愛猫の病
愛猫。
口からよだれを垂れ流し、
嫌な鳴き声を上げていた。
えさも減っていない。
その日、俺はそのまま仕事に出かけたが、一日中猫が心配でならなかった。
帰宅し猫の様子を窺うと、朝、家を出たときと同じようによだれを垂れ流し、
嫌な声で鳴いていた。
元気もなくぼろぼろになってうずくまっているだけだ。
次の日。
猫を獣医のもとへ連れて行った。
かかりつけの獣医が休診で、携帯で他の獣医を検索した。
どうしても、今日中に診てもらいたかった。
「さて、どうしたものか」
獣医が言った。
様々な可能性があって、原因が特定出来ないという。
一瞬、かかりつけ医へ見せればよかったという思いが頭をよぎった。
しかし、この獣医師はヤブではなかった。
尿を採ったときに、ほぼ原因を特定した。
採取した尿をプレパラートへ、
顕微鏡にセットし、レンズを覗くように勧められた。
血漿や細胞の一部か見えた。
ペットフードのパンフレットのような物を見せられた。
そこには顕微鏡写真があり、それとレンズの中の物を見比べる。
疑われる病気の説明と、それにともなって弱っている臓器について。
獣医師は自らも猫を飼っていて、長年のあいだ推奨するえさを与え続けていて、
そのため病気もないと言っていた。
獣医に対する印象はちょっとした事から変わる。
獣医がペットを飼っていなかったら、それは信頼に値しないだろう。
猫の病気の原因はえさ以外に考えられなかった。
離婚後、猫のえさは当然俺が買っているのだが、
いつからか安物のえさに変えてしまった。
(ここ2、3ヶ月はディスカウントショップのしょぼいえさを食わせていた)
獣医師の説明を聞いて、いかにえさが大事かという事を、
俺は理解したのだった。
もう、安物のえさなど与えない。
俺は思い知ったのだった。
俺の愛しい猫ちゃんよ。すまなかった。
動物病院の帰り。
俺はえさの新しい容器と、猫用のベットを買った。
帰宅し、
医師からもらったえさを、洗った容器に開けた。
猫は力なく部屋の隅に歩いて行くと、
隠れるように丸くなった。
俺は猫の名を呼んだ。
猫は何の反応もしめさず、動かなくなった。
口からよだれを垂れ流し、
嫌な鳴き声を上げていた。
えさも減っていない。
その日、俺はそのまま仕事に出かけたが、一日中猫が心配でならなかった。
帰宅し猫の様子を窺うと、朝、家を出たときと同じようによだれを垂れ流し、
嫌な声で鳴いていた。
元気もなくぼろぼろになってうずくまっているだけだ。
次の日。
猫を獣医のもとへ連れて行った。
かかりつけの獣医が休診で、携帯で他の獣医を検索した。
どうしても、今日中に診てもらいたかった。
「さて、どうしたものか」
獣医が言った。
様々な可能性があって、原因が特定出来ないという。
一瞬、かかりつけ医へ見せればよかったという思いが頭をよぎった。
しかし、この獣医師はヤブではなかった。
尿を採ったときに、ほぼ原因を特定した。
採取した尿をプレパラートへ、
顕微鏡にセットし、レンズを覗くように勧められた。
血漿や細胞の一部か見えた。
ペットフードのパンフレットのような物を見せられた。
そこには顕微鏡写真があり、それとレンズの中の物を見比べる。
疑われる病気の説明と、それにともなって弱っている臓器について。
獣医師は自らも猫を飼っていて、長年のあいだ推奨するえさを与え続けていて、
そのため病気もないと言っていた。
獣医に対する印象はちょっとした事から変わる。
獣医がペットを飼っていなかったら、それは信頼に値しないだろう。
猫の病気の原因はえさ以外に考えられなかった。
離婚後、猫のえさは当然俺が買っているのだが、
いつからか安物のえさに変えてしまった。
(ここ2、3ヶ月はディスカウントショップのしょぼいえさを食わせていた)
獣医師の説明を聞いて、いかにえさが大事かという事を、
俺は理解したのだった。
もう、安物のえさなど与えない。
俺は思い知ったのだった。
俺の愛しい猫ちゃんよ。すまなかった。
動物病院の帰り。
俺はえさの新しい容器と、猫用のベットを買った。
帰宅し、
医師からもらったえさを、洗った容器に開けた。
猫は力なく部屋の隅に歩いて行くと、
隠れるように丸くなった。
俺は猫の名を呼んだ。
猫は何の反応もしめさず、動かなくなった。