日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -78ページ目

わかってないな。これは映画なんだよね

バチカン紙が大ヒット中の「アバター」を酷評
ジェームズ・キャメロン監督のSF超大作「アバター」が世界中で大ヒットを続けるなか、バチカン市国のロセ..........≪続きを読む≫




映画でしか、表現できないものがある。



キャメロン監督は、それを知っている。





タイタニックもそうであったように、キャメロン監督の映画は、劇中への没入感が深い。


それは観るものに、あたかも豪華客船に乗船したような感覚を与えた。



アバターは、さらにそれが深い。



見たこともないような、異境の惑星に、観客は立つことになる。



小説などでは、こうはいかない。



見たことも聴いたこともないものを、饒舌に文章で語るのは、酷く困難だし、


読み手によって、理解できない場合もある。


その点、映画ならば、観れば一瞬にして情景を理解できる。






ストーリー?



物語を語るだけなら、小説で十分だろう。



映画は、物語を越えたところに、今やあるのだ。



もっとも、



ストーリーもしっかりしているのだが。



なんで、酷評するのかな?



タイタニックのときもさまざまなメディアから、クソ味噌に酷評されたが、多くの人は耳を貸さなかった。


逆に、多くの人々が劇場に足を運んだ。


批評家たちは、エンターテイメント性の高い、大作映画が嫌いなのだろう。


彼らはいつも、あくびをしたくなるような、つまらない映画を絶賛するのだからね。



エンターテイメント性が高ければ、芸術性が低い。




批評家たちは、そう思ってないか?



アバターを観れば、その芸術性の高さも、実感できるはずなのだが。




毎度のことだね。



話題の映画に対しての、酷評、非難の類は。


映画好きならば、観るべきだよ、この映画は。



そして、ガンダム世代や、ファンタジーモノが好きな人にも、観てほしい。



ガンダムや甲殻機動隊などのSFが好きな男と、


ロードオブリングなどのファンタジー映画が好きな女。


そんな二人が、仲良く観に行ける映画です、アバターは。




死ぬときに思うこと

生きることを。


常に、


生きることを。


  レイモンド・カーヴァー





人の一生って、何なのだろうか。


そんなことを考えても意味なんてないのかもしれない。




ただ言える事は、死ぬ寸前に何を思ったか。




それが、その人間の生き様を象徴するように思える。



「最後まで、ひでえ人生だったな」



そんな悔悟のつぶやきとともに、息を引き取る人もいるだろうし、



「まあ、楽しかったよ、俺の人生は」


などと嘯く人もいるだろう。




今が最悪でも、


最後の一日だけでも、


幸せな一日ならば、生きる価値もあるのではないか。


逆を言うと、


死ぬまでこんな状況ならば、今すぐ死ぬべきだ。





俺は、



希望も何もないのに、


仮想の希望を作り出し、


生きることの理由付けをしているに過ぎない。





とにかく、最悪だ。




疲れ果てた。





10.1.8~疲労と徒労と、終焉と

世の中には、頭で考えてあれこれ悩む前に、

たったひとつ行動を起こすだけで、それまでの迷いや

不安がすべてクリアになる事もある。

ロバートハリス





バイトの帰り道、携帯が鳴った。

~◯万円おろしてきてね。銀行から何度も電話きてるから。

娘の母親からのメールだった。

今日はバイトの給料日で、振込日には必ず、嫌みと共に金を持ってこいとのメールを、送りつけて来るのだった。

ご苦労様の一言も、なかった。

あたりまえだ。

あいつは俺を、殺そうとしているのだから。


帰り道、金をおろした。

二千円ほど余ったが、また何かを支払えと言うに違いなかった。

俺は二千円を、財布に入れた。


帰宅すると、食い物を探した。

卵があったので、それを二つ焼いて喰った。

それでも昨晩よりマシだった。

昨夜は卵すらなく、飯にマヨネーズを振りかけて喰ったのだ。


飯を食い終えると、仕事に行く時間で、息つく暇も無かった。

娘の母親の顔など、観たくは無かったので、

俺は居間の扉を開け、金を置いた。


娘の母親は、金に一瞥をくれると、一枚の請求書を俺に投げつけた。

「これ、払って来てくれる!」

請求書の額を見て、俺はこう返した。

「先月は風邪をひいたり、いろいろあって何回かバイトを休んだから、これを払う金は残っていない」

「じゃあどうするわけ!お金ないのよ!誰が払ってくれるのよ!」

以前に一度、バイトの給与明細を、娘の母親に見せた事があった。

その後、口座からおろした額と、支払いに当てる金で、全てが無くなった。

きっちりと計算し、俺の手元に金が残らないようにしているようだった。

先月、俺の手元に残った金は二百円。

今月も、俺が休まずに働いていたら、二百円残った筈だ。


俺は家を出た。

気分が悪かった。

金が無い金が無いと、俺と顔を合わせるたびに、なじられた。

しかし、俺に打つ手は何も無かった。

三時間眠るだけで、後はバイトと仕事なのだ。

これ以上バイトを増やせるわけも無かった。

たまの休みに読書やpcをしていると、俺の行動は、娘の母親の親兄弟や友人全てが、閉口しているのだと、またなじられた。

俺はどうしたらいいのだ?

やはり、この家を出るべきだ。

殺されてしまう前に。


車の中だけが、安息な空間だった。

自室に居ても娘の母親は、ノックもなしに入って来て、好きなだけ俺を愚弄し、また居間に戻る。

部屋に居ても、落ち着けない。

仕事とバイトの往復。

それだけが、誰にも冒される事のない自分だけの空間であり、時間だった。



家を出て数分後、またしても、メールが来た。

~払えないってじゃあどうしたらいいの?
誰がどうするっていうの?
あなたはいつもなんでもほったらかしじゃない。
電気代も無いし、◯◯(娘の名前)の月謝も借金で払ってるのよ。


俺は。

もう。

駄目だな。

心底疲れた。

最後の手段が、頭を掠める。


終わりにしたかった。

全てを。