「ヤン・ウェンリーとかいう奴はずいぶんと偉い奴らしいな。あんたと同姓同名で、大変な差だ」(銀河英雄伝説より)
鏡を見るたびに、ヤンは、いっこうに偉くなさそうな自分自身に皮肉を言う。
まあ、そのあたりがヤンの魅力なんですけれどもね。
「でもお偉いですよ」とすかさずフォローするユリアンも微笑ましい。
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先日、テニスをしてたんですが、
隣のコートから転がってきたボールを打ち返してやったら
「オッチャンありがと」と言われた。
ま、中学生辺りから見れば、僕も「立派な」オッチャンだ(泣)
ま、なんにせよ見た目と言うのは大切なもので、
昔、自転車旅行の資金がそこをついて、
飯場に転がり込んで、夜間工事のバイトしてたときのこと。
ガス配管の探傷試験が長引いて、すっかり日が昇ってしまった事があった。
こっちは疲れきっているので、歩道の隅にダンボールひいて寝ていたら、
小学1.2年生くらいの子供の手をひいたお母さんに
「○○ちゃん、お勉強しないと、あんなヒトみたいになっちゃいますよ」
と言われてしまった。
「けっ、勉強なんざ、散々やったけど、こんなヒトになっちゃったんだよ」
・・・いえ、口には出しませんでしたけど。
住所不定、無職。
浮浪者とあんまり変わんない。
でも、けっこう気楽で良かった。
仕事はきつかったけど、夜間工事から帰ってきて朝から飲む酒も旨かった。ほんと。
またあんなふうに、あてねー旅に出てみたいなあ。
でも、かみさんが怒るだろうな。ホントにやったら。
(追記)
本人は夢を追ってるつもりでも、世間から見りゃ立派な「ダメ人間」ですからね。
親の言うことも聞かず、好きなことばかりしていて、サイクルスポーツの本場欧州を旅して、次はアメリカ横断だ・・・などとバカなことを考えている最中にオヤジが入院したことを知らされました。その時は奈良ユースホステルに住み込みで働いていましたから、家族としてはやっと連絡が取れたということでしょう。
奈良から富士までは2日で走り抜きました。富士川橋から富士山を見上げたときには、涙が出てきた。
何故だと思います?
誰かが頼りにしてくれる・・・。糸のきれたフーセンみたいにふらふらしていた私にも、帰るところがあるんだ。
そう気づかされた時、涙が溢れて止まらなかったんです。