安楽死
猫を病院に入院させてから何日目になるのだろうか。
今朝、携帯に連絡があった。
病院で猫が、死んだ。
ある日、病院へつれて行こうと猫を抱き上げようとした瞬間、
酷いけいれんがおこった。
そのあと、猫は病院で一時的に昏倒状態となった。
多分その前日だったと思う。
獣医師に、安楽死の選択肢も考慮するようにと言われていた。
親子で動物病院を運営しているのだろう。
白髪の医師と、その息子と思われる若い医師がいつも二人で、
私の愛猫を診てくれていた。
若い医師は安楽死を勧めたが、初老の医師は治療続行を提案していた。
昏倒状態になって以降は、常時点滴が必要で入院させたのだった。
一度、2時間だけ家に連れ帰った。
うつろな視線で、こちらがわかっているのかどうか。
私の声が聞こえているのかどうか。
毎日、仕事へ行く前か、帰りに猫の様子を診に行く。
初老の医師は、ある検査数値がよくなっているので、
微かな可能性はあるはずだといい、若い医師はほぼ横ばいか、若干悪くなっていると言った。
私は仕事中も猫の事が頭からはなれなかった。
家で死なせるべきなのだろうか。
それとも、病院でぎりぎりまで治療を続けるべきか。
それとも、
安楽死、か。
昨日、最後に猫に会ったとき、
寝たきりの状態で点滴に繋がれ、力なく胸を上下させているばかりで、
視点も定まらず、私は猫の視線の方へに回り込み、
声をかけながら撫で続けた。
仮に命がエネルギーで、
分け与える事が出来るなら、
猫に分け与えてやりたかった。
猫の名を呼びながら私は手当てをし、
少しでも猫が楽になる事を願った。
手を当てると、ぴくりと反応する。
医師が、それは臓器不全から来る過剰反応だといった。
猫の顔がゆがみ、
口をぱくぱくとさせ、苦しそうにもがく。
長く尾を引くような、
普段聞いた事もないような鳴き声で、鳴いた。
結局、
私は猫に何もしてあげれられなかった。
今朝、携帯に連絡があった。
病院で猫が、死んだ。
ある日、病院へつれて行こうと猫を抱き上げようとした瞬間、
酷いけいれんがおこった。
そのあと、猫は病院で一時的に昏倒状態となった。
多分その前日だったと思う。
獣医師に、安楽死の選択肢も考慮するようにと言われていた。
親子で動物病院を運営しているのだろう。
白髪の医師と、その息子と思われる若い医師がいつも二人で、
私の愛猫を診てくれていた。
若い医師は安楽死を勧めたが、初老の医師は治療続行を提案していた。
昏倒状態になって以降は、常時点滴が必要で入院させたのだった。
一度、2時間だけ家に連れ帰った。
うつろな視線で、こちらがわかっているのかどうか。
私の声が聞こえているのかどうか。
毎日、仕事へ行く前か、帰りに猫の様子を診に行く。
初老の医師は、ある検査数値がよくなっているので、
微かな可能性はあるはずだといい、若い医師はほぼ横ばいか、若干悪くなっていると言った。
私は仕事中も猫の事が頭からはなれなかった。
家で死なせるべきなのだろうか。
それとも、病院でぎりぎりまで治療を続けるべきか。
それとも、
安楽死、か。
昨日、最後に猫に会ったとき、
寝たきりの状態で点滴に繋がれ、力なく胸を上下させているばかりで、
視点も定まらず、私は猫の視線の方へに回り込み、
声をかけながら撫で続けた。
仮に命がエネルギーで、
分け与える事が出来るなら、
猫に分け与えてやりたかった。
猫の名を呼びながら私は手当てをし、
少しでも猫が楽になる事を願った。
手を当てると、ぴくりと反応する。
医師が、それは臓器不全から来る過剰反応だといった。
猫の顔がゆがみ、
口をぱくぱくとさせ、苦しそうにもがく。
長く尾を引くような、
普段聞いた事もないような鳴き声で、鳴いた。
結局、
私は猫に何もしてあげれられなかった。
愛猫の病
愛猫。
口からよだれを垂れ流し、
嫌な鳴き声を上げていた。
えさも減っていない。
その日、俺はそのまま仕事に出かけたが、一日中猫が心配でならなかった。
帰宅し猫の様子を窺うと、朝、家を出たときと同じようによだれを垂れ流し、
嫌な声で鳴いていた。
元気もなくぼろぼろになってうずくまっているだけだ。
次の日。
猫を獣医のもとへ連れて行った。
かかりつけの獣医が休診で、携帯で他の獣医を検索した。
どうしても、今日中に診てもらいたかった。
「さて、どうしたものか」
獣医が言った。
様々な可能性があって、原因が特定出来ないという。
一瞬、かかりつけ医へ見せればよかったという思いが頭をよぎった。
しかし、この獣医師はヤブではなかった。
尿を採ったときに、ほぼ原因を特定した。
採取した尿をプレパラートへ、
顕微鏡にセットし、レンズを覗くように勧められた。
血漿や細胞の一部か見えた。
ペットフードのパンフレットのような物を見せられた。
