日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -14ページ目

選択

ぼくは選択を迫られていた。

週一日の休みで、

一日15~16時間拘束の仕事で、

酒を飲んだり、

本を読んだり、

映画を見たり、

音楽を聴いたりする時間すらない生活と、


週休二日で、

一日9時間拘束、

8時間労働で、

当然、非正規雇用で、

薄給で、

酒を買ったり、

本を買ったり、

映画を観に行ったり、

CDすら買えない生活と、


どちらを選ぶか。


どちらを選んだとしても、

とても、

人間らしい最低限の生活は、

望めるものではなさそうだ。


それでも、


日々を生きる以外にない。


この国が沈み行くのを、

まるで人ごとのように眺めながら。


これは、心中か。

いや、

緩慢な死だ。

仕事

仕事は選ばなければ、

ある。


あるには、ある。


ぼくは、選ばなかった。


早朝4時から、19時までの仕事。

拘束時間、実に15時間。

最高だ。


しかし、


時給換算すると。

世の中で決められている最低賃金を下回ってしまう。

なぜなら、この仕事に残業という考え方がないから。


どこまで搾取すれば気が済むのか。


仕事はハード。

見合った対価無し。


アルバイトの方が、

ましだよな。


そう。


アルバイトの方が。

ポルターガイスト

ぼくが子供の頃の話。

そのとき住んでいた家は二階建てで、

ぼくの部屋は二階だった。

ときどき、ぼくの心の中の感情、

とくに、

恐怖や嫌悪などに呼応するように、

ぼくの部屋の天井から、ぽん、という音が聞こえた。

はじめのうち、ぼくは両親にそのことを伝え、

ぼくの部屋で実際にそのような音が聞こえるのだということを、

知らせようとした。

だが、両親を呼び寄せたときに限って、

天井からの異音はならなかった。


何年かその家で、その音を聞いているうちに、

ぼくは更なる遠い記憶、

おそらくは3歳とか4歳くらいの記憶なのだろうか、

幼児期に住んでいた家でも同じ音を聞いていた事実を思い出す。


この音は、不吉な出来事を警告するためのものだということも、

後に知ることになる。


ぼくが心の中で考えたことにたいして、

音が答えてくれる場合もあった。


この音はいったいなんなのだろうか?

敵ではないのかも。

でも、味方でもないか。


その後月日は流れ、

大学へ行き、

就職し、

ぼくは結婚し、別の家に引っ越し、

そして、妻子は出て行った。


ぼくは夕飯をジャンクフードで済ませ、部屋でくつろいでいた。

友人から電話があり、

携帯を握る。


すると間もなく、

通話が突然途切れた。


友人が車で移動中だったに違いないと思う。

ぼくは携帯の画面を見つめたが、

圏外表示だった。


一度電源を落とし、再起動する。


PCを使って初期化までしたが、

最後には携帯電話自体の損傷だと、PCには表示されていた。


携帯はひと月前に修理に出し、新品と交換したばかりだというのに。



家の中で電球が切れたり、(頻繁に)

食器棚から突然コップが落ちたり、

あり得ない頻度で電化製品が壊れたり。


多分これらは、何らかのサインだと思う。



そう。


また何十年かぶりに、帰ってきたのかも。


あいつが。