こんにちは。
イタリアの泡といえば、プロセッコ(prosecco)
スペインの泡といえば、カヴァ(cava)
どちらもスパークリングワインという点で共通していますね。
しかし、味はとても異なるし、合う食べ物も異なります・・・なので、今日は、イタリア対スペイン、と題しまして泡対決の現地調査レポートです。
まず、UKで見かける泡、どちらが多いでしょう?
スーパーやワインショップに行って見かけるのはどちらの泡?
こちらは、ウェイトローズという高品質を売りにする大手スーパーですが、そのオンラインショップを見かけると・・・・
プロセッコは13個、カヴァは9個の取り扱い。プロセッコのほうが多いですね。
オンライン取り扱いがすべて店頭にあるわけではないので、
実際に店頭に行ってみてみると、やはりプロセッコが多い印象です。カヴァは棚の下のほうに、目立たないようひっそりおいてありました笑
大手スーパーAldiも見てみると・・・・やはりイタリアの泡が5個、スペインは1個と、プロセッコの圧倒的なシェアです。
ついでに、大手チェーン ワインショップのマジェスティックワインもみると、やはりプロセッコが22個、カヴァは7個と圧倒的な差。
では、なぜプロセッコがそんなに人気なんでしょうか?これは昔からそうなのでしょうか?
まずは昔からのトレンドかどうか、という点について。
年配の方、50代くらいの方に聞くと、どうも昔はカヴァのほうが流行っていたらしいです。逆にプロセッコはほとんど見なかったとか。
ところが、ある時を境に、プロセッコがシェアを増したとか・・・・・
ドリンク・ビジネスという媒体のマーケット調査によると、UKは最大のマーケットで、プロセッコの30%はイギリスで消費されている模様です。(ちなみに2位はイタリア、そしてアメリカ・・・・)
では、なぜプロセッコばかりUKで売られているのでしょうか。
これは理由が明らかではないと思いますので、私なりの考察です。
まず、気軽に飲めるEasy Drinkが欲しがられていたと思われます!
すっきりと気軽に飲める飲み物。
プロセッコは、グレープフルーツのニュアンスなど、すっきり飲めますね。これは、フィッシュアンドチップスなどパブフードにも合う!
フットボールの試合に行く前に一杯、なんて気軽にも使える。
ガーデンパーティで、天気の良い日に、すっきりと飲める、社交的な飲み物。
こんな使い方が、プロセッコはぴったりだったのですね。
次に、安い飲み物が欲しがられていました。
安いというのは重要で、イギリスではとにかく飲む機会が多い。パブ、フットボール、社交、とにかくなんでもどこでも、飲む!
シャンパーニュは人気ですが、やはりこれは特別な機会に取っておかれるもの。ですから、日常的に飲める、安い飲み物の需要があったのです。プロセッコは、ビールよりは高いけど、でもシャンパーニュより全然安い、という隙間を埋めるのにちょうどよかったのです。
そして、女性受けする飲み物が必要だった。
イギリスでは、今年は、エリザベス女王の即位70年記念でして、これはイギリスの歴史においても初めてのことだそうです・・・。70年ですから、即位したのは20代という若さ。第2次世界大戦が終わり、すぐ即位したそうでございます。
エリザベス女王の時代には、英国は数々の試練を乗り越えてきました・・・・戦後からの復興、人種差別、オイルショック、などなど。
特に、女性のEqualityは、エリザベス女王の時代でも大きなことだったとか。洗濯機と冷蔵庫の登場から始まり、スパイスガールの登場。バーにはダンスフロアができて、そこが人々との交流の場になり・・・やはり男性だけの場ではなくなったから、ビールではなくプロセッコのような、お洒落で気軽に飲めるドリンクが欲しがられたのでしょうか。最初はカヴァから始まり、そしてだんだん時代が経つに経て、より軽く、より気軽に飲めるプロセッコになってきたのかもしれません。
ちなみに、私が聞いた年配の方々は、カヴァはちょっとダサくて、プロセッコを飲むのがクールだぜって言ってました。
たしかに、カヴァは、やはりイギリスの精神、「とりあえず飲む」的な感じにはちょっと合わないのかな・・・。
パブフードを見てみると、フィッシュアンドチップス、クリスプ(ポテトチップス)など、カヴァの特徴である、コクがある味には少し合いにくい物が多いですね。
ちなみに、今では、ロゼのプロセッコがトレンドになってきています。
これも、より気軽に、よりお洒落に、というトレンドの延長なのでしょうね。
ちなみに、フランスでは、プロセッコとカヴァの消費量は圧倒的に少なかったりします。まぁ、アルザスやロワールなど、フランスにはシャンパーニュ以外の泡もたくさんありますしね。
そして、イギリスではイングリッシュスパークリングが台頭してきています。
しかし、これは、プロセッコに代わるものではなく、あくまでもプレミア路線、すなわちシャンパーニュとの闘いなのです・・・・これについてはまた次回の記事で。
それでは!