『犯罪者』文庫版のカバー・デザインです。
もうあちこちのサイトに出ているので、お見かけになった方もいらっしゃるかもしれませんが、上下巻合わせて並べると、こんな感じになります。(ちょっと隙間が空いていますが…)
装丁は、坂詰佳苗さんが手がけてくださいました。
書店に置かれるのは今月25日です。
文庫化にあたって、物語はまったく変わっていませんが、読みやすくなるよう文章に細かく手を入れていきました。何年か前に自分の書いた文章を直していく作業は、当時の自分自身の勢いと動機を削がないよう注意を払う難しさもありながら、一方で、懐かしい登場人物との再会をはじめとして様々な楽しさもあるものでした。
本作は鑓水・相馬・修司のクライム・サスペンスシリーズの第1弾で、2月には第3弾にあたる『天上の葦』が刊行されます。『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』とそれぞれに独立した物語ですが、新作『天上の葦』では、第1作の登場人物が意外なかたちで再登場します。もちろん『天上の葦』から読み始めてくださっても、物語を読んでいく上で何の支障もございませんが、もし『犯罪者』を読まれた後に『天上の葦』を読んでいただければ、いっそう楽しんでいただけるのではないかと思います。よろしければ、ぜひご一読ください。