日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -182ページ目

悪夢~将来、現実に起こらないことを願う

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俺は一人ショッピングセンターにいた。

買い物をするでもなく、店内を歩き回っている。

階段を上る。

ワンフロアーごとに、2階、3階、と。

どのくらいフロアーを上に登ったのだろうか。

ふと目の前に現れたのは、全面がガラスで仕切られた休憩室のようなところだった。

足下にビルが立ち並ぶ町並みが遥か彼方まで続き、キザキザの地平線を形作っていた。

夕日でオレンジ色に色づくその光景に、俺は目を奪われていた。



それはいきなりだった。




視線の先がいきなり光った。

「光を見るな!」

怒鳴り声が俺の後頭部を打った。

目を伏せる。

そして恐る恐る、視線を戻した。


きのこ雲が上がっていた。


すぐに俺は背を向け走り出した。爆風が背中をたたきつけてくると同時に炸裂音が轟いた。



気がつくと、小高い丘の上にいた。

眼下に道が続いていて、車が列を成していた。

渋滞。

車列はまったく動いていなかった。


ルーフに荷物を括り付けた車も見受けられる。

あきらめて車を降り、歩いている者もいた。


空は真っ暗だ。

昼間なのに、真っ暗だった。

黒い灰が降り続いている。



これが死の灰なのだ。



そう思ったとき、俺は身震いとともに目を覚ました。


ちょっと遅れて~節分のこと

帰宅して、食卓をのぞくと既に食事は終わっていた。


当然だった。


妻と顔を付き合わせて、飯を喰う気には、どうしてもなれなかった。

食卓の上は、洗濯物などが山積みにされ、俺が飯を食う場所など無かった。

仕方なく、というより、いつもやっていることなのだが、キッチンで飯を食った。



立ったまま、喰った。


自室で喰うより、いくらかは暖かいからだ。

だから立ち食いでも、かまわない。


時々、妻が当てつけのように、扉を音を立てて閉める。




俺は苦笑した。



他人が、同じ家の中に住んでいる。

その心持ちは変わらない。

俺がその他人で、妻の自尊心を維持するためだけに存在する奴隷だった。


リビングには、紙で出来た鬼のお面があった。

子供っぽい絵柄で、いかにも娘が喜びそうだ。

数年前までは、俺がそれをつけて豆を蒔いたりしたものだ。

それも、今は遠い記憶だった。


娘の声がして、帰宅してから、まだ一度も顔を見ていないことに気付いた。

そっと、娘の顔を見る。

妻も一緒で、大きな音とともに、扉が閉まった。



俺は口を歪めた。

苦笑するしかない。



自室の入り口に、豆が落ちていた。

俺がいない間、妻娘が節分の儀式を執り行ったのだろう。



「鬼は外、か」



俺は呟いていた。

つぶやきは、妻の耳には届いていないことだろう。












人は誰もが、唯一無二の存在だ~あの人も言っている

人間は一人ひとりが、ユニークで価値ある存在だ。


唯一無二。


それでいて、全体の中の、部分でしかない。

全体を投影している一部であり、全体でもある。



だから、他者を傷つけてはいけない。

だから、他者を愛さなければならない。

どんな人も、愛される資格がある。




価値ある存在なのだ。


人と違うことを、良しとしよう。

個性は力だ。


「あなたとは違うんです」


こう叫んで、何が悪いのか?





※何故か、今頃になって福田元首相の言葉を思い出しました。
 私の文面と、福田さんの発言のニュアンスは全然違っていますね。
 それでも、好きなんですよ。このものいいが。