復興実施本部と復興対策本部
亀井静香が復興実施本部の発足に向けて動いているが、味方であるべき閣僚や民主党からも援護がなく、不発に終わりそうな気配である。
「首相の名代」名乗り亀井氏奔走、与野党とも冷ややか(朝日新聞)
亀井静香よ、もうよいのではないか、と思ってしまった。これ以上現政権内での復興体制を考えてやっても、「頭」となる連中が無能すぎる。倒閣による混乱を避けたいのはやまやまだが、今の菅政権、民主党執行部の政治手法は余りに稚拙である。特に組織の乱立は、所詮大組織を動かしたことのない学芸会政権らしい失敗である。
「福島復興会議」を設置=原発周辺は別枠-震災担当相を検討・基本法素案(時事ドットコム)
結局このままでは、以下の3つの組織が同時に動くことになる。
①基本構想を「復興対策本部」へ提言するという有識者主体の「復興構想会議」
②全閣僚が参加し、首相が本部長、官房長官と復興担当相(任命された場合)が副本部長を務める「復興対策本部」。復興構想会議の提言を受けた上で、復興の全権を持つという。
③全政党の代表が入り、首相が本部長、亀井が副本部長を務める「復興実施本部」。この組織も復興構想会議の提言を受けた実施機関として考えられていた。
これ以外にも福島原発対応のための会議も作るという。
もし復興「実施」本部を作り、本気で野党(特に自民党)に参加させ、挙国体制を作ろうというのであれば、復興「対策」本部は作るべきではなかった。この「対策」本部を設置するという方針が、自民党谷垣総裁が「実施」本部に参加しない理由に使われてしまっている。復興構想会議も、権限のない素人連中が好き勝手言った結果に、決断すべき政治家の手足が縛られる、という点で有害な組織になりかねないと私は懸念している。
谷垣総裁の懸念はもっともである。「対策」本部が全権を掌握する中で「実施」本部は何をするのか?結局「対策」本部の提言について説明を受けるだけの場になるのではないか。それであれば現政権の説明責任のアリバイ作りに使われるだけで、政策の修正余地もほとんどなく、参加のメリットは全くない。
逆に「実施」本部が機能すれば、それは「対策」本部に対するつるし上げ機関になるのではないか。政権側に譲歩する度量ががあればよいが、ない場合は泥沼の抗争となる危険性がある。本来この両本部は統合した上で亀井に事実上の全権を持たせるべきである。
以下の記事では、野党(多分自民党)から、亀井が復興の実験を握ろうとしていると警戒されていると書かれている。
何たるさもしい考えか!そもそも政治家の力量的に、今の自民党にも民主党にも亀井に比肩する者などいない。奴らにできるのは、この記事のように亀井に嫉妬して女々しく陰口をたたく程度のことである。
亀井が権力欲の塊であれば、わざわざ自民党を離党してまで国民新党など作りやしない。中曽根の息子のように一旦は郵政法案に反対しても、その後器用に立ち回れば、また自民党内で閣僚の目もあったのである(親子二代の風見鶏と言われたが・・・)。国民新党の立ち上げ自体、前代表の綿貫民輔も元幹事長の亀井久興救済のためと言っている。
多分、亀井は全て承知で動いているのだろう。例え組織が乱立しても、復興実施本部に野党や民主党の反菅派を巻き込めれば、予算・法案成立について生殺与奪の権を握ることも可能である。そうなれば現政権の誤りの修正も可能であり、実質的に権限を奪うことも可能かもしれない。ただ、それは倒閣に比べると政治的に難易度がかなり高いと思う。更なる混乱や現政権のだらだらとした継続とならぬよう、亀井の獅子奮迅の働き、ご健闘を祈りたい。