小遣い無し | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

小遣い無し

金を貸せ。

あるとき妻に言われた。

何故、と思う。

密かに貯めた金だった。

それでも、一万円に満たない。

普段、金を貸せなどと言われたことなど無かった。

ところが、三度、四度と言ってくる。

結局、財布の中は空になった。

一銭も無い状態が続いた。

朝、釜に飯があればそれを握って持って行く。

飯が無ければ昼飯は、無しだった。

一週間後、千円札が渡された。

その日のうちに、荷物を出さなければならず、そこから金を出した。

のこりは四百円。

昼飯代に消えた。

ひと月。

いまだに、金は戻ってこない。

そして、小遣いも無しだ。