニカル指標をこよなく愛し、多くの銘柄のバックテストを行いその投資ルールに従っている。
買いルール:移動平均線剥離率が-20%になったとき
損切りルール:無い
利益確定ルール:50%のリターンを達成したとき
ある時、ある銘柄を二人の投資家の売買シグナルが同時に発生し、同時に購入したとします。
実はこのとき、二人の性格に関わらず、この二人はある一定期間同じ行動をします。
つまり、一つ抽象レベルをあげてみると、全く異なる動機でトレードしているにも関わらず、この二人は同一のものと見なせることになります。
次に投資家Bによく似た投資家Cに登場してもらいます。
・投資家C
テクニカル指標をこよなく愛し、多くの銘柄のバックテストを行いその投資ルールに従っている。
買いルール:移動平均線剥離率が-20%になったとき
損切りルール:無い
利益確定ルール:50%のリターンを達成したとき。ただし、含み益がピーク10%減ったら機械的にイグジットする(トレイリングストップ)
このとき、投資家Bと投資家Cとで、どちらが上昇相場でホームランを打つ可能性が高いでしょうか?
そう、投資家Bです。なぜなら、彼は利益を強欲に伸ばす行動を取っているからです。
投資家Cさんは、運悪く一時の10%の押しを食らえば、その時点でイグジットしてしまうのですから。
ところが、買値から30%上昇したものの、そこから30%の下落が発生した場合、保守的な投資家Bさんは、10%のトレイリングストップにより30%の上昇の多くを手にすることが出来ます。このとき、投資家Bさんはヤラレ状態です。
次に投資家Dさんに登場願います。彼は投資家Cさんを手本に、更に独自のルールを導入しています。
・投資家D
テクニカル指標をこよなく愛し、多くの銘柄のバックテストを行いその投資ルールに従っている。
買いルール:移動平均線剥離率が-20%になったとき
損切りルール:買値を10%下回ったとき
利益確定ルール:50%のリターンを達成したとき。ただし、含み益がピーク10%減ったら機械的にイグジットする(トレイリングストップ)
もう言うまでもないですが、投資家Dさんは下落相場では、いちはやく相場から脱出して、他の3人のヤラレを見ていることになります。一方で、買った直後に10%下落して、そこから80%の上昇相場になれば、他の3人の様子を指を加えて見ていることになる可能性があります。
**
さて、上記のように考えてみると、投資手法に関わらず、ストップルールの無い投資手法は大きなホームランを狙える変わりに、大きなロスを享受する傾向になるだろうということが分かります。
つまり、買い持ち戦略で、ある期間(つまりブル相場)で大きなリターンを上げた人は、ベア相場ではその逆を食らう可能性があるということになります。
そうじゃないということであれば、リスクリターン比を大きく改善するエッジがそこにあり、ノーロスカットルールは完全にそのエッジの一部として機能しているということになりますね。
要するに、
「ノーロスカットルールは大いなる自信の現れである。逆に人並み外れた自信が無いのであれば、ロスカットルールは設けるべきである。」
というのが、今の私の考えです。もちろん、ウォーレンバフェットが人並みはずれているであろうことは、今更強調するまでもありません。
ただし、上記は株式投資を純粋なる金儲けのマネーゲームであるという立場の話ですので、自分の好きな企業を応援したいというような極めて全うな視点での投資については一切考慮していません。
**
投資であれ投機であれ、ロスカットルールというのは極めて重要な概念だと思います。明確な根拠があろうが無かろうが、それは間違いなく保険としては機能します。その保険を使うか使わないかは投資家の自由ですが、その権利を行使するかどうかは十分な熟慮の上で判断されるのがよいと思います。多分、その判断だけで恐ろしいくらいパフォーマンスに差が出るでしょうから。
13,000円
節分天井構想は概ね予想通りで、今週の動きは指数だけ見ると個人的にはそれほどサプライズ無し。
ただ、鉄鋼セクタがダメトレンドに突入したことで、頼みの綱は海運、商社、それに自動車という感じでしょうか。
とにかく下方修正の多いこと、そして下方修正に対する売り浴びせの凄いこと...。
これまでの下落で織り込んでいると思ったら大間違いで、
円高、原油高、景気敏感
のうちの最初の二つは織り込んでいるだろうよと誰もが思っているのに、ストップ安のオンパレード...。
ただ、2,3日、NYのボラが下がったら多少希望は持てるかなぁとは思っています。
なので、来週前半がポイントと予想。
