半休
外がまだ暗いうちに起床し、俺はバイトへ向かった。
車で走っていると、空が徐々に明るくなってくる。
まだ薄暗い空は驚くほど高く、遥か彼方に紫色に染まる雲が流れていた。
美しかった。
バイトを終えて、家路へ。
睡魔は断続的に、訪れた。
そして。
今日も無事に家に着いた。
仕事が休みなので、体を休めたかったが、どこかに出掛けるならばそれもいいと思った。
居間で娘とテレビを観た。
それから、いつの間にか眠ってしまった。
目覚めると、俺は異変に気付いた。
俺の娘の母親が、やたらと不機嫌だったのた。
「何で私が全てをしなくっちゃならない訳!」
俺は答えなかった。
「お母さんは疲れたから、少し寝るからね」
俺の娘の母親が、娘に言った。
休日。
俺は家から、一歩も外へ出なかった。
酒
小遣いがなくなった。
殆どすべて、酒に使ったようなものだった。
飲まなくては、やってられない。
もしも、世界中で酒を禁止したならば、ほぼ間違いなく自殺者が急増することになるだろう。
少なくとも、酒を飲んでいる間は、死にたいなどと考えなくて済むのだから。
酒を飲む。
それは、俺の唯一の楽しみでもあった。
今日も。
昨日も。
一昨日も。
酒を飲んでいる。
明日はバイトが休みだったんだな。
だから、いつもより酒を多く飲もうと思った。
しかし、それはかなわなかった。
すぐに眠くなってしまう。
疲れてるんだろう。
もう、寝るか。
俺は最後の一杯をコップに注ぎ、ストレートで飲み干した。
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体育会系とは?
バイトも終わりの時間にさしかかった頃。
怒号が聞こえてきた。
「なんだ、あ~、てめ~」
先輩、後輩といった関係なのか。
どちらもガキだった。
前日は、おっさんがガキを口汚く、大声でなじっていた。
俺はげんなりすると同時に、鼻白んだ。
同じバイトのお兄ちゃんへ、目配せする。
それから俺は言った。
「ここは、いつも不穏な空気が流れてますね」
バイトのお兄ちゃんは、一瞬固まったが、すぐに意味を理解して言葉を返してくる。
「ああ、ここって、体育会系ですからね」
「……」
俺は、返す言葉がなかった。
こんなクソガキどもの集団が体育会系とは、本当の体育会系の人に失礼な。
非体育会系の俺が言うのも何だが、礼節を重んじるのが体育会系だろう?
それは目下の者のみに、有効なのか。
いくらなんだって、感情的に、与太公みたいな言葉で相手を罵っていいはずがない。
目上の者が絶対君主で、下の者はどんな理不尽でも甘んじて受けるしかない。
絶対服従。
それが、一般的な意味で言う「体育会系」なのだろうか?
この国の「体育会系」ってそんななの?
(体育会系の学生が就職時に、有利だというが、それって、上の命令に絶対服従することになれているから?)
まあ、バイトの俺やお兄ちゃんには関係のない事ではあるのだが。
しばらくすると怒号は止み、ガキどもは、元通りのポジションでまた働き始めた。
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