facebook上で
「自民党は最早看板だけで、中身は変わってしまいましたね」と聞かれたので
「キャッチオールパーティとしての自民党の強みが弱みに逆転した、というのが今の状況です。もともと看板だけで、中身はごった煮ですよ」と回答した。
強みが弱みに逆転した
今の自民党の状況を解説したい。
キャッチ・オール・パーティ(包括政党)というのは、
昨年3/26のシンポジウムで立命館大学政策科学部の
上久保誠人教授による自民党の特徴を捉えた発言。
上久保教授は自民党を世界最強の包括政党と表現した。
自民党には強固なイデオロギーが無く、
支持者の要望を幅広く吸収してきたのだ。
本来野党が訴える政策を、予算を付けて実現するのが、
自民党の伝統的な強さだった。
①戦後の農地改革と食糧管理法
1ヘクタール以上の大地主を潰し、土地は小作人のものに。
その小作人から政府が高値でコメを直接購入することで、
平等社会を実現
②傾斜生産方式という産業政策
こうしたあまりにも社会主義的な政策によって
戦後の目覚ましい復興、高度経済成長を実現する。
③「55年体制」の自民党:「環境」「福祉」
1970年代、社会党など野党が環境や福祉政策を訴え始めた。
革新自治体が東京、京都、神奈川などに誕生し、
地方政府が環境・福祉政策を主導した。
これに危機感を覚えた自民党は、
それを奪い、予算を付けて国の政策とした。
都市部の中道左派層の支持を奪い、
野党を弱体化させることで長期政権を維持した。
これが55年体制
これが小選挙区比例代表並立制という選挙制度改革によって
大きく崩れることになる。
発端はリクルート事件
(その2へ続く)