壁倒壊の人災 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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【大石英司さんのブログから引用します】

※ 小4女児ら3人死亡、塀倒れ下敷きに…震度6弱
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180618-OYT1T50050.html?from=ytop_photo
*女児下敷きブロック塀は「違法建築物」…高槻市
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180618-00050118-yom-soci
*大阪震度6弱高槻市長が謝罪 倒壊した塀、基準満たさず
https://mainichi.jp/articles/20180619/k00/00m/040/104000c

 読売のこの写真を見ると、鉄筋は入っていて、しかも同じ長さで切れている。地面に倒れたブロックは、折れずに繋がったままなので、恐らく上まで鉄筋は入っていたのでしょう。たまたま波長が合って、そこに力が集中してぽっきり折れた感じですね。テレビ・ニュースで繋ぎ目がちらと映っていたけれど、テトリスみたいな感じで、外側にしか倒れないような構造になってましたね。
 ただ、素人目に見ても、この高さの壁はそもそも安全なのか? という疑問は拭えないわけで、訴訟になることでしょう。地域の避難所にも指定され、子ども達にとって最も安全なはずの学校で、あってはならない事故です。
 全国の教育関係者は早急に学校の壁を点検して、通学路上の安全マップも書き換えるべきでしょう。
 こんな構造を、いざ死人が出るまで、誰も危険だと判断できなかったことに驚きます。個人の住宅には行政はやいのやいの言ってくるくせに。そもそもなぜこれはコンクリ・ブロックになったのか。目隠しなら、風が抜けるスリット構造のパネルで十分間に合ったはずなのに。

(引用おわり)


上の右側の写真を見てください。
本来最大曲げ応力がかかるはずの亀裂断面から、

30㎝くらい上の位置で鉄筋が連続して残っています。
この位置で鉄筋が破断する理由がない。
 
「重ね継手」にして、それがすっぽ抜けたのだと思います。

これは建築基準法に違反する施工方法です。
 
建築基準法は「国民の生命・財産を守るための最低限の基準」です。
国会で国土交通大臣が
「この基準を守っていれば震度6強までは命を守れる」と答弁しています。
 
施工する側に、この基準を守るだけの知識と
そして法を守ろうという意識が無いなら、

コンクリートブロック自体を禁止するしかないでしょう(怒)
 
そもそも1978年の宮城県沖地震をうけた基準法の大改正で、
2.2mを超えるコンクリートブロック塀は禁止されたはずです。

 
細かいことを言えば
1.6m以上のブロック塀に義務付けられている「控え壁」もない。 
 
大石さんが仰るように、
これは、法律を守っていれば防げた事故です。
 
亡くなったかたの冥福を祈りたい。
そして、
二度とこんな悲しい事故が起きないよう
再度の法改正を急ぐべきだと思います。
 
学校保健安全法には以下のように書かれています。

 
(学校環境の安全の確保)

第二十八条 校長は、当該学校の施設又は設備について、児童生徒等の安全の確保を図る上で支障となる事項があると認めた場合には、遅滞なく、その改善を図るために必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずることができないときは、当該学校の設置者に対し、その旨を申し出るものとする。
 

つまり、この法律は、
校長先生に対し、学校施設を点検せよといっているんですが
ブロック塀の内部構造についても識見を持て、というのは無理です。
せめて、建築基準法を改正して、
すべてのブロック塀に「控え壁」を設置させる等の「目に見える」基準を設けるか、
さもなければ、
学校施設におけるコンクリートブロックの使用自体を禁止すべきだと思います。
  
一級建築士 鈴木幸司