問題の多い「特定秘密保護法」と「安全保障関連法案」を
無修正で可決させてしまった当時の野党の責任は重い。
そして今回は「働き方改革法案」の審議拒否が続く。
この問題の本質は「労働時間」ではなく「労働の質」。
欧米では当たり前の働き方が、
なぜ日本ではこうまで拒絶されるのだろうか?
「私の仕事はマニュアル通りに動くことではない」
と声を上げさせない「日本的慣習」。
要求される仕事の内容と、それに対する対価を
きちんとした契約で、事前に決めておかない「日本的慣習」が、
日本の労働生産性を、
OECD諸国の中で最低ランクに押し下げてしまっている。
一部の労働組合は正規雇用の立場を守ることに懸命で、
どう働けばどれだけの報酬が得られるのか、
そうした要求を、経営陣に突き付けることに及び腰になってはいないか。
「同一価値労働・同一賃金」ならば
定時になれば、みんな帰って自分の時間を楽しむことが当たり前になる。
そうなれば、
そこには男女差別も、非正規に対する差別もない。
遅くまで会社に残って「忠誠心」を示すものが出世する、
なんていう日本の会社のルールはおかしいだろう。
能力のある女性たちはこの「忠誠心競争」から
とっとと降りてしまっている。だから、日本企業の
女性の役員登用率が低いなんて当たり前だ。
繰り返し言う。
「同一価値労働・同一賃金」という考え方は間違っていない。
残業規制も必要だ。
今回の「働き方改革法案」から
残業させ放題に繋がる項目を削除させないまま、
無修正で成立させてはいけない。