そこでドボンすると、、まぁ覚悟が必要だと思います。
にしても、ヘタレ相場で気概を見せるトヨタには感服ですね。実にオットコマエです。
1月雑感
まぁ凄い相場でしたねぇ。
一応、13,600円くらいを底と仮説をたててちょっとちょっかい出しましたが、軽く突き破って下落していきましたね。
これからは、景気減速がどの程度鮮明になっていくかを相場が予想していく展開になるのでしょう。
日本の銘柄も下方修正が散見され、ここ数年とは状況が変わってきたなぁという感じを皆さんが持っているように思います。
がしかし、グローバル市場で商売をしている会社は長期に渡って勝ち残って欲しいと思っているし、日本という国を考えると勝ち残らないといけないと思っています。なので、あまりバリュエーション云々に拘らず、そういう会社(といっても、かなり数は限られているが)は大きく突っ込んだら買っていきたいですね。
相場全体を見たら、まだ大幅下落の戻りの途中という感じですから、14,000円に近づくとかなり警戒感が出てくるだろうと思います。とはいえ、一部の銘柄はインチキ臭い上昇も手伝ってトレンド転換の匂いも少し見せていますから、総悲観になるような局面でも無いとも思いますけど。
ともあれ、
"14,000円の節分戻り天井"
は多少イメージしておこうとは思っています。
2月は気分一新頑張っていきましょう。
内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法
新しいカテゴリを作りました。今後しばらく、折を見て自分が読んだ投資本の紹介をしてみようと思います。
方針としては、
・あまりにwell knownなものは少し避ける
・ダメ本を敢えて紹介はしない
・広い分野から選ぶ
という感じにしたいと思います。
第一号はコレ。
- 内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法/内藤 忍
- ¥1,680
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カテゴリ:投資全般
レベル:初心者向け
点数:90点
*良いところ
極めて客観的で、広範囲に分かりやすく金融商品が説明されていると思う。また、リスクについてもきちんと書かれているため、
"さて、株でも始めてみよう"
と思った人は、リンチ、グレアム、バフェットなどの本を見る前に、まずこの本を読むべきだと私は強く思います。これを全て理解してからでも次に進むのは遅くないと思いますね。
もっと言えば、別に次に進む必要も無いかもしれません。自分なりののアプローチでこの本に書いてあることを実践すれば、少なくとも長期的にはそれなりに資本主義経済の成長の恩恵を授かることが出来るのではないかと信じています。
私が所有している本では、"最初に読むべき本ランキング"の一位に長いこと君臨しています。続編みたいなのも幾つか出ていますが、それらは全く目を通していません。
*悪いところ
主観性が極めて乏しいので、別に"内藤忍という人だから出来た仕事"という訳でも無いとも思います。そういう意味での付加価値は乏しいかな。類似した本は他にもあるだろうとは思います。
あと金融商品の紹介ではマネックスの匂いが少ししてくるので、そこは割り引いて読んでください。
とりあえず、バーナンキ、やった
0.75%の緊急利下げ。
"幾らでも下げますよ"
という態度をようやく現実にしたという訳ですね。0.5%は確実に織り込まれていたと思うので0.75%にどのくらいの意味があるのか分からないけど、とにかく中央銀行が動くということは、短期的な株価維持や景気刺激という点では大きな意味はあるだろうと思う。
ただし、"強いドルは国益”というビジョンにどの程度反する行為なのか分からないし、現実に米国国内の消費への影響がどの程度なのかが不透明な状況には変わり無い訳で、これにてメデタシとなるかは疑問ですが。
なんて書いてたら、ダウが寄りから凄い戻しですね、なんじゃこりゃ?0.75%なんて、かなり織り込まれていると思ったんですが、意外にそうでもないということですか...。
しかし、ここしばらくの金融商品の動きを見ていると本当に"金融主導経済"って感じがしますね。
してみると、
「為替や株価はファンダメンタルズを反映する」
という考えにはかなり無理があって
「両者はchicken and eggであり、実体はシュレディンガーの猫」
と考えるほうがかなり現実を説明しているような気がしないでも無いんですけど...。
(これがソロスの言うところの再帰性理論?)