そこには顕微鏡写真があり、それとレンズの中の物を見比べる。
疑われる病気の説明と、それにともなって弱っている臓器について。
獣医師は自らも猫を飼っていて、長年のあいだ推奨するえさを与え続けていて、
そのため病気もないと言っていた。
獣医に対する印象はちょっとした事から変わる。
獣医がペットを飼っていなかったら、それは信頼に値しないだろう。
猫の病気の原因はえさ以外に考えられなかった。
離婚後、猫のえさは当然俺が買っているのだが、
いつからか安物のえさに変えてしまった。
(ここ2、3ヶ月はディスカウントショップのしょぼいえさを食わせていた)
獣医師の説明を聞いて、いかにえさが大事かという事を、
俺は理解したのだった。
もう、安物のえさなど与えない。
俺は思い知ったのだった。
俺の愛しい猫ちゃんよ。すまなかった。
動物病院の帰り。
俺はえさの新しい容器と、猫用のベットを買った。
帰宅し、
医師からもらったえさを、洗った容器に開けた。
猫は力なく部屋の隅に歩いて行くと、
隠れるように丸くなった。
俺は猫の名を呼んだ。
猫は何の反応もしめさず、動かなくなった。
口からよだれを垂れ流し、
嫌な鳴き声を上げていた。
えさも減っていない。
その日、俺はそのまま仕事に出かけたが、一日中猫が心配でならなかった。
帰宅し猫の様子を窺うと、朝、家を出たときと同じようによだれを垂れ流し、
嫌な声で鳴いていた。
元気もなくぼろぼろになってうずくまっているだけだ。
次の日。
猫を獣医のもとへ連れて行った。
かかりつけの獣医が休診で、携帯で他の獣医を検索した。
どうしても、今日中に診てもらいたかった。
「さて、どうしたものか」
獣医が言った。
様々な可能性があって、原因が特定出来ないという。
一瞬、かかりつけ医へ見せればよかったという思いが頭をよぎった。
しかし、この獣医師はヤブではなかった。
尿を採ったときに、ほぼ原因を特定した。
採取した尿をプレパラートへ、
顕微鏡にセットし、レンズを覗くように勧められた。
血漿や細胞の一部か見えた。
ペットフードのパンフレットのような物を見せられた。
そこには顕微鏡写真があり、それとレンズの中の物を見比べる。
疑われる病気の説明と、それにともなって弱っている臓器について。
獣医師は自らも猫を飼っていて、長年のあいだ推奨するえさを与え続けていて、
そのため病気もないと言っていた。
獣医に対する印象はちょっとした事から変わる。
獣医がペットを飼っていなかったら、それは信頼に値しないだろう。
猫の病気の原因はえさ以外に考えられなかった。
離婚後、猫のえさは当然俺が買っているのだが、
いつからか安物のえさに変えてしまった。
(ここ2、3ヶ月はディスカウントショップのしょぼいえさを食わせていた)
獣医師の説明を聞いて、いかにえさが大事かという事を、
俺は理解したのだった。
もう、安物のえさなど与えない。
俺は思い知ったのだった。
俺の愛しい猫ちゃんよ。すまなかった。
動物病院の帰り。
俺はえさの新しい容器と、猫用のベットを買った。
帰宅し、
医師からもらったえさを、洗った容器に開けた。
猫は力なく部屋の隅に歩いて行くと、
隠れるように丸くなった。
俺は猫の名を呼んだ。
猫は何の反応もしめさず、動かなくなった。
99円
震災で職場もダメージを受け、
自宅で待機するように指示を受けていた。
家にいても、何もする事が無かった。
昨日はレンタル屋へ行って、DVDを借りた。
見たい映画など無く、無理矢理選んだ。
「ゲーム」
「Vフォーベンテッタ」
一本99円。
それも、一週間で。
外へ出てみると、飲食店が営業を始めていた。
水道が復旧したためだろう。
見たい映画がレンタル屋に無かったので、
Amazonで購入しようと思ったが、
何故か該当住所には配送出来ないと弾かれてしまう。
これも、震災の影響なのか?
行きたいところがあった。
しかし、
ガソリンが手に入らない。
二日前。
2時間近く並んでガソリンを入れなければならなかった。
今朝夢をみた。
夢の中で、俺は………。
なんてこった。
自宅で待機するように指示を受けていた。
家にいても、何もする事が無かった。
昨日はレンタル屋へ行って、DVDを借りた。
見たい映画など無く、無理矢理選んだ。
「ゲーム」
「Vフォーベンテッタ」
一本99円。
それも、一週間で。
外へ出てみると、飲食店が営業を始めていた。
水道が復旧したためだろう。
見たい映画がレンタル屋に無かったので、
Amazonで購入しようと思ったが、
何故か該当住所には配送出来ないと弾かれてしまう。
これも、震災の影響なのか?
行きたいところがあった。
しかし、
ガソリンが手に入らない。
二日前。
2時間近く並んでガソリンを入れなければならなかった。
今朝夢をみた。
夢の中で、俺は………。
なんてこった。