心の行方
心を、常に暖かいもので満たせば、幸せになれる。
ネガティブなもので満たせば、不幸になる。
何かで、こんなことを読みました。
これって、真実かもしれませんね。
因果律。
原因があって、結果がある。
心の持ちようで、未来はかわるのか。
読者の皆様、どう思われますか?
私、物事を悪い方に考えてしまう。
これじゃ、ダークサイドに落ちてしまいそうです。
誕生日 本編
「出掛けるから」
いつもの、ショッピングセンター。
いつもとかわらない、休日。
その日は、旗日で、いつもの土日より人の出が多いような気がした。
ひと通り、フロアーを歩いた。
雑貨と、本屋の店。
ここが好きだった。
一般的な、本屋にないものが置いてあったりする。
買いたい本が、あった。
計算すると、ガソリン代がなくなる。
図書券でいいから、誕生日にプレゼントしてくれないか。
思ったが、口にしなかった。
「そろそろ、行こう」
妻は、階下の出口を目指して、歩きはじめた。
誕生日だ、などと、胸を躍らせたのはいつのことだったか。
今こうして、プレゼントを期待しているなんて、子供染みている。
小学生の時、お誕生日会を家で開くことが、流行っていた。
俺も、おふくろに頼んで、家で誕生日会をやったことがある。
来てくれた友達一人一人に、袋詰めのお菓子を手渡した。
友達から、プレゼントをもらっただろうか。
思い出せない。
思い出すのは、招待した友達に、ひどいことを言われ、傷ついたことだけだった。
何を言われたのかも、思い出せない。
ただ、切なかった。
一生懸命、準備をしてくれたおふくろを思うと、切なくて泣きたくなったのだった。
そして、お誕生日会は二度と家でやることは、なかった。
出口で、妻の足が止まった。
「ここで、ご飯食べていこう。今日は誕生日でしょ」
誕生日、忘れていなかったのか。
子供の喜びそうな、内装のレストラン。
娘は、はしゃいでいる。
形として残る、物のプレゼントではなかった。
しかし、この日の誕生日プレゼントは、一生忘れることは無いだろう。
家族三人での、食事。
傍からみれば、幸せそうな家庭に見えるはずだ。
心の中で、そう思っていた。
誕生日 プロローグ編
祝ってもらいたい。
そんな、子供じみた気持ちを、捨てきれないでいた。
この年で、誕生日もないものだ。
午前中は家事、雑用を済ませ、午後から出かけたのだった。
続きは、深夜に更新いたします。