激動の2008年
んー、とにかく凄い値動きですね、2008年は。
感覚的には2σの外っぽい感じが毎日起きている感じがするので、かなり警戒したいところです。
一応、エイヤと取った買いポジションは幸いにして含み益状態ですが、動きとして想定の最悪値、というか、"想定外"に近い状態になりつつあるので、ストップに引っかかればとっととイグジットする予定です。
ところで、週末は水野和夫さんの著書を読んでいます。
これは大変面白い!
私が疑問視している
「日本の景気ってどうなのよ?」
ということに対して、かなり自分と同じような考えで、それを豊富な引例を用いて説明されていて、深くうなずいてしまいました。
読み終わったらちょっと整理して感想を書いてみます。
体感温度=零度
さ、寒い、絶対零度だ、こりゃ。
今日の日本市場の弱さは強烈です。
どうしてNK225が-138円で済んでいるのか、不思議で仕方ない...。
さしあたり今週のアメリカの金融機関の決算に対しての市場の反応がキーポイントになりそうですね。
いずれにせよ、どんな値動きになっても、13,600円台に入ったら、極少であろうとも勇気を出してロットは建てようと思います。どのくらいのロットにするかは値動き次第ということで考えるとして...。
さて、これだけ下げると
"ファンダメンタルズ無視の暴落"
という声が多く聞かれ始めるところなんですが、
"ファンダメンタルズ無視の暴騰"
という表現は不思議とお目にかからないんですよね...。
買うのも売るのも同じように理由はあるし、また同じくらい理由は無いと思うので、どうもこのような世論には違和感を感じます。
まぁつまり、投資家っていうのは基本的には近視眼的で、利己的で、相場っていうのは基本的に買いバイアスを強く帯びているところなんだ、と解釈しています。
そして、株の保有期間や投資手法にに関係なく、これを上手に利用している人が勝ち組になるのだろうと思う次第です。
さて、米国よ、出来ることなら持ちこたえてね...。
底当てクイズ
底は分からない、としたものですが、"分からない"と諦めるよりは、一応クイズを解くのに参加したほうが楽しさもあるとしたものだとも思います。
で、私は
13,700円割れ
くらいを短期中期の底だと予想しています。今くらいの水準からザラ場でズトンとこの水準まで来てくれれば買いやすいですね。
という訳で、上記の仮説に基づき、この下落相場中はキヤノンやトヨタを買いたい衝動をグッと我慢して何も買っていないのですが、NK225がこの水準にきたらちょっと多めに買いを入れててみるつもりです。あと、14,000円どころでボラリティが落ちてきたら、14,000円くらいでも買いにいくかもしれません。
じゃあこれが長期的な大底かと言われると何とも怪しく、2005年9月、つまり郵政解散総選挙の水準まで下がっても何も文句を言えないなぁというところです。変わりゆくニッポン、に多いに期待して外国人投資家は日本株を買い進めた時期の価格まで戻る、ということですね。これならファンダメンタルズに忠実な値動きということになるのかもしれません。(実際に2008年内にここまでいく、と予想しているアナリストも少なくないようです)
この"構造改革"なるものと現実とを比較してみると...、
改革断行どころか寧ろ規制の嵐、ダメダメ二大政党で政治は全く機能せず、従業員の給料を圧縮することで実現した増益基調も陰りが見え、こうなりゃ結局のところ頼みの綱は新興国の生産と消費にあやかれる企業ということになりそうです。その中国も明確な金融引き締めを打ち出しているので、何処かで熱した鉄は本格的に冷えるのでしょう。
昨年くらいから強く思っているのですが、
企業好景気=>給料上がる=>消費上がる=>物価上がる=>金利上げる
という単純な景気のサイクルはやっぱり日本では起き得そうに無いような気がしてなりません。
今のところ着々と上がっているのは物価、しかも食料品/エネルギーという生活必需品がことごとく上がっているという状況で、さて、行く末はどうなるんでしょうかね?
