日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -200ページ目

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「おとうちゃん、モンシロチョウだよ」

娘が言った。

近所の公園である。

遊具など殆どなかったが、それでも、娘が補助輪付きの自転車を乗り回すのには、十分な広さがあった。

晴れやかな午後のひと時。

桜の花びらが、昨日の雨で、濡れた地面に張り付いていた。

ひらひらと舞う一羽の白い蝶。

それは確かに、モンシロチョウだった。

小遣い無し

金を貸せ。

あるとき妻に言われた。

何故、と思う。

密かに貯めた金だった。

それでも、一万円に満たない。

普段、金を貸せなどと言われたことなど無かった。

ところが、三度、四度と言ってくる。

結局、財布の中は空になった。

一銭も無い状態が続いた。

朝、釜に飯があればそれを握って持って行く。

飯が無ければ昼飯は、無しだった。

一週間後、千円札が渡された。

その日のうちに、荷物を出さなければならず、そこから金を出した。

のこりは四百円。

昼飯代に消えた。

ひと月。

いまだに、金は戻ってこない。

そして、小遣いも無しだ。

夢で会えたら1

スピリチュアル。

近頃、よく耳にする言葉だった。

テレビに映し出さられたその顔はよく知っている。

死者の魂と会話をする。

そんな場面を俺は以前みたことがあった。

しかし、今回は様子が違った。

彼は、ある夫婦の前にいた。

その夫婦の、自閉症の息子に対する相談を受けている。

話の内容は切なく、おもわず涙が出そうになった。

やがて別の相談が始まった。

夢の中で死者と会う方法は ?

余りにも唐突な質問に俺は驚き、同時に、頭の隅に親父の顔が浮かんで、消えた。


2へ続く