THE DIVER | 脚本家/小説家・太田愛のブログ

野田秀樹さん作・演出のお芝居『THE DIVER』を観に行く。現代能楽集と銘打たれた世田谷パブリックシアターとロンドンのソーホーシアターの共同企画で、古典の能を題材にして書き下ろされた脚本を、野田さんと三人の英国人俳優が演じるというもの。

題材となった能楽は、自分の命と引きかえに我が子を守る母を描いた『海人』と、光源氏をめぐる女性の嫉妬を描いた『葵上』。その二つに源氏物語の「夕顔」のエピソードが加わり、さらに現代の事件が絡んでいく複雑で重層的な構造だ。

昨年『THE BEE』でも共演していたキャサリン・ハンターが何人もの人格を絶妙に演じわけ、棒や椅子などシンプルな小道具だけで舞台の時空を変幻自在に見せる野田さんの演出もいつも以上に冴え冴えとしていた。舞台上で演奏される能の囃子方の笛、太鼓もあいまって、緊張感あふれる濃い70分間のお芝居だった。

The diver

帰りの電車に揺られながら興味津々でパンフレットを読んでいると、いきなりお腹が鳴る。移動がぎりぎりで夕食を食べそびれていたのをはたと思い出し、駅前でりんごとハムを買って帰宅。ゆで卵やキウリやブロッコリーを加えてブラックペッパーのきいたマカロニサラダを作る。これにトマトスープとクラッカーをそえて晩御飯。お風呂にはいって真夜中過ぎにお仕事再開。