かつて、日本や米国が新興国だった頃、世界経済はどのように動いたのかを勉強してみると良いのかもしれません。そこには、やはり成熟国家と新興国家との間で起きた富と経済の均衡化の流れが垣間見れるのかもしれませんね。
と、段々と脱線しましたが、とりあえずどうにか底入れして欲しいものです。
結局、割安とは?
途中で書くのが面倒になってしまって半年くらい話が進んでいない気がしたので、2008年突入を機会にとりあえず強引に話を完結させておこうと思います。(昔から見ている人以外には何のことか分からないかもしれませんが)
結局のところ、私が主張したいことを簡潔に言えば
「相対的な割安感というものは相当アテにならないし、皆が勝手なモノサシで計っている部分が多い。鵜呑みにするのは危険。」
ということになります。
今でもこのような考えに100%自分が納得している訳ではないですが、以前よりは遥かに強くこう思っています。
株というのは基本的には紙ですから、切実な需要はそこにはありません。
すると
「年末だし、55,000円払ってでもOpus Oneを飲むか」
というような、ある種のプレミアムはそこには存在せず、その紙の価値を決めているものは多かれ少なかれ"価格"ということになります。これが理論的には会社の価値から大きく剥離していると困るので、多くの人が会社の時価を推定しようとします。
ところが、株券そのものの本質的な価値が無いこと(一般的に単なる個人株主はpartial ownerからは随分遠いところにいるという意味)、そして最終的にはどんなに頑張って多数決をしても企業の真の時価なんてものは決められないことから、価格は右往左往してしまいます。そして永遠に右往左往し続けるでしょう...。
個別銘柄投資をやる人は一度は
「株式市場は効率的か?非効率的か?」
という命題を深く考えたと思います。そして非効率的と思うからこそ分析をして個別銘柄投資をするのでしょう。
私も長いことこの命題を考え続けていますが、今現在の答えは
「強いて言うなら非効率的。なぜならば、ある情報を価格が織り込んでいるのかどうかは誰にも分からず、わずかばかりの信念すらも、多くの場合は群集心理によって揺らいでしまうから。よって、効率的には成り得ない。」
という感じになっています。
じゃあ、そのような理由で非効率的であると仮定したとして、そこに収益チャンスはあるのでしょうか?
多分、それがあるとすると、投資/投機など方法はなんであれ、以下の理由によるものではないかと私は考えています。
1)他人が知らない未来の情報を自分が知っている(=知識の優位性)
2)他人が苦しくて実行出来ないことを自分は実行できる(=行動力の優位性)
ここで自問自答してみます。
「果たして、自分がやっているバリュー投資なるものは、上記の1)か2)を満足しているのだろうか?」
残念ながら、答えは、"概ね、No"でした。
もちろん、この答えが"Yes"な人も世の中にはいると思います。例え帰納的思考によるものであったとしても、"Yes"と言える方は間違いなく賢明なる投資家であると思います。
ここで大切なことは、"Buffetがそうだから"ということではなくて、自分自身がどうなのか?を自分自身で冷静に考えることです。
個別銘柄投資をやる人の多くは、何らかの形でバリューファクターというものを考えるし、"割安"という響きにとても敏感になるだろうと思います。
しかし、この"relative"の比較対象物は人によってマチマチですし、またそれが本当に確固たる株式売買収益のエッジになっているのかどうかはかなり眉唾です。
バリュー投資は一見したところ倫理的で美しく見えるものです(この美しさが厄介...だから簡単に止められない)。が、我々が金のために株式投資をやっているのだとしたら、いまいちど冷静になって、自分の考えに上記1)や2)のようなエッジがあるのかどうかを考えてみるのがよいだろうと思います。
それでは、2008年も頑張っていきましょう。
「知るものは言わず、言うものは知らず」 by老子