水道復旧
朝目覚めると、市の防災放送が聞こえた。
一部の地域から随時水道を復旧して行くとの内容だった。
階下で水の流れる音がする。
一瞬、何故、と思ったがトイレのタンクへ水が流れ込む音だと知り納得する。
外で人声がした。
聞き覚えのある声。
老人の声。
その声を聞いただけで、
俺は一瞬にして食欲がなくなり、さらに気分が滅入った。
二階の窓をそっと開け、老人の家とその周辺を確認した。
野郎どこにいやがる?
よく見ると、手前の住宅の木の陰に、老人の姿があった。
俺は音を立てないようにそっと窓を閉めた。
飯を食う気分に慣れずに、ぼんやりとNHKのストリーミングを眺めた。
気分はさらに悪くなり、時々聞こえる老人のくぐもった声が、
鬱々とした気分に追い打ちをかけた。
やつがいなくなったら、外に出よう。
風呂屋にでも行ってみるか。
俺はそんな事を考えながら、モニターを眺め続けた。
死者の数。
放射能漏れ。
押し寄せる津波と、
流される家や車。
地震速報。
悪夢だこれは。
俺は悪夢に飲み込まれる事無く、今こうして生きている。
それも、住んでいる場所が、地球規模でみたら僅かに離れているだけで。
どんな事があろうと、
生きているだけで、めっけもんだ。
心底そう思う。
俺はすべてが億劫になってしまった。
外へ出るのも面倒だった。
床に転がっているボトルをつかみ、
僅かに残ったウイスキーをグラスに注いだ。
多分今日も、
家の中だ。
一部の地域から随時水道を復旧して行くとの内容だった。
階下で水の流れる音がする。
一瞬、何故、と思ったがトイレのタンクへ水が流れ込む音だと知り納得する。
外で人声がした。
聞き覚えのある声。
老人の声。
その声を聞いただけで、
俺は一瞬にして食欲がなくなり、さらに気分が滅入った。
二階の窓をそっと開け、老人の家とその周辺を確認した。
野郎どこにいやがる?
よく見ると、手前の住宅の木の陰に、老人の姿があった。
俺は音を立てないようにそっと窓を閉めた。
飯を食う気分に慣れずに、ぼんやりとNHKのストリーミングを眺めた。
気分はさらに悪くなり、時々聞こえる老人のくぐもった声が、
鬱々とした気分に追い打ちをかけた。
やつがいなくなったら、外に出よう。
風呂屋にでも行ってみるか。
俺はそんな事を考えながら、モニターを眺め続けた。
死者の数。
放射能漏れ。
押し寄せる津波と、
流される家や車。
地震速報。
悪夢だこれは。
俺は悪夢に飲み込まれる事無く、今こうして生きている。
それも、住んでいる場所が、地球規模でみたら僅かに離れているだけで。
どんな事があろうと、
生きているだけで、めっけもんだ。
心底そう思う。
俺はすべてが億劫になってしまった。
外へ出るのも面倒だった。
床に転がっているボトルをつかみ、
僅かに残ったウイスキーをグラスに注いだ。
多分今日も、
家の中だ。
食料
コンビニへ行くと、弁当などなく、
カップラーメンの棚は空だった。
飲料関係の冷蔵棚も酒以外はすべて空になっていた。
俺はいつものディスカウントストアへ行き、
僅かに売れ残っていたインスタントラーメンとカップラーメン、
ウーロン茶と炭酸を買った。
当然、水は無かった。
帰宅しても水が無いので、ラーメンの類いは食うことができない。
隣町は断水してないかもしれないと思い、そのまま
車でマクドナルドまで走った。
店はやっていなかった。
ガソリンスタンドも明かりが消えている。
メーターがのこり二目盛り。
これ以上ぶらぶら出来ない。
俺は家路に着いた。
僅かに残ったウイスキーをグラスに注ぎ、
炭酸で割った。
もう寝る意外に無かった。
カップラーメンの棚は空だった。
飲料関係の冷蔵棚も酒以外はすべて空になっていた。
俺はいつものディスカウントストアへ行き、
僅かに売れ残っていたインスタントラーメンとカップラーメン、
ウーロン茶と炭酸を買った。
当然、水は無かった。
帰宅しても水が無いので、ラーメンの類いは食うことができない。
隣町は断水してないかもしれないと思い、そのまま
車でマクドナルドまで走った。
店はやっていなかった。
ガソリンスタンドも明かりが消えている。
メーターがのこり二目盛り。
これ以上ぶらぶら出来ない。
俺は家路に着いた。
僅かに残ったウイスキーをグラスに注ぎ、
炭酸で割った。
もう寝る意外に無かった。
断水
断水が続いていた。
飯を食いに外に出ても、市内の飲食店のほとんどは閉店だった。
やっとみつけたとんかつ屋は、水道水とともに井戸水があり、そのため営業出来たという。
余震も収まる気配はなく、揺れ続けている。
いつものディスカウントストアへ行った。
目当ての水のペットボトルは既に売り切れ、
弁当類の類いは、売ってもいなかった。
現在二十三時。
ネットでNHKを観ながら唖然としている。
足下にウイスキーのボトルが転がっていた。
中身は三分の一ほど残っている。
腹が減っていた。
コンビニを覗いてみよう。
弁当が売ってるかもしれない。
飯を食いに外に出ても、市内の飲食店のほとんどは閉店だった。
やっとみつけたとんかつ屋は、水道水とともに井戸水があり、そのため営業出来たという。
余震も収まる気配はなく、揺れ続けている。
いつものディスカウントストアへ行った。
目当ての水のペットボトルは既に売り切れ、
弁当類の類いは、売ってもいなかった。
現在二十三時。
ネットでNHKを観ながら唖然としている。
足下にウイスキーのボトルが転がっていた。
中身は三分の一ほど残っている。
腹が減っていた。
コンビニを覗いてみよう。
弁当が売ってるかもしれない。