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Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ

スーツの解釈は様々です。

このブログではオーダー(カスタムメイド)スーツの話題を中心に私なりの見解を述べていきたいと思っています。


メーカーズシャツ鎌倉が前人未到の400番手シャツを発売しました。では、今までのフラグシップだった300番手と比べてどうなのか、簡単に検証してみました。(条件を同一にするために、いずれも未使用品を用意)
 

どちらもマイクロツイルなのですが、300番手の方が少し大きめの織り柄です。それによって300番手の方が分かりやすい光沢を放ちますので、綿のシャツとしての高級感があります。
 
 

一方で、400番手はきめ細かく上品な雰囲気を持っており、綿のシャツとしてはあまり見たことのない、まさにシルクのような光沢感です。
 
 

手触りはというと、300番手でも十分柔らかいと感じますが400番手は更に上を行く感じです。
 
 
結果、確かに400番手は300番手を超えた存在であることが分かりました。

しかし、300番手が12000円(税別)、400番手が18000円(税別)であることを考えると、300番手はたいへんコストパフォーマンスに優れていると言えます。


したがって、
通常の高級シャツを求める場合は300番手で十分。
最高峰の品質や、1日10着しか織れないという希少性まで求める場合は400番手。
 
そんな選択になるかと思います。

スーツやコートで上質な生地を使用している場合、袖にラベルを付けて販売されることがあります。

これ、タグと同じですから取り外すのが当たり前ですが、着用時に取らない人が増えた気がします。

 

一度知人に取るように言ったことがあるのですが、

 

「え、絶対に取らないといけないんですか?」

 

もう絶句でした。

 

裏地に生地ブランドのラベルを付けるのとは訳が違いますよね。ドレッシーなスーツやコートの目立つ部分にラベル!

 

残念としか言いようがありません・・・。

以前から少しはあったのですが、ユニバーサルランゲージメジャーズの裏メニューとも言える、通常のオーダースーツ用バンチブックがたくさん入荷していました。スキャバル(ベルギー)、ジョンフォスター(イギリス)、トレーニョ、ロロピアーナ、カノニコ(イタリア)などなど。

 

ユニバーサルランゲージメジャーズの表メニューはいわゆる既製服向け生地ですので、裏メニューこそが本来の姿とも言えます。

 

また、従来裏メニューはマシンメイド&ハーフ毛芯しか選べませんでしたが、今期から2万円をプラスすればハンドメイド&フル毛芯にできるようになりました。またまた同ブランドが進化したわけです。

 

あくまでも裏メニューなので、表メニューと比べると割高。例えばカノニコの表が69000円に対して、裏は99000円程度となります。99000円というとゼニアの表メニューと同価格。

とは言え、裏メニューは通常のオーダースーツ用生地。ハイクオリティなものが多いように思いました。写真はカノニコのモヘア18%混紡。モヘア混でも18%であればシルク混のような光沢とモヘアならではのハリが得られます。(写真はカメラのホワイトバランスを間違えました。悪しからず。)

 

こちらはロロピアーナのSuper130's。チャコールグレーにパープルストライプ。シャドーストライプと交互に入ったオルタネイトストライプです。

こちらのバンチブックは選択肢が非常に豊富でした。

 

この裏メニュー。ブランドにこだわらず自分が良いと思える生地で仕立てたい、という方には良いシステムだと思います。

三陽商会がライセンス販売していたバーバリーがなくなって久しいですが、実質的なバーバリーの高級化(高額化?)に伴い、街中でバーバリーチェックをあまり見かけなくなりました。

 

本家バーバリーとしては安売りされたくなかったのでしょうが、日本国内での知名度は下がってしまったのではないか、と個人的に思います。

 

さて、こちらは本家バーバリーが販売するトレンチコート。

定番ではなく期間・数量限定で販売しているモデルです。ベースは着丈と横方向のサイズが標準的なケンジントンのレザーディテールモデル。

 

リージェンシーブルーという名のカラー。ソラーロっぽい光沢が高級感を放っています。

 

レザーディテールモデルでは、肩章(エポーレット)と腕章が本革製です。通常のコットン製のものも付属します。

 

