スリッパに戸締りに、その他諸々
バイトを終えてふらふらになりながら帰宅した。
とにかく、眠りたかった。
食欲を睡魔が上回る。
以前には無かったことだ。
自室へ入り、そのまま布団に倒れ込んだ。
ほとんど、倒れ込むと同時に眠っていた。
しばらくすると、俺は目を覚ました。
30分は眠った。
時計に目をやり、俺は毒付いた。
「くそったれが!」
仕事に間に合わないじゃないか。
歯を磨き、風呂場の窓を閉めて、シャワーを浴びた。
それから、服に袖を通しながら、車に乗り込んだ。
最悪だった。
腹が鳴っている。
睡魔も消えてはいなかった。
そんななか、会社に着く前に、携帯が鳴った。
俺の娘の母親からのメールだった。
~何度言ったらわかるの。スリッパが出しっぱなしだし、風呂場の窓の鍵もかかってないじゃない!
どうして、忘れるわけ!あんたはたぶん病気よ。何度言われても人の言うことを聞けない。
そんな病気もあるらしいわ。
あんた、病院へ行きなさいよ!~
会社に着くと、俺は駐車場の中でほんの一瞬、シートを横たえて眠った。
疲れ果てていた。
それでも、働くしかなかった。
今度の休みは、いったいいつなのか?
休みなど、もともと無かったのか?
やっとの思いで起き上がった俺は、タイムカードを押しに、車を降りた。
そんなつまらない行為が、金に化ける。
俺の一日は、それがすべてだった。
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詩「彼女のころ」
長い髪。
ちょっと厚い唇。
ほほえむと、えくぼ。
10年前。
彼女はまだ、彼女のままだった。
僕は壁にもたれて、窓の外を眺めてた。
空には、積乱雲と鳥が二羽。
子供たちの声。
クラクション。
僕は目を閉じた。
「あなたって、だめな人ね」
頭の中に、彼女の声が聞こえた。
それは。
彼女の最後の言葉だった。

