猫
金曜日の深夜。
アルバイトが終わった。午前四時。
財布の中には300円しかなかった。
24時間のディスカウントスーパーへ行き、半額のコロッケとレトルトのハヤシライスを買った。
帰宅すると、案の定、妻子はいなかった。
午後7時から、午前4時まで何も口にしていなかったので、腹が減っていた。
ハヤシライスで飯をかき込み、そのまま眠った。
土曜日は仕事は休みだったが、深夜のアルバイトがあった。
昼近くに起床し、コロッケで飯を食った。
一人、家の中で過ごした。
飼い猫を無理矢理つかみあげて、抱いた。
抱き上げるとき、不本意だというように、一声妙な鳴き声をあげたが、抱いてしまうとおとなしくなった。
ひとしきり、猫に話しかけた。
目を合わすことなく、どこか別なところを見続けている。
少し腹が立ったので、怒鳴り、きつく抱きしめた。
また、不本意な鳴き声を上げた。
腕の力を緩めると、素早い動きで逃げ出した。
後ろを振り返り、鋭い目で一度俺を睨み付け、そのまま安全圏外へ移動し、床の上で丸くなった。
「お前がかわいいから抱いている」
言っても、顔は床に伏せたままで、こちらを見ることもなかった。
犬と違って、向こうから寄ってくることなどなかった。
そこが腹立たしかった。
こちらの愛情を受け入れない。孤独な寂しい生き物なのだ。
「おい、お前は何が楽しくてこの家にいるんだ」
猫が首をもたげて、俺の方を向いた。
そのとき猫が、俺に話しかけてきた。
「お前もな」
他人
「くそったれ、いくら何でも酷すぎるんじゃないのか」
「・・・・・・」
「おい、聞いてるのかよ」
「全く最低だなおまえは」
「・・・・・・」
直接顔を付き合わせているわけではなかった。
一階と二階。
階段に足を掛け、そこでとまり、俺は自室へ戻った。
義母が一緒だった。
ここは俺の家だが、俺の家とは言えない。
母子と孫の家なのだろう。
俺一人他人なのだ。
義母は、好きなときに来て、好きなように過ごし、好きな時間に帰っていく。
それでも俺は、何も言えなかった。
ばかばかしくなってきた。
もうどうでも、いい。
好きにすればいいのだ。
汗が噴き出してきた。
扇風機が欲しかった。
それは、一つだけで、俺以外の「家族」が使っている。
映画 「ハプニング」
この人の映画が好きだ。
シックスセンスは、ちょっとした驚きとともに、その後の映画鑑賞の基準となった。
あのときの驚きをまた味わいたい。
しかしそれは、未だ叶わないのだった。
サインのような、オチでなければいいのだが・・・。
左側の「ハプニング」ブログパーツをクリックすると・・・・???
おためしあれ