政治とメタルと網膜剥離 -66ページ目

震災対応中に急死した七ヶ浜町職員

4月2日の日本経済新聞電子版に、以下の記事があった。


「宮城県の町職員、定年直前に倒れる 命かけ支援に奔走」


3月末で定年を迎える予定だった宮城県七ヶ浜町税務課長の佐藤栄一郎氏が、震災対応中に吐血し、亡くなったという記事である。この記事は途中で終わってしまっているため、以降の部分をご紹介したい。


「町職員は不眠不休で働いていた。栄一郎さんも泊り込み、連日深夜まで避難した被災者の炊き出しの手伝いや、支援に駆け回る部下の世話を続けた。部下の一人は「帰ってくださいと頼んでも、おれだけ帰るわけにはいかないと断られた」と話す」


「集中治療室に入っても、最後まで職場を気にしてたといい、枕元の久美子さん(夫人)に「心配ないから早く仕事に戻ってくれ」とつぶやいた。「役場の人は来ていませんよ」と久美子さんが返すと、「そうか」と安心したように漏らした。それが最後の会話になった。」


地震がなければ平穏な人生を送れたはずのこうした人々が、危機に際して文字通り死力を尽くして働き、斃れている。日本が日本たりえるのは、このような無名の一人ひとりの地道な努力によるものである。いかなる愛国の言葉よりも、佐藤氏の死の意味は、重い。


しかし、もうこれ以上被災地の犠牲を増やしてはならない。役場職員も被災者なのである。今週以降、全国の自治体から1万人以上が被災地の自治体に派遣されるという。事情に通じない職員の派遣とはいえ、極限状態にある自治体にとっては貴重な人手である。どうか、全国で支える体制を作ってほしい。