バーバリーコートの限定モデルは割高ですが、ハイクオリティなことに加えて、標準モデルよりも1ランクも2ランクもオシャレになりますので、標準モデルよりもコストパフォーマンスが高いかもしれません。

ドラゴ(ユニバーサルランゲージメジャーズにて仕立て)のチャコールグレーチェックスーツ。チェックが控えめなため、何でも合わせられます。

イタリア生地にしては光沢が少ないのでウールタイを合わせています。このウールタイ、フェアファクスが製造するドレイクスブランドのもので、ウールタイには珍しい明るめのブルーチェックです。

 

 

ドーメル アマデウス365(Re:museにて仕立て)のチャコールグレー×パープルチェックスーツ。パープルのチェックが入っているため、ネクタイはいつもパープル系を選んでいます。前回のビームスのパープルよりも少し彩度を上げていますのでネクタイ(東京シャツ)が主張するようになりました。

 

 

カノニコ(テーラー&カッターにて仕立て)のネイビーシャドーストライプスーツに暖色系チェックのネクタイ(クレストブリッジブラックレーベル)の組み合わせ。ダークネイビーだと合わせるネクタイの色は選びません。シャツはスーツよりもピッチの細かい無彩色のロンドンストライプなら良いスパイスになります。

 

 

ドーメル アマデウス(Re:museにて仕立て)のネイビースーツ。彩度が高いため、ネクタイは淡色に。無地のスーツならシャツ、ネクタイ共に柄が入れられます。

 

 

ハリソンズ(テーラー&カッターにて仕立て)のスーツ。
ブルーグレーの生地にブルーのウインドウペーン。ネクタイ(メーカーズシャツ鎌倉)はペーンに合わせた色としています。ネクタイが緩んでいるのはご容赦ください。
 
またまたドラゴ(ユニバーサルランゲージメジャーズにて仕立て)のチャコールグレーチェックスーツ。チェックが控えめなため、チェックonチェックが違和感ありません。ネクタイは赤みのかかったブラウン×ピンク(バーバリー)
 
他の方が投稿されているコーディネートのブログを見ると、私のコーディネートはかなり限定的な組み合わせのように思えます。その分絶対に外していない自信はあるのですが、もう少し手持ちのアイテムで試していない組み合わせを実践していきたいと思っています。

メーカーズシャツ鎌倉では300番手という繊細な糸で織った生地のシャツを販売しています。

300番手の生地自体は他社も扱っていますが、すごいのはその価格。

シルクかと思わせるほどの美しさと柔らかさを兼ね備えたこのシャツを12000円(税別)で提供しています。(他社なら軽く2万円以上するかと思います。)

 

そんな中、同社が前人未到の400番手のシャツを近々発売予定、との情報を得ました。

 

懇意にしている店員さんに400番手の糸を触らせてもらいました。ただただすごいの一言。

 

私:サンプル見られました?

店員さん:ええ、見て触りました。

私:どうでした?

店員さん:あれはコットンではないですね、シルクです

 

300番手でもシルクタッチ、と感じていたのにこれは想像がつきません。

しかし、大変繊細な糸なので低速織機でしか生地を織れないらしく、月産僅かな着数での販売だそうです。

 

かなり高価だろうと予想しましたが、何と18000円(税別)とのこと。利益なんて無いかも知れません。技術力を知らしめるための戦略的価格設定のような気がします。シャツとしては安くはないですが、手が届かない価格ではないです。きっと発売後すぐに売り切れてしまうでしょう。

 

ええ、1着予約しておきました。

ドーメル アマデウス(musestylelabにて仕立て)のチェックスーツに同系色のレジメンタルネクタイ(東京シャツ)を合わせたもの。ネクタイにわずかに入ったパープルのストライプがアクセントになります。

 

 

カノニコ(ユニバーサルランゲージメジャーズにて仕立て)のネイビー無地スーツにネイビーの小紋柄ネクタイ(テイジンメンズショップ)を合わせたもの。言うまでもなくどこにでも行ける組み合わせ。

 

 

カノニコ(テーラー&カッターにて仕立て)のネイビーシャドーストライプスーツにブルーの無地ネクタイ(メーカーズシャツ鎌倉)。無地はこういう使い方でこそ活きます。

 

