病院から
今日は通院日だった。
採血を終え、ロビーで順番を待っていた。
TVには、ちょっと面白い番組が流れていた。
イタリア。
ベローナ。
その街に、世界中から恋の悩みを託した手紙が届く。
ジュリエットに宛てて。
届いた手紙に、街のボランティアがジュリエットの秘書として、返事を書く。
とてもあたたかい話だった。
恋の悩みも様々だった。
人種。
政治。
宗教。
家柄。
容易に克服できそうもない問題の数々。
人は愛なしでは生きられない。
これは真実だと思う。
ボランティアが、無償で返事を書く。
その行為は紛れもなく、愛に違いない。
見返りを求めた時点で、愛は消え去り、つまらない契約へと変わる。
結婚は契約か?
俺はそこで、考えるのをやめた。
雨は止んだだろうか?
俺は診察後、何をしようかと、ボンヤリとした頭で考え始めた。
採血を終え、ロビーで順番を待っていた。
TVには、ちょっと面白い番組が流れていた。
イタリア。
ベローナ。
その街に、世界中から恋の悩みを託した手紙が届く。
ジュリエットに宛てて。
届いた手紙に、街のボランティアがジュリエットの秘書として、返事を書く。
とてもあたたかい話だった。
恋の悩みも様々だった。
人種。
政治。
宗教。
家柄。
容易に克服できそうもない問題の数々。
人は愛なしでは生きられない。
これは真実だと思う。
ボランティアが、無償で返事を書く。
その行為は紛れもなく、愛に違いない。
見返りを求めた時点で、愛は消え去り、つまらない契約へと変わる。
結婚は契約か?
俺はそこで、考えるのをやめた。
雨は止んだだろうか?
俺は診察後、何をしようかと、ボンヤリとした頭で考え始めた。
本の不思議
俺は倦怠とともに、目を醒ました。
部屋の中はまるで豚箱で、数日前から片付けを始めたのだが、
その様相に変化は無かった。
外は晴れている。
北側のその部屋にも、光は弱々しく進入し、
俺の周りを青白く照らした。
刹那、絶望が腹の底から湧き出し、俺を蝕もうとする。
俺は呻き、眼をつぶり首を振った。
眼を開けると、ゴミの山のような部屋の隅に、一冊の本が転がっていた。
俺はそれを手に取り、無造作に開いた。
そこには、こう書かれてあった。
朝、目醒めたならば、今日一日、誰か一人でもかまわないので、
他人や知人を喜ばす事を考えるべきだ、と。
俺は本を閉じ家を出た。
その日、俺は数人を笑わせ、笑顔にした。
その時だけ、嫌な事を忘れる事ができたのだった。
本とは不思議なものだ。
ふと目にしたセンテンスが、驚くほどその時々の状況を言い当て、
問題解決の糸口になったりする。
あなたも、書店などに足を運んだ際、騙されたとおもって、一度試して欲しい。
きっと驚く事になる、と思うから。
部屋の中はまるで豚箱で、数日前から片付けを始めたのだが、
その様相に変化は無かった。
外は晴れている。
北側のその部屋にも、光は弱々しく進入し、
俺の周りを青白く照らした。
刹那、絶望が腹の底から湧き出し、俺を蝕もうとする。
俺は呻き、眼をつぶり首を振った。
眼を開けると、ゴミの山のような部屋の隅に、一冊の本が転がっていた。
俺はそれを手に取り、無造作に開いた。
そこには、こう書かれてあった。
朝、目醒めたならば、今日一日、誰か一人でもかまわないので、
他人や知人を喜ばす事を考えるべきだ、と。
俺は本を閉じ家を出た。
その日、俺は数人を笑わせ、笑顔にした。
その時だけ、嫌な事を忘れる事ができたのだった。
本とは不思議なものだ。
ふと目にしたセンテンスが、驚くほどその時々の状況を言い当て、
問題解決の糸口になったりする。
あなたも、書店などに足を運んだ際、騙されたとおもって、一度試して欲しい。
きっと驚く事になる、と思うから。

