本の不思議
俺は倦怠とともに、目を醒ました。
部屋の中はまるで豚箱で、数日前から片付けを始めたのだが、
その様相に変化は無かった。
外は晴れている。
北側のその部屋にも、光は弱々しく進入し、
俺の周りを青白く照らした。
刹那、絶望が腹の底から湧き出し、俺を蝕もうとする。
俺は呻き、眼をつぶり首を振った。
眼を開けると、ゴミの山のような部屋の隅に、一冊の本が転がっていた。
俺はそれを手に取り、無造作に開いた。
そこには、こう書かれてあった。
朝、目醒めたならば、今日一日、誰か一人でもかまわないので、
他人や知人を喜ばす事を考えるべきだ、と。
俺は本を閉じ家を出た。
その日、俺は数人を笑わせ、笑顔にした。
その時だけ、嫌な事を忘れる事ができたのだった。
本とは不思議なものだ。
ふと目にしたセンテンスが、驚くほどその時々の状況を言い当て、
問題解決の糸口になったりする。
あなたも、書店などに足を運んだ際、騙されたとおもって、一度試して欲しい。
きっと驚く事になる、と思うから。
部屋の中はまるで豚箱で、数日前から片付けを始めたのだが、
その様相に変化は無かった。
外は晴れている。
北側のその部屋にも、光は弱々しく進入し、
俺の周りを青白く照らした。
刹那、絶望が腹の底から湧き出し、俺を蝕もうとする。
俺は呻き、眼をつぶり首を振った。
眼を開けると、ゴミの山のような部屋の隅に、一冊の本が転がっていた。
俺はそれを手に取り、無造作に開いた。
そこには、こう書かれてあった。
朝、目醒めたならば、今日一日、誰か一人でもかまわないので、
他人や知人を喜ばす事を考えるべきだ、と。
俺は本を閉じ家を出た。
その日、俺は数人を笑わせ、笑顔にした。
その時だけ、嫌な事を忘れる事ができたのだった。
本とは不思議なものだ。
ふと目にしたセンテンスが、驚くほどその時々の状況を言い当て、
問題解決の糸口になったりする。
あなたも、書店などに足を運んだ際、騙されたとおもって、一度試して欲しい。
きっと驚く事になる、と思うから。
