部分切除後 4カ月
放射線終了 ホルモン療法 3週間目
タモさんの副作用 強制更年期なのだから再発することを思えば 多少のことは我慢して服用しようとは思っている。が、タモキシフェンと子宮内膜のことについてググっていたら 岡山医誌よりこんな記事を発見した。こんな場合は 我慢するとかのレベルでなくってタモさんのんでる場合じゃねーわってね。ざっくり抜粋してみる。
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岡山医誌 平成12年
『 タモキシフェン投与により 高エストラジオール血症を伴う両側性卵巣腫大をきたした 1例』
閉経前乳がん術後、タモ投与により両側卵巣腫大とエストラジオール異常高値を示す。その後タモ中止によって軽快。
【症例】
術後40日目よりタモ服用
→2か月後不正出血(過多月経)婦人科受診
→卵巣嚢腫(卵巣内膜の変化は軽微)その後もタモ服用
→1か月後超音波検査(卵巣の多房性変化と嚢胞腫大)
この間に測定したｴｽﾄﾗｼﾞｵｰﾙは777pg/ml,787pg/mlと異常値。同時に測定したLH(黄体形成ﾎﾙﾓﾝ),FSH(卵胞刺激ﾎﾙﾓﾝ)は正常範囲
→これらにより卵巣腫大 月経異常はタモキシフェンによる副作用と考え 中止し経過観察
→中止と共に卵巣嚢腫のサイズ縮小、ｴｽﾄﾗｼﾞｵｰﾙ271,230pg/ml,787pg/ml と正常化し不正出血も漸減
→中止3か月後からはｴｽﾄﾗｼﾞｵｰﾙは31,39pg/mlし不正出血も消失
→術後18カ月再発なく経過観察
【考察】
タモキシフェンはエストラジオールのエストロゲンレセプターへの結合を競合的に阻害するが その結合能はエストラジオールの約0.7%-1%と報告されている。タモキシフェン20mgを経口投与24時間後の血中タモキシフェン濃度は 約100nMであり その半減期は7日であったことから、通常投与量では約1nMのエストラジオールと拮抗する。このエストラジオール濃度は 正常の閉経前婦人のエストラジオール量より高く タモキシフェンのエストロゲン拮抗剤としての作用を裏付けている。しかしながら エストロゲンがそれより少しでも高い場合や 血中タモキシフェン濃度の低下のある場合には その効果は急速に失われ 乳癌のホルモン療法剤としての意義を失う。すなわちタモキシフェンの投与がかえってE2を増加させ 乳癌の発育を促進する可能性があり 卵巣機能が旺盛な症例においてタモキシフェンを用いる際には 十分な注意が必要であると考えられる。タモキシフェンによると考えられるE2の高値のある症例や 閉経前で比較的エストロゲンが高いにも関わらず服薬のコンプライアンスが悪いような症例においては、タモキシフェンとLH-RHアナログの併用もしくはLH-RHアナログの単独投与が適当と考えられる。
また従来卵巣腫大,子宮内膜増殖はタモキシフェンのエストロゲン作用によると考えられているがそれとは別に本症例の如くE2の増加によるものの可能性があり、そのような症例においては
・E2, FSHの定量,
・タモキシフェンの中止,
・LH-RHアナログの追加
などの適切な処置が必要と考えられる。タモキシフェンによる有効な治療を行うためには投与経過中のE2の測定、コンプライアンスのチェックなどの注意が必要である。またタモキシフェンは安価で患者QOLの点からも使用しやすい薬剤であることからそのホルモン療法における重要性には変わりなく、今後は閉経前のホルモン環境によるより厳密な適応を検討する必要があると考えられる。
【結語】
タモキシフェンによる高エストラジオール血症と卵巣腫大をきたした症例を経験した。
- 閉経前症例にはかえって乳がん発育促進に働くｴｽﾄﾗｼﾞｵｰﾙ高値をきたす可能性がある
- タモキシフェン投与中の卵巣腫大、内膜増殖はｴｽﾄﾗｼﾞｵｰﾙ高値が原因であることがあり タモキシフェンの中止LH-RHアナログ使用等を考慮すべきである