日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -199ページ目

経済制裁?

月の中頃に渡された金は、僅か二千円だった。

頭痛薬を買い、弁当代わりのカップラーメンを数回買うと、それで終わりだった。

当然、昼飯代も小遣いから捻出しなければならないのだ。

財布に一銭もないというのは不安である。

欲しいと思った雑誌なども、買えるはずもなかった。

勿論、外で喉の渇きに襲われても、飲み物の一本も買えはしない。


そんなある日。

妻からのメールがあった。

「きなこ買ってきて」

俺はすぐさま妻に電話をした。

「金もってないから、クレジットカード使えるスーパーによるしかない」

妻は激高し、それなら家に一度帰って来いと言った。

金の心配のために別れられないなどと、平然と言い放つ女だ。

これ位のことは、ごく普通の言動なのである。

話が終わり、俺はふと、ひと月前のことを思い出した。

今のように買い物を頼まれ、四千円支払い、未だ返却されていないことを。

腑が煮えた。

金は渡さない、少し持っていれば巧妙に取り上げる。

「貸した金返してくれ」

前に一度言ったことがある。

「いまお金がない。うちはいつもギリギリでやっているのよ」

そう言われ、返す言葉もなかった。

甲斐性無しと、別のことばで罵られた。

思ったのはそれだけだった。

妻の本音

俺に対して、ほんのひとかけらでも、情というものがあるのだろう。

どこかでそんな期待を抱いていたのかもしれない。


しかし、それは違った。


「あんたとこれからずっと一緒にいようとは思わない」


いつもなら、話はそこで終わっている。

しかし、今日は違った。



「なんであんたと一緒にいるかって?それは経済的な理由以外にないわよ」



ついに本音を言ったなと、俺は思った。

そこまで言いながら、また明日から一緒に生活できるその人間性も疑わずにはいられない。


優しさのかけらもない。

それが俺の妻なのか。


いくら何でも、馬鹿にしている。



平静を保っているつもりだったが、気がつくと部屋にあるものを蹴り上げていた。


頭を冷やし、少し考える。

どう考えても、別れるという結論にしかたどりつかなかった。


夢で会えたら 2

夢で会えたら 1の続きです。



夢の中で死者と会う方法。


それは、こだわりを無くす事らしい。

なぜ死んでしまったなどと、いつまでも悲しんでいたりすると、死者は責められていると思い、夢に出て来ることが出来ない。

そんな答えだった。


夢について、こんな話を聞いたことがあった。



夢とは、日中に起きた出来事または、考えた事柄などを、寝ている間に脳の中で整理する現象である。





驚いたことに、その日の夜、親父の夢を見た。

親父はごく普通に現れ、俺と話をした。

すでにこの世に存在しない相手に、なんの疑問も夢の中では抱くことはなかった。

話の内容は覚えていない。

目が覚ると、恐怖で身が竦んだ。


夢の中の、親父の姿。

それはやけに生々しく、脳裏に焼き付いたまま、俺を責めた。