 

ドラゴ(ユニバーサルランゲージメジャーズにて仕立て)のチャコールグレーチェックスーツ。チェックが控えめなため、何でも合わせられます。手持ちでは数少ないグレースーツ。暖色系のネクタイ(クレストブリッジブラックレーベル)を積極的に合わせています。

 

 

ドーメル アマデウス365(musestylelabにて仕立て)のチャコールグレー×パープルチェックスーツ。パープルのチェックが入っているため、ネクタイ(ビームス)はパープル系を選んでいます。このネクタイ、実物はずっと落ち着いた色で、小紋柄でも彩度を落とせばチェックとも相性が良いのだ、と分かります。

 

 

ロロピアーナ(ユニバーサルランゲージメジャーズにて仕立て)のミドルグレー×ブルーのチェックスーツ。ターコイズ寄りのブルーのチェックに合わせて同じくターコイズ寄りのブルーの無地ネクタイ(フェアファクス)。柄が主張するスーツでもネクタイ、シャツ共に無地を選べば嫌味がありません。

ピークドラペル、9.0cm幅。ユニバーサルランゲージメジャーズの通常は9.5cmですので、0.5cm細くしたことになります。

 

 

胴裏と袖裏は共取り。

 

 

チェンジポケット付きスラントポケット。袖ボタンは5つの重ね。

 

 

人生初のペイズリー柄。色味が合う裏地がこれだけだったことがきっかけでした。チェック柄とペイズリー柄、意外と五月蠅くありません。

 

本台場とチケットポケット、汗止め。実用性と高級感が漂います。

 

 

既製服向け焦げ茶のタグ。オーダーなのでグリーンタグであればより良かったのですが。裏地はキュプラ+コットン。キュプラはコットンを原料としているので変な言い方ですが。

通常のコットンを配合することでキュプラ100%に比べて滑り性能と光沢感が劣り、強度が増す、といったところでしょうか。

 

 

ベストも裏地は同一。

 

ベストの背中は目に付きやすいためグレーのキュプラ100%です。

 

ユニバーサルランゲージメジャーズは裏地の選択肢が限られることが欠点の一つですが、うまく合うものを選べれば下手なオーダースーツは太刀打ちできないくらいのクオリティーを備えています。

 

実例紹介第24弾です。

ユニバーサルランゲージメジャーズの第3弾でもあります。

 
ロロピアーナのフォーシーズンズ Super130'sです。
焦げ茶のタグですので、元々は既製服用生地ですが、しっかりとロロピアーナらしい光沢と柔らかさを持ち合わせています。
ちなみに、ロロピアーナのフォーシーズンズと言えば、私が同社の素晴らしさを知るきっかけとなった生地で、当時はSuper120'sでした。
 
色味は、ミディアムグレーとチャコールグレーの間くらいです。ターコイズに近いブルーのチェックの影響で若干淡く見えます。
 
今回は前回と全く同じサイジング。胴裏と袖裏の共取りができるようになったことを除けば、仕様も全く同じです。
 
写真で見るよりもチェック柄は目立たず、さりげなくオシャレを演出する絶妙な配色は、さすがロロピアーナ、と言えるでしょう。
 
詳細は次のページで。

少し派手になるかもしれない生地を選ぶとき、気に入った生地があっても即決せずに落ち着いて自宅で再検討することが吉となることが多いです。(即決しない場合、生地の取り置きはお願いしておきましょう。)

 

再検討のためには写真の撮影が有効ですが、ポイントは以下の3つ。

 

①候補となる裏地やボタンを当てて撮影する。

生地だけを見るよりはイメージが膨らみます。

 

 

サイズの分かりやすいものを添える。

チェックやストライプの場合、写真ではその柄の大きさが分かりにくくなるためです。

 

 

③手持ちのスーツで近い色柄のものを持参、もしくは着用していく。

ほとんど同じ色味だと感じていても、実際に比較するとその差は意外とあった、ということがあります。

 

これらを実践することで、今のところ失敗はありません。

とは言え、やはり仕立て上がりを100%イメージするのは無理なもの。

チャレンジングな生地で仕立てた時は、いつも楽しみ半分、不安半分です。