タクシー業界の窮状は理解できます。
営業区域が細かく定められ、「公定幅運賃」の中でしか料金は動かせない。だから競争原理が働かず、ドライバーはどんどん高齢化していく。実は「人手不足」の影響をもろに受けているのがタクシー業界です。
法政の大学院時代、政府統計の「家計調査」を利用して、静岡県の今の高齢者と10年前の高齢者の家計支出の違いを比較調査したことがあります。
その結果判明したことは、特に最近の高齢者は10年前に比べて「バス・電車」に乗らないということ。唯一支出が伸びている公共交通は「タクシー」でした。
つまり「タクシー」はこれから伸びる可能性がある産業。
政府が推進する「自家用有償旅客運送制度」はライドシェアの導入ではなく、
人手不足に対応した2種免許の規制緩和なのだから、むしろ「白タク規制緩和」といっていい。
彼らは、目の前の「ライドシェア」を目の敵にしているうちに、本丸が落とされかねない、そういうピンチに直面している。であれば、むしろ籠城をやめ、野戦に打って出るべき。
現に同制度は、市町村やNPO法人といった運行主体が配車などの運行管理責任者を選任する必要もあるなど制限が多く、導入は進んでいない。このため、この運行管理を既存のタクシー事業者に委託するなどの連携を認めて普及をはかろうとしている。
むしろ地方のタクシー会社にとっては、生き残るチャンスではないかと思う。