La Vita col GRAPPA
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粕(かす)取り

お酒好きな方なら、グラッパが他にどんな名称で呼ばれているか、ご存知でしょう。

『粕(かす)取りブランデー』・・・


まあ、ワインを造った後に残る葡萄の粕から造る蒸留酒なので、その表現は決して間違ったものではありません。

実際に、グラッパと同様のお酒は、フランスでは 『オー・ド・ヴィー・ド・マール』 。これは「(葡萄の)粕の蒸留酒」と言う意味だし、ドイツの 『トレスターブラント』 も「粕のブランデー」。

粕(かす)って・・・・


そもそも、出生はともかく、近年では普及品のコニャックよりも高値の銘柄ばかりだし、これほどまでに面白いお酒もそうそう無いのに、BARのボトルラックを飾ることは稀で、もっぱらイタリアンレストランのカウンターの端っこの方でひっそりとたたずんでいるのが常でした。
そして、BARで頼もうとすると「ウチは粕取りはあんまり置いてないんですよ」などと言われ、イタリアンレストランでは、食後酒を楽しむ人も少ない。

どう見てもグラッパが陽の目を見る機会が無かったわけです。

この “ かす ” なんてネガティブな言葉じゃなくもっとありがたい言葉なら、BARのボトルラックを飾るチャンスも増え、もっと早くから酒好きの方々に認識されていったのかな・・なんてことも思わずにはいられません。


そもそも、日本語では 『かす』 は 『粕』 も 『滓』 も 『糟』 も 『かす』 も、「よいところ、必要な部分を取った後の残り・取るに足りないもの・くず」などと同じように使われている言葉ですからね!
一応『粕』と『糟』は酒かすとしても使われる漢字ではありますが・・。

ところが!
英語ではグラッパのようなお酒を 『Pomace Brandy』 (直訳するとやはり粕のブランデー)と呼ぶのですが、ここで使われている『pomace』は一般的な(けっこう英語では “ かす ” にあたる言葉の種類が多い)ネガティブな意味での “ かす ” ではないようです。

最近、発酵食品の研究も進み、日本酒の酒粕などもいろいろな面で再認識されているようです。


かすはかすでも 『粕』!

粕は残り物ではなく「副産物(あるものを生産する過程で付随して得られるもの)」と捉えるべきなんですね。
そう、『粕』はありがたい “ かす ”!


・・・と、なんでこんなに『粕』について熱く語っているか本人もわからなくなりそうですが、
これからは 『粕』 はただの残りものではなく、有益な副産物なんだという意識とともに
『粕取りブランデー!』
と胸を張って呼んであげようと思うのでありました。



みなさんもグラッパにちょっと愛着わいてきたでしょ?




バーテンダー

最近、嵐の相葉君主演のドラマ「バーテンダー」がスタートしましたねぇ。


原作の方は数冊読んだことがあります。
内容に偏りはあるけど、いろいろ演出上仕方ないところはあるのかな。


でも、これをきっかけにBARやバーテンダーの仕事に興味を持ち、今流行のハイボールだけじゃなく、昔から愛され飲まれ続けているスタンダードカクテルや様々なお酒の楽しさも再認識されたらいいなと思います。


それより、相葉君のバーテンダーとしての演技・・

正直なところ、思ってたより良かったのでひと安心!でした。

実際の現場では及第点はあげれないけれど、短期間の練習にしてはそこそこ見られる演技ではないかなと思います。
ちょっと前にあった「○の雫」のドラマはワインの扱いの演技指導が悪いとしか思えず、ひどくがっかりして一回で観るのをやめてしまいました。


こういう、ある一定レベル以上の技術を要するプロの仕事を描くドラマなどでは、ストーリー展開の面白さだけじゃなく、諸先輩方が長い経験と膨大な試行錯誤から築きあげてきたひとつひとつの動作に対して、その本質を崩さない演技指導があって当然でしょう。


バーテンダーの動作も同様に、諸先輩方から受け継がれてきた歴史と意味があり、きちんと鍛錬された動作には必ず美しさが伴います。

そしてそれは飲む人にとっておいしいと思わせる魔法の一つでもありますよね。


と言う事で、みなさんもぜひ「バーテンダー」楽しみに観てみてください!
そして、ぜひBARに足を運んでいただきたいな・・と思うのであります。


グラッパ研究会の決意!

もしかすると、今年初のブログかな・・と、考えるまでもなかったです。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、先日グラッパ研究会 あてにイタリアから一通のメールが届きました。
送付元は、イタリアに留学している日本人の方からで、その内容は「知人の実家で造っているグラッパを日本に紹介したいのですが」というものでした。

早速調べると、北イタリアはピエモンテ州のアルバで、イタリアワインの王とも呼ばれるバローロや、バルバレスコなどの搾り粕からグラッパを造っている老舗グラッパ蒸留所であることがわかりました。
しかも、初めてバローロ単一の搾り粕からグラッパを造った蒸留所とのこと!
ラベルデザインも昔ながらの味わいのあるラベルで、イタリアンレストランのみならずBARのボトル棚に並んでいても目を惹くことは間違いないでしょう。

興味ある方はぜひ↓↓


まあ、グラッパ研究会 として輸入するわけにもいかず、いくつかの輸入業者を紹介してあげることしかできませんでしたが、また新しい銘柄が日本に入ってくることは嬉しい限りです。

とは言え、グラッパ研究会 もまだまだ微力だなと・・。
これをバネに、まだ知られていない銘柄などももっと紹介できるよう、もしくは直輸入できちゃうくらい(?)大きく成長していこうと奮起するできごとでした。

グラッパって

グラッパを店で扱っていて、まだまだ一般にはグラッパは知られていないなぁ・・と感じることは多くあります。

考えてみれば当たり前なんですけどね。

みんながBARに行くわけでもないし、行ったところでグラッパを置いてる店も限られてる。
イタリアンレストランに行っても、食後のドルチェ(デザート)は食べても食後酒までたどりつく人は少ない・・。

「グラッパという名前は知ってる。」
または「イタリアンレストランで飲んだことはある。」
と言う人は10年以上前から比べたら飛躍的に増えている感触はあるけれど、
じゃあ実際グラッパがどんなお酒なのか・・というところまで知っている人は稀です。

グラッパについてネットではどんな風に解説されているか調べてみました。

たいていの解説では

「グラッパは、ワインを造ったあとの葡萄の搾り粕を再発酵させ蒸留して造る」
となっています。
が、これは誤りとは言えないまでも、非常に誤解を生む解説です。

「グラッパは、ワインを造ったあとの葡萄の搾り粕を蒸留して造る」
再発酵という言葉を抜いて解説すべきでしょう。

なぜならグラッパは、ワインを造った後に残る葡萄の搾り粕に、加水はもちろん一切手を加えず
そのまま蒸留しなければならないからです。
ただし、白ワインの多くは、先に皮などの搾り粕を除いて発酵させてワインを造るので、
搾り粕にはアルコールが含まれません。
こういった白ワインの搾り粕の場合のみ例外的に、発酵させてから蒸留することになります。

グラッパの名前の由来も、北イタリアの方言説などは知られていないようです。
昔と違ってネットの時代とは言え、逆に言えば情報があふれすぎているんでしょうかね。。
グラッパ研究会まだまだがんばります。

グラッパについてくわしくは「日本グラッパ研究会 」のHPをご覧ください。


日本のウィスキーの父

先日、あるスコッチウィスキーの本をめくっていたら
故竹鶴政孝氏が、スコットランドの蒸留所でウィスキー造りの勉強中に撮った当時の写真が掲載されていました。

年号を見ると、1910年。
ちょうどいまから100年前です。

竹鶴政孝氏は、日本のウィスキーの父とも呼ばれ、現ニッカウィスキーの創業者。
摂津酒造の社員だった竹鶴氏は、日本での本格的ウィスキー生産を目指すためスコットランドへの留学を命じられ、後に寿屋(現サントリー)の山崎蒸留所の初代所長として日本で初めて本格的なウィスキー造りをすることになります。

その白黒写真は、当時の竹鶴氏がカメラのファインダーを通して見たスコットランドの蒸留所や周辺の風景が写っています。
彼はどんな気持ちでこの風景を眺めていたんだろう。
100年後の今、名だたる国際的なウィスキーやスピリッツのコンクールで優勝するまで成長を遂げた日本のウィスキーの姿を想像していただろうか。
そんなことを考えながら、その白黒写真を眺めていました。

竹鶴氏がグラッパを飲んだことがあるのかは知る由もありませんが、洋酒に人一倍興味を持って研究していた方なので、一度は口にしたこともあったのではないかと思っています。
今から100年後、グラッパという酒が国際コンクールで優勝することはないと思いますが、
日本産のグラッパ(その頃はpomace brandyと呼ばれているかも)が、本国イタリアを凌ぐほどに個性を発揮できる酒として成長していたら面白いな、と思うのでした。

あ、その頃にはますますハードリカー離れが進んでだれもグラッパ飲んでなかったりして・